<目次>
  • はじめに
  • 第一章 ヴィーナス 官能の支配者
  • 第二章 官能なる神話の世界
  • 第三章 画家たちの愛
  • 第四章 かけひき キスから結婚まで
  • 第五章 秘めごと ポルノグラフィー、不倫と売春
  • 第六章 さまざまな官能芸術 同性愛・愛の終わり・昇華された愛


あらためて、絵画とは、その時代時代の価値観を描写するなと思います。昨年末は『名画とあらすじでわかる! 美女と悪女の世界史』を読みましたが、今回は「官能」にフォーカスした本です。西洋社会がどのような価値観の変遷があったかがよくわかります。扱っている時代は、ギリシャ時代以降から20世紀前半のピカソの時代あたりまでになります。読書日記人気ランキング


たとえば、ギリシャ世界では、一夫多妻制で、近親相姦や不倫がタブーではありませんでした。これは、古代から中世の日本の皇族や貴族の世界にも見られます。ギリシャの神のトップであるゼウスは、姉妹とどんどん交わってしまいます。


しかし、その後普及したキリスト教では、一夫一妻制となり、近親相姦や不倫はタブーとなり、性行為のあり方も厳格になりました。

キリスト教全盛の中世期になると、表向きこうした絵画は姿を消す。性に対する倫理観がガラリと変わって厳しいものになったためだ。たとえば、妻が生理中や妊娠中、また授乳中であれば性行為はしてはならない。


そして、アダムとイブの時代より、人間の現在は女に被せられます。「あぁ~、弱きものよ、汝の名は女なり!」とハムレットがつぶやいたわけですが、なるほどそういうことか。


キリストの母はマリアでしたが、キリストにはもう一人、マグダラのマリアという女性もいました。「なぜふたりともマリアなのだろう?」と疑問に思ったのですが、当時は女性を識別するために個別に名前をつける習慣がなかったのかもしれません。長男はみんな太郎みたいな。


また、本書を通じて、化粧の習慣や女性のリテラシーの向上のあり方なども、絵画に残されていているのがわかります。


では、本書で紹介されている絵画をちょこっと紹介します。ほとんどがパブリックドメインになっていますので、だいたいWikipedia等で検索できます。読書日記人気ランキング


サンドロ・ボッティチェッリ作『ヴィーナスの誕生』

ヴィーナスの絵画といえば、これ。サンドロ・ボッティチェッリ作『ヴィーナスの誕生』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


アレクサンドル・カバネル作『ヴィーナスの誕生』

こちらのヴィーナスも有名。

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


ドミニク・アングル作『グランド・オダリスク』

有名なヌード絵画ですが、背骨の数が3本多いらしい。背中の長さがありえない。

ドミニク・アングル作『グランド・オダリスク』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


パオロ・ヴェロネーゼ作『レダと白鳥』

白鳥を男と見立てれば、卑猥です。

股間と股間が合わさっているように見える。パオロ・ヴェロネーゼ作『レダと白鳥』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


フランシスコ・デ・ゴヤ作『裸のマハ』

服を着てるマハと裸のマハがあります。

フランシスコ・デ・ゴヤ作『裸のマハ』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


ギュスターヴ・クールベ作『世界の起源』

『世界の起源』とは的を射ています。

ギュスターヴ・クールベ作『世界の起源』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


版画集『イ・モーディ』より『MarsVenus』

完全に交わっています。『イ・モーディ』を検索するともっと・・・

版画集『イ・モーディ』より『MarsVenus』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0


ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル作
『洞窟のマグダラのマリア』

キリストに付き添ったマグダラのマリア。彼女は娼婦でした。

『官能美術史: ヌードが語る名画の謎』の表紙を飾りました。

ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル作『洞窟のマグダラのマリア』

画像出典:Wikipedia ライセンス:CC0 1.0




↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村