「ない仕事」の作り方
みうら じゅん
文藝春秋 ( 2015-11-24 )
ISBN: 9784163903699

<目次>
  • まえがき すべては「マイブーム」から始まる
  • 第1章 ゼロから始まる仕事~ゆるキャラ
  • 第2章 「ない仕事」の仕事術
    • 1 発見と「自分洗脳」
    • 2 ネーミングの重要性
    • 3 広めることと伝わること
  • 第3章 仕事を作るセンスの育み方
    • 1 少年時代の「素養」が形になるまで
    • 2 たどり着いた仕事の流儀
  • 第4章 子供の趣味と大人の仕事~仏像
  • あとがき 本当の「ない仕事」~エロスクラップ


「マイブーム」「ゆるキャラ」の生みの親であり「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」というみうらじゅん氏がお届けする本書。


「マイブーム」も「ゆるキャラ」という言葉は、それらしいものはあっても、みうら氏がその言葉を発明するまでは、それを簡潔に表現する言葉がありませんでした。


(1) そのような隙間を見つけては、(2) 自分を洗脳し、好きになるために無駄な努力をし、、(3) 勝手に命名しては勝手に発表し、(4) その際、世間一般にアピールするのではなく、一人に絞ったターゲティングを行い、(5) 方々のメディアを接待しては書かせてもらい、そうしてるうちに(6) 勝手に口コミで広がりはじめ、ブームになるといいます。、みうら氏がどのように「マイブーム」や「ゆるキャラ」を仕掛けてきたかが手を余すことなく解説されています。


しかし、いいのか、そんなに手の内を明かして!なにがしらの創造性が必要な仕事をしているビジネスパーソンには、超おすすめです。

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本書は、1月7日の朝活読書サロンでも紹介されました。


「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方


(1) 隙間発見

ジャンルとして成立していない隙間のひとつが、のちに「ゆるキャラ」と命名された領域です。

私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです。 (P3)

「地方の物産展で見かける、おそらく地方自治体が自前で作ったであろう、その土地の名産品を模した、着ぐるみのマスコットキャラクター」という長い長い説明が必要なものだからです。説明しているうちに、面倒臭くなってしまいます。私の「ない仕事」の出発点はここにあります。 (P16)

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(2) 自分洗脳・無駄な努力

みうら氏と言えば、変なコレクションをしているというイメージがあります。しかしそのコレクションは、まさに仕掛けている最中ということになります。

「ゆるキャラ」と名づけてみると、さもそんな世界があるように見えてきました。統一性のない各地のマスコットが、その名のもとにひとつのジャンルとなり、先に述べた哀愁、所在なさ、トゥーマッチ感、郷土愛も併せて表現することができたのです。(中略)

なかったものに名前をつけた後は、「自分を洗脳」して「無駄な努力」をしなければなりません。 (P18)

他人を洗脳するのも難しいですが、自分を洗脳するのはもっと難しいものです。なぜなら相手は手の内をいちばんよく知っている「自分」だからです。(中略)

そこで必要になってくるのが、無駄な努力です。興味の対象となるものを、大量に集め始めます。好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まってきたから好きになるという戦略です。(P19)


(3) 命名規則

ブームをしかけたい隙間ジャンルを勝手に命名するわけですが、ヒットしやすい名前をつけるわけです。

ブーム・プレイ

ここまで、私が世間ではマイナスとされているものを、「ポップ」に見せることを意図してやってきているということが、次第におわかりいただけているかと思います。

このポップにするための、手っ取り早い方法は、何にでも言葉の終わりに「ブーム」か「プレイ」をつけてしまうことです。たとえば一般的にマイナスだと思われている単語である「童貞」や「失恋」も、「童貞ブーム」「失恋プレイ」と呼んでみるのです。

短縮形

ブームになるものはかなりの確率で、言葉が略されています。昨今のヒット商品番付と呼ばれるものを見ても、「アナ雪」「朝ドラ」「ハリポタ」「壁ドン」「ビリギャル」「パズドラ」・・・と略語が多く目につきます。 (P72)

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(4) ターゲティング

仕掛ける際に、万人受けを狙うのではなく、ターゲットをほとんど一人に絞ってしまうそうです。時に編集者であったり、時に母親だったり。

私は仕事をする際、「大人数に受けよう」という気持ちでは動いていません。(中略)

知らない大多数の人に向けて仕事をするのは、無理です。(中略)

私の場合、そんな「喜ばせたい読者」の最高峰は誰かと言えば、それは母親です。 (P78)

喜ばせる人の顔を思い浮かべて企画するというのは、創造的な仕事の重要なポイントではないでしょうか?


(5) 接待と発表

コレクションがたまり、好きになったら、発表する機会をうかがいます。

なかったジャンルのものに名前をつけ、それが好きだと自分に思い込ませ、大量に集めたら、次にするっことは「発表」です。収集しただけではただのコレクターです。それを書籍やイベントに昇華させて、初めて「仕事」になります。

発表機会というのは、主に雑誌なのですが。。。

ここで必要なのが「接待」です。皆さんは出版社やテレビ局が作家やタレントを接待していると思われているかもしれません。確かにそれがほとんどでしょう。しかし私の場合は、逆接待を行います。

出版社を接待し、「それ、面白いね!」と反応を示してくれたら、しめたものです。そして、自分が連載しているありとあらゆる雑誌に、同時多発的に、波状攻撃をしかけます。

幸いなことに私は、女性ファッション誌からエロ本まで、読む層や本屋の棚も全く違う、多種多様な雑誌で連載をさせていただいています。なので、そのときハマっている「マイブーム」について、一気に全部の雑誌に書くのです。(P82)


接待の重要性は繰り返し述べます。

最近の若い人は、飲み会や接待を嫌うと聞きますが、もったいないと思います。ずばぬけた仕事の才能の持ち主なんて、世の中にそうたくさんいません。同じ仕事のスキルを持っている人が二人いたら、「接待力」のある人のほうが断然有利です。 (P90)


小学生の時分から接待をしていたと述べているのですが、まぁこれは「接待」を説明するための、過剰トークみたいなものでしょう。大人を接待する小学生なんて、ちょっと想像できません。

(中学受験の面接で)面接は「接待」だと思い、面接官を気持ちよくさせることを考えながらしゃべったことを、覚えています。もしこれから就職や転職の面接を受けるという方は、「面接=接待」だと思って挑んでみて下さい。 (P154)

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(6) 口コミ

ここまで仕込んでおくと、口コミが始まります。時に、予期せぬ反応も伴いながら。

この次に大きなブームへの転換期となるのは、「誤解」され始めたときです。(中略)「昨今、ゆるキャラというものをよく見かけるが、実に言い得て妙だ」「日本独自着ぐるみ文化に光を当てた」といった、思いがけない「深読み」をしてくれる人たちが現れます。「今まで私も気になっていたけど、確かにゆるキャラはおかしいよね」と、語り出す人たちも現れました。(中略)

ブームというのは、この「勝手に独自の意見を言い出す人」が増えたときに生まれるものです。 (P19)


Since


そして、みうらじゅん氏が現在仕込み中のマイブームが、「Since」です。

なぜこの店はわざわざ「since 1990」と表明しているのだろう。つい最近なのに「since 2014」と掲げた意味は何だろう?そんなことを考え始めているうちに、いつのまにか私はシンスの虜になりました。 (P147)


たしかに、「創業XX年」と言う代わりに、色んなお店で使われていますね。


自分の人生についても、Sinceを使ってみようかな。節目の年を列挙しておきます。

  • 1969
  • 1982
  • 1992
  • 1996
  • 1998
  • 2010


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