<目次>
  • はじめに
  • 第Ⅰ部 苦手な人のための読書術
    • 第1章 本と苦労なく向き合う方法
    • 第2章 難解な本の読み方
    • 第3章 多読、速読、遅読の技術
  • 第Ⅱ部 仕事を効率よく進めるための読書術
    • 第4章 アウトプット優先の読書術
    • 第5章 本の集め方、整理の仕方
    • 第6章 読書メモの取り方
  • 補章 読まずに済ませる読書術
  • おわりに


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【書評】『理科系の読書術』(1)読書が苦手な人向け : なおきのブログ


2本目の書評を書きます。


本書は、読書術という範疇を超えて、「知的生産」術の本と言ってよいです。


知的生産と知的消費


著者は、読書を含む知的活動には2つの種類があるとしています。


>>

最初に、「知的消費」と「知的生産」を区別する点から説明しよう。知的生産とはレポート、企画書、論文、書籍などの文章に知価の高い内容を集積することを言う。

それに対して知的消費とは、本を濫読する、将棋を指す、教養ある会話をするなど、知的な活動ではあるが直接生産に結びつかない活動を言う。 (P100)


本書の後半は、知的生産にフォーカスしています。


大学の先生、科学者が書いた科学者&学生のための知的生産術の内容ですが、すべからくビジネスにもあてはまります。


大切なキーワードは、“不完全”と“断念”である。不完全を許容するとは、目的達成のためにはやりかけの仕事であっても捨てる、ということである。完璧主義から逃れること、と言ってもよい。完璧主義とは自己満足の世界なのだ。 (P102)

科学者は自然のすべてを解明すると思ったら大間違いで、科学は「自然現象の中から、科学が取り扱い得る面だけを抜き出し」たものにすぎない。 (P104)

世のなかには、いくらやっても解決できないことに多大なエネルギーを注いでいる人がいる。一方、賢い科学者は「解ける問題」から取り組んで実績を作り、「解けない問題」は後回しにする。(P105)

アウトプット優先の科学者は、実験する前に論文を書いてしまう。 (P107)

知的生産では最初に確認すべきことがある。それはアウトプットの目標と全体の持ち時間である。 (P108)


けっこう耳が痛い話です。というのは、けっこう私にもあてはまりそうなので。


不完全をよしとする、断念する、捨てる、ということが、もっと自分には必要なのだと痛切に感じました。


ブリコラージュ


最終章に「ブリコラージュ」の概念が出てきました。


「未開人」の社会には、今そこにあるものを使って逞しく生きていく知恵がある。彼(レヴィ=ストロース)は主著『野生の思考』で「ブリコラージュ」という言葉を使い、彼らのすぐれた知恵を紹介した。 (P188)

極限すれば、現代のわれわれに必要なのはエンジニアリングよりブリコラージュなのである。 (P189)


複雑な社会で、人生を複雑にしてしまっているかもしれません。もっとシンプルに生きてよいのだろうと思います。


まもなく50歳になります。いろいろ捨てていこう。


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