女性の呼称問題(特に独身アラフォー女性)


本書の著者ジェーン・スー。本書上梓時点で41歳、独身、彼氏なし。


アラフォー女性をより一般的になんと呼称すべきか。一体、「女子」とは何歳までなのか。アラフォー女性は「女子」なのか。「女子」でなければ「おばさん」か。いやいや「おばさん」と呼ぶのは失礼じゃないか。じゃ、「おばさん」とは何歳からなのか。じゃ、「熟女」か?「熟女」はもっと上だろう・・・


本来、「おばさん」という呼称は、肯定的な意味だった。

「おばさん」は本来、中年以降の女性を「親しみを込めて」指す呼称だそうです。


しかし、現代では、特に独身女性に対しては、ネガティブな意味合いを持つ。

「みなさんはどういう人をおばさんだなと感じますか?(年齢に関係なく行動、思考等で)」という発言小町のトピックがでてきました。それに対し、図々しい、うわさ話が好き、所帯じみている、贅肉が付いている、無駄の多い言葉、流行外れのファッションやメイク、などが「おばさん」の特徴として挙げられていました。


「女子」でもなく「おばさん」でもない。独身彼氏なしアラフォー女性のアイデンティティがゆらぐ。

「女子」と「おばさん」の間に、なにか適当な呼称を作り出せばいいのかしら。いやー、私の想像力では、それを上手にイメージできません。


女子、レディ、女性、婦人、淑女、おばさん、熟女など。女性を表す呼称はいくつかあります。私のまわりにも公私問わず、決して不美人でもなく、器量もよし、かつてはいたのかもしれませんが、現在彼氏なし独身40代女性が増えました。著者は、自分の属する女性グループの呼称、アイデンティティに悩むわけですが、あまり小難しく考え、こねくり回さなくても、単に「女性」ではいけないんでしょうか?読書日記人気ランキング


社会性とはなにか?


本書の印象について、恥を忍んで腹の底のさらったものを正直にお伝えするならば著者の勝手な思い込みに囚われ大抵の人にはかなりどうでもいい女の愚痴話、長話が延々と続く本です。リアルな場面でこのような愚痴話・長話を延々続けられたら、聞いているほうがつらいです。(斜体は、著者の言葉からそのままの借用です。)


なるほど、著者は男につまずく、男社会で生きていく社会性を身につけていない、私もそう感じます。しかしいみじくも、著者は重要な問題提起をしています。その社会性って、男だけに通用する社会性ではないかと。

そもそも、社会性の「社会」って、誰の社会なんだろうか?

私は無意識に「大きな社会」のルールを、働き続けることが当然とされている男社会のルールになぞらえて考えているのだと思いました。であれば、すべての世代の女性が、その社会性を現状持ち合わせているワケがない。働くおじさんが突然家庭に入った女性の集団に放り込まれ、その集団の不文律に則った行動をするのはなかなか難しいでしょう。それと一緒だと思いました。


私の経験

私はまさに、30人以上の女性に対し男1人というPTAや保護者会といった女性の集団に身を投じた経験があります。


なかには専業主婦の方の論理を振りかざされて(その方の社会性に準拠させられて)、辟易としたこともあります。私がPTA役員を1年で降りた理由の一つでもあります。


私は、仕事社会の男だけの論理は破壊していくべきだと思いますし、同様に、PTAの女性に偏った論理も破壊していくべきだと思います。仕事社会では、「女性が接待する場」が多々あります。ほとんどの学校でPTAの集まりは平日の昼です。女性も参加できる接待場面、男性も参加できるPTAというふうに変わっていけないものでしょうか?


最近は、女性経営者も多くなってきました。どういう接待をし、どういう接待を受けているんでしょうね。そのハウツーをぜひ、ジェーンさんに明らかにしてほしいものです。


ジェーンさんの経験

ジェーンさんは、お父さんとの葛藤・相克も赤裸々に述べています。そのお父さんは、男は家庭を省みずに働くことが正しいとされていた時代に生きてしまいました。お父さんはお父さんで、そのご自身の社会性の鎧を身につけてしまいました。年がいってから身にまとったものを脱ぎ去るのは難しいことです。ジェーンさんのお父さんとの葛藤は、ジェーンさんだけに責任があるのではなく、お父さん側にも責任があります。そんなお父さんの観念を作った男社会の論理も原因です。そうした男社会の論理は、少しずつ綻んできていますし、これからその綻びは加速するでしょう。


こうした「社会性」の固定観念を一つ一つ変えていくことができれば、きっと、男も女も生きやすい世の中になっていくのではないでしょうか?読書日記人気ランキング


少女性・少年性を持つ

さみしくて傷ついた気持ちや、嬉しくて飛び上がりたい気持ちを素直に感じている存在を、便宜上「小さな女の子」と名付けましょう。


男はいつでも少年性を持っていてよいと思うし、女もいつまでも少女性を持ち合わせていてもいいと思っています。10代20代女子が「かわいい」という対象物を、私より年上の50代や60代の女性が、やはり同様に「かわいい」と表現しても、私は肯定的に受け止めます。同様に、男は時にガキっぽいです。私が「青春18きっぷ」で旅をするのも、私の少年性の一面です。女性のみなさん、男のガキっぽさを否定しないでください。


追伸:見出し画像を、おばさんイメージから、キャリアウーマンに変更しました。(8月21日 22:43)


photo credit : acworks via ac-illust.com




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