今月は、自社の研究開発テーマにコネクトするフューチャーセッションを主催し、社内勉強会も主催しました。また、2件のワールドカフェ(イギリスダイアログ2憲法カフェ)に参加しました。企業をまたいだフューチャーセッションのあり方(企業人によるフューチャーセッション参加の意義)について、これまでも複数の記事を書いていましたが、それらを組み合わせ、考えを整理しておきたいと思います。


社会課題の複雑化、協創・協働と役割・場


社会課題が複雑化しているため、企業単体でクローズして解決することがだんだん難しくなってきており、一般論として、協創・協働・コラボレーション・オープンイノベーションが必要だ、と言われています。この協創・協働関係は、映画製作やオーケストラになぞらえることができ、その際に必要なのは、プロデューサーという「役割」と「場」です。昨今、サードプレイスが激増しているのも、そうした背景があると思われます。



企業と社会課題の関係性



利害が生じる前の関係性構築


協創場・協働場を作ろうとした場合、問題になってくるのは、いかにその相手を見つけるかです。既に利害が生じている相手では、損得勘定を優先しがちです。先に自社の利益を考えてしまうと、真の課題解決が遠のきます。企業であれば先行投資が必要でしょうし、これからのビジネスパーソンに求められる素養の一つが、自主的な関係性構築能力ではないかと思います。そのためには、主体的に、ボランタリーに社外のコミュニティに参加する、社会貢献活動を行うことが必要なのだろうと思います。


今月はじめ、二つのセッションを企画し、人を集め、人をつなぐことの大変さを再発見しました。



勉強会・コミュニティ・フューチャーセッションを企画し、人を集め、人をつなぐこと。



アイデアよりも具現化、企業利害と社会課題解決の折り合い


フューチャーセッションやワールドカフェなどの手法を用いれば、いくらでも社会課題解決のアイデアを引き出すことは可能です。昨今、アイデアソンが人気を博しているのはそのためであろうと思います。


しかし、問題は、それをいかに具現化させるかです。アイデアではありません。


一方、私の本業は、新規事業投資に対する審査機関のマネジメントです。一時期は年間100件近くの審議に携わりました。一般的、研究開発フェーズ(アイデアフェーズ)から事業化フェーズ(具現化フェーズ)の間に「デスバレー(死の谷)」があると言われます。企業が良いと思って実際に製品を作ってみても、市場・顧客に受け入れられなかったというケースがたくさんあります。


企業はコストに見合わない投資をいつまでも続けることはできません。一方、企業努力なくして、多くの社会課題は解決しません。これをどう折り合いつけるのかが本当に難しいです。企業側の視点で見た場合、それが「デスバレー」という現象として現れます。


まだ、私自身、仮説検証の域を出ておりませんが、フューチャーセッションは、このデスバレーを越える手段になりえます。つまり、企業の利害と社会課題解決の折り合いをつけることです。



デスバレー越えのフューチャーセッション



最大公約数と最小公倍数


そこで注意が必要なのは、社会課題解決は最大公約数的であるのに対し、個々人・企業の利害は最小公倍数的である点です。一般的に、ワールドカフェは、前者のアイデア発散で終わってしまい、個々の充足(収束)へはいたりません。後者はどちらかというと、新規事業企画のプロフェッショナルの領域と言えます。


世の中に、事業企画コンサルタントと称する方はたくさんいますが、個々の充足に重きを置いており、個々の生み出す価値でコンサルティングフィーを凌駕している限り、コンサルティング契約は成立します。しかし、このアプローチには欠点があり、決して社会課題解決には至らない点です。不祥事を起こす企業が後を絶たないのは、企業利益に重心を置きすぎているからに他なりません。


社会課題解決と企業利益のバランスをどう折り合いをつけるのか?企業をまたがるフューチャーセッションはその結節点になるのだろうと確信しております。




おわりに


以上、企業をまたいだコラボレーション・オープンイノベーションのあり方についての現時点(2015年11月28日)でのまとめになります。


執筆時間:約50分 体裁整え:約30分




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