「いき」の構造 (まんがで読破)
九鬼周造
イースト・プレス ( 2011-12-29 )
ISBN: 9784781606934

<目次>
  • 序章
  • 江戸っ児
  • 媚態
  • 意気地
  • 「いき」の外延的構造
  • 諦め
  • 終章


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戦前の哲学者九鬼周造(1888-1941年)の著作。Wikipediaによると、家系を遡ると戦国の九鬼水軍につながるとのこと。足掛け8年ヨーロッパに留学し、ハイデッガーらドイツの哲学者に師事しました。ヨーロッパの文化に触れたことで、日本文化への深い洞察を得たようです。


「いき」とは


「いき」(粋または意気)とは何か?本書より抜粋すると・・・


「いき」とは、運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのである、と (P10)


これではなんなのかよく分からないので、「媚態」「意気地」「諦め」についても見てみると


媚態

異性と自分の間における緊張状態のことで「いろごと」で「いきな話」とか「いきな事」というように媚態はいきの基礎となるものです。 (P115

意気地

自己に対する制約で「武士は食わねど高楊枝」というような「武士道」によってもたらされた信念のようなものです (P115)

諦め

垢ぬけしてあっさりしてる様のことで世間の裏切りによって得られる仏教の「無常」の観念に近いものです。 (P115)


とあります。


歌麿の「深川の雪」
credit:喜多川歌麿 via source : 辰巳芸者 - Wikipedia (license : CC0)
「いき」の始まりは、深川の辰巳芸者だったとのこと

あらすじ


この「まんがで読破」では、病気の母を持つ江戸っ子の千太を主人公に据え、松島屋の親方の辰二郎、幼馴染で吉原の遊女になっていた雪姉を中心に話が進みます。辰二郎こそがまさに「いき」の体現者であり、親方としての「意気地」を見せ、千太もその親方の態度に強く感化されます。


まだ女を知らない千太。兄貴たちに連れられ吉原で再会したのが、幼馴染の雪姉に再会。雪姉は親の借金で吉原に売られたのでした。まさに「媚態」の関係。雪姉の年季はあと3年のところで見受け話が来る。迷う雪姉。もし、千太が3年待ってくれたら・・・・


しかしそこへ母の容態が悪化したという報せ。母の面倒を見ずに遊女に入れあげる千太は非難を浴びる。その状況を知った雪姉は、千太が行かないでくれと言いつつも、雪姉は心にもない「この世は金しだい」と千太を突き放し、見受けを受け入れる。涙の別れ、そして「諦め」。


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「いき」の外延的構造


「いき」の外延的構造として、四角柱で以下の対比がなされていました。「いき」そのものよりも、その対義語を見ていくと、「いき」が何であるか、分かりやすいです。


  • 意気 vs. 野暮
  • 甘味 vs. 渋み
  • 上品 vs. 下品
  • 派手 vs. 地味


この外延的構造は、九鬼周造の原案以外にも、多くの方が表現しています。




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