氷山で漂流するホッキョクグマ

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC BY-SA 3.0



帝国ホテル朝食会にて、東京都市大学環境情報学部の山本良一教授のお話を伺いました。


地球温暖化(Global Warming)がもたらす未来を考えると、憂鬱な気分になります。今、地球温暖化ガスの排出量が削減できても、慣性が働いてしまうため、温暖化にブレーキがかかるまでにそれ相応に時間がかかります。


学者により見解がまちまちなようですが、地球温暖化の閾値のひとつが2度の平均気温の上昇です。2度以上上昇すると、ポイント・オブ・ノーリターンを超え、破局を迎えることになりかねません。また、人によっては閾値は1.5度とのことです(検索してみましたが、日本語での情報が見当たりません。)



2013年、CO2濃度が400ppmを超えたとのことです。あまりニュースになっていないような気がしますが。現在もまだ上昇中です。南極、北極、グリーンランドの氷解も急速に進んでいます。


世界の動き


ローマ教皇の声明

ローマ教皇フランシスコが、6月18日、回勅「ラウダート・シ」(Laudato Si)なるものを発表しました。バチカン放送局が日本語訳を公開しています。また、クリスチャン・トゥデイ誌が日本語要約を出しています。ローマ教皇が、「環境的回心」を呼びかけています。



フランス政府の転換

また、ちょうど7月22日に、フランスが「エネルギー転換法」を改正し、原発削減を加速し(2025年に50%)、企業に環境リスク開示を義務づけたとのことです。



そして日本

東日本大震災後、日本では原発停止分を補うため、化石燃料による発電を増やしたままです。2020年までにCO2排出量を25%削減するという目標があったはずですが、雲散霧消してしまいました。


CO2排出量削減に向けた全国民的議論があらためて必要ではないでしょうか?



関連書籍

2052 今後40年のグローバル予測
ヨルゲン・ランダース
日経BP社 ( 2013-01-09 )
ISBN: 9784822249410


近未来の課題は、地球温暖化問題だけでなく、エネルギー問題、食糧問題があります。民主主義というのは、意思決定に時間がかかります。時間をかけて議論している間に、時間切れにならないかということを、本書の著者は警鐘しています。



地球の目線 (PHP新書)
竹村 真一
PHP研究所 ( 2008-12-16 )
ISBN: 9784569700861



数日前のOPEN ROAD PROJECTの記事でも述べましたが、自動車というのは人間の体重の10倍前後の重量になり、人間を運ぶためにその10倍の重量を運んでいます。100馬力というのは、馬100頭分です。日本国内で走っている自動車の数は5000万台、全世界では5億台強といったところでしょうか?モータリゼーションが起きる前と比べると、膨大なエネルギーを費やしていることになります。


CO2排出量削減は、交通、工業、都市、家庭といった、あらゆるレイヤーで行わなければなりません。それぞれのレイヤーで50%、75%削減が必要になってくるでしょう。たとえば、交通に関して、自動車の燃費を2倍、4倍に上げていく必要があります。10-20年以内に、i-Roadのような軽量モバイルへ大転換することができるでしょうか?どうすれば、それを推し進めることができるでしょうか?それだけでいいのでしょうか?見落としている点はないでしょうか?



現実解として、すぐに化石燃料をゼロにすることはできません。化石燃料もまた、圧倒的燃費向上を図る必要があります。コンバインドサイクルガス発電(ガス火力のハイブリッド化)もひとつの解です。




農村部の地方自治体クラスだと、森林伐採によるバイオマス発電も現実解のひとつでしょう。クヌギの林は15年サイクルで植林・伐採ができます。ただし、大容量の電力を消費する大都市や大工場の電力は、これではまかなうことができないため、上記のガス発電の燃費向上や、原子力発電、水力発電、風力発電などと組み合わせて、CO2排出量の削減を進めていく必要があります。。





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