<目次>

第1章 藤沢市にはホームレスが輝く農園がある

第2章 私が「農」を始めたワケ

第3章 農業界とホームレスをつなげる

第4章 生活保護のほうが“マシ”?農業研修に新たな壁

第5章 就農第1号が誕生!そして見えてきた次の課題

第6章 「ホームレス農園」は今、さらなるステージへ

農業とわたしと日本


農村にはたしかに都会にあるようなものは何もない。でも、都会にはないすべてがある。人間関係も、生きる術も、自然と共存した営みも、私にとって必要なものすべてを故郷は私に与えてくれたと思う。 (P48)

引用元:『ホームレス農園』


かれこれ、4年連続、子どもを連れて田植え体験に参加しています。午前中に田植えを行い、お昼は田んぼを提供いただいている農家宅で、お食事をいただくのですが、取れ立ての野菜のなんとおいしいことか。農家の方たちというのは、都会の人間が味わうことのできない食生活を過ごしているのだと思いました。

食事をしているのだろうかと思いました。



8年前に北海道旅行をした際のもぎたてのトウモロコシのおいしさも忘れられません。畑から取れ立ての野菜は、とにかくおいしいです。生きていることを実感します。


また、仕事関連の後輩で、NPOを通じて農業起業家を支援している方がいます。さらに、PTA活動で通じて知り合ったとある方も、農業起業家を目指すとのことでした。企業間フューチャーセンターの中でも、農業との関わりのある方が増えてきています。



21世紀の日本の成長産業をひとつ挙げろと言われたら、私は迷うことなく農業を挙げます。また、今後、日本の財政危機の悪化の仕方によって、最悪、エネルギー危機と食糧危機に陥る可能性があると考えています。国の農業支援の仕組みできつつあります。農業は、チャンスです。


以上の前提認識のもとで本書と出会いました。きっかけはソーシャルおじさん徳本さんのブログです。



東京都内の貸し農園

東京都内の貸し農園 image from Wikipedia under license of CC BY-SA 3.0


うちの近所に区の貸し農園があったのですが、マンションになってしまいました。近所に貸し農園があれば、ぜひ借りたいのですが・・・


使命感


本書にあふれるのは、著者・小島希世子さんの使命感です。「せねばらない」と思った途端、行動に出ています。

飢えで死ぬ子どもたちの映像が私の決意を強くした

「そうか、アフリカの子どもたちを救うには、まず私自身が勉強しなくてはいけないんだ!」と思った。 (P50)

「誰もやらないなら私がやる・せっかく思いついた最高のプランを葬ってはいけない」 (P106)

“安心な食卓”を守り続けていくためには、より一層、農家と消費者の溝を埋めなくてはならない。それには、体験農園で野菜作りの現場を知ってもらうのが一番だ。 (P109)

論理性


小島さんが、使命感や情熱といっしょに合わせ持っているのが、論理性です。使命感と論理性というのは、起業家にもっとも必要な素養ではないでしょうか?


とにかく論点整理がうまいので、本書の論点も容易にまとめられました。以下にいくつか引用します。


農のいいところ

①「自分で野菜を作って食べられる」

②「自然に癒される」

③「一生続けられる仕事や趣味になる」

④「食べた人に喜ばれる」

⑤「体を使って健康になる」

⑥「農業にはまだまだ大きな可能性が広がっている」 (P31)

私がコンテストに応募しようと思った理由はみっつ。

  • 広告サポートがついていたこと。
  • コンテストに応募することで、ビジネスの勉強になる
  • 自分の取り組みが他の人からは、どう見えるのかを知っておきたかった (P110)

農園に集う全員にとってのゴールを設定した。

①各人が土と向き合うことで、自分自身とも向き合うことを目指す

②農作業を通じて、自分のいいところを見つける

③つらいときに支え合えるような仲間作りを心がける (P148)

株式会社えと菜園の事業内容(P193)

  • オンラインショップえと菜園
  • 体験農園コトモファーム
  • 就農支援プログラム(NPO法人農スクール)

就農支援プログラム

  • 求職者の農業の架け橋
  • 農家の人手不足と後継者不足の解決
  • 現代人のメンタルヘルスケア


農業を通じて生きることを取り戻す


本書は、タイトルのとおり、ホームレスの方が農業体験を通じて、社会復帰をさまを描いています。社会復帰先は、必ずしも農業ではありません。しかし、農業とは、自分の体を動かし、自分を養うことでもあります。


職を失ってホームレスになってしまった方、働けずにニートになってしまった方、そういった方々が農業体験を通じて、自ら生きる力を取り戻していく様子が伺えました。



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