目次
  • はじめに
  • 第1章 日本の鉄道は特殊である
  • 第2章 日本の鉄道を海外と比較
  • 第3章 日本と海外の都市鉄道をくらべる
  • 第4章 日本と海外の高速鉄道をくらべる
  • 第5章 空港アクセスと貨物の鉄道を国際比較
  • 第6章 イメージと現実のギャップ
  • 第7章 これからの日本の鉄道と海外展開
  • 第8章 国際会議で見た日本の鉄道の立ち位置
  • おわりに
  • 参考文献


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【書評】『日本の鉄道は世界で戦えるか』(1)~鉄道のファクト : なおきのブログ
【書評】『日本の鉄道は世界で戦えるか』(2)~鉄道大国の道と衰退の足音 : なおきのブログ


イメージと現実のギャップ


著者は、多くの日本人は

  • 日本の鉄道技術は世界一である
  • 鉄道ができると暮しが豊かになる

と信じているとしています。


日本の鉄道技術は世界一か?

航空業界では定時運航率などの明確な指標があるのに対し、鉄道業界はそうした明確な指標がなく、日本の鉄道技術が世界一であるとする明確な根拠がないとして否定しているのですが、ちょっとそれは言い過ぎじゃないかなと感じます。私自身、アメリカとドイツで鉄道に乗ったことがありますが、遅延が尋常じゃありませんでした。


鉄道への過剰な期待

一方で、「鉄道ができると暮しが豊かになる」と信じている人が今のご時世どれほどいるかというのは疑問ですが、その妄信が鉄道への過剰な期待の原因だった、といのは一理あると思います。「ローカル線廃止への過剰な抵抗」や「サービス改善に対する過剰な要求」という形で表れているとしています。JR北海道が半ばギブアップしたこともあり、「ローカル線廃止への過剰な抵抗」もやみつつあるようで、路線廃止に自治体が容認する動きが出てきました。



また、「サービス改善に対する過剰な要求」についても、それが長時間労働の温床であると糾弾される時流になってきましたので、過剰な要求もだんだん減っていくと期待できそうです。


鉄道にこだわらない公共交通の再考

とはいえ、足下を見れば、大都市圏を除き日本の鉄道の将来が厳しい状況は変わりません。鉄道にこだわらない地域ごとの公共交通の再考が必要だと著者は提言します。私もそう思います。


海外展開の可否

規格の壁

さて、タイトルにある「世界で戦えるか」。海外展開が可能かと問うてるわけですが、本書はネガポジ両面提示しています。ネガティブな点は、規格の壁。日本の鉄道のほとんどは1067mmの狭軌で、世界標準は1435㎜の標準軌です。海外在住経験と照らし合わせると、これは大きなハンディキャップです。


踏んだ場数

一方で、有利な点もあります。一つ一つの技術は確かに日本に局所最適(ガラパゴス化)しているとはいえ、世界の鉄道利用者数の3分の1を占めることもあり、圧倒的に場数を踏んでいます。以下の技術やオペレーションノウハウが輸出できる可能性があります。


  • 高密度運転のオペレーション
  • 駅ナカビジネス
  • 自動改札システム
  • 災害対策
  • 指差喚呼による安全確認
  • 高速鉄道の騒音対策
  • 空間的制約が多い中での都市部でのトンネルや高架橋工事


以上


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寛永寺坂橋
鶯谷~寛永寺坂橋 2017年1月撮影



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