<目次>
  • はじめに
  • 名門美術学校の意外な上顧客
  • 忙しい読者のために
  • 第1章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界
  • 第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場
  • 第3章 システムの変化が早すぎる世界
  • 第4章 脳科学と美意識
  • 第5章 受験エリートと美意識
  • 第6章 美のモノサシ
  • 第7章 どう「美意識」を鍛えるか
  • おわりに


【書評】『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(その1) : なおきのブログ


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「美意識」のない集団・会社の代表例


本書では、「美意識」のない集団として、新興宗教の他に2つの業界を名指しで批判しています。


  1. オウム真理教
  2. ボストン・コンサルティングなどの戦略コンサルティング会社
  3. DeNAなどの新興ベンチャー


その名指しをしている箇所を引用しましょう。


「業界の特性」ということで引っ括められると迷惑だという反論もあるかと思いますが、あえて名指しで、オウム真理教と類似しているなと筆者が感じる二つの業界を挙げるとすれば、それは戦略系コンサルティング業界と新興ベンチャー業界ということになります。(P170)

2002年に戦略コンサルティングの会社に転職し、昇進や評価のシステムに関する説明を入社時研修で受けた際に、すぐに「この組織はオウムの仕組みとそっくりだな」と感じたことを、よく覚えています。(P171)

オウム真理教の教祖だった麻原彰晃が、弟子に対して語った講話の記録が残っているのですが、これを読んでみると非常に興味深い。というにも、麻原はことあるごとに「小乗、大乗、金剛乗」の3ステージを示し、どのような修行をすればこのステージを駆け上がっていけるかを繰り返し帰依者に訴えているのですが、これはコンサルティングファームの上級役員の語り口と非常に似ているんですね。 (P174)

昨今では「新卒で戦略コンサルティング会社に入り、途中から新興ベンチャー企業に転職する」というのは一つのキャリアパターンになりつつあります。

前章で事例をとりあげたDeNAの創業メンバーのほとんどが、戦略コンサルティング会社の出身者であったことを思い返せば、これらの業界に集まる人たちに共通する「思考の様式」がおわかりいただけると思います。その思考様式とはつまり「社会というシステムの是非を問わず、そのシステムの中で高い得点を取ることだけにしか興味がない」という考え方です。 (P175)


本書を読んで、合点がいきました。なぜ、DeNAには倫理観が欠如し、社会的規範が通用しないのか。



さて、DeNAという会社は、南場智子氏が現場復帰し、立て直しを図るとしましたが、私はこの会社は本質的には何も変わらないと思っています。南場智子が創業者として影響力を行使し続けている限り。彼女こそが、戦略コンサル会社の思考様式を身につけた人物そのものであり、読書を否定する彼女に、哲学や倫理は望めないからです。



一時、IT業界からDeNAへ転職する人が続出しました。私の知り合いも何人かが転職しています。しかし、ほとんどの人がDeNAを去りました。


もし、これからDeNAへの就職や転職を考えている人がいたら、私はこう言います。「やめておけ。人間性を失うぞ」と。


そして、まだそれほど大きな問題に至っていませんが、他にもきな臭いと感じる新興ベンチャーがあります。一つはメルカリ、もう一つはウォンテッドリーです。現金出品に後手後手の対応したメルカリは、現在もブルセラに後手後手になっています。ヤフオクでは対策済みなのに、一体どういうことなのでしょうか?また、ウォンテッドリーの社長・仲暁子は、上場に際し、自身に対する悪評をもみ消そうとし、炎上しました。



外資系戦略系コンサル会社にも、私はよい印象を持ちません。「うちの経営者はコンサルに騙された」という会社を複数知っています。日本を代表する企業です。


「美意識」のある会社


本書では、美意識のある会社として、Apple、Google、マツダを挙げています。Appleの製品はスティーブ・ジョブズの審美眼に支えられていました。Googleは「Don't be evil.」という社是を掲げました。DeNAのような会社とは対極にあります。


そして、マツダは「鼓動」をテーマにデザインコンセプトを掲げました。


さて、本書は、なぜ「美意識」を鍛えるのかを説くのと同時に、「美意識」を鍛える4つの方法も提示しています。


つづく。

【書評】『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(その3)美意識を鍛える4つの方法 : なおきのブログ


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