芳林堂書店

image via 芳林堂書店



先々週、首都圏の書店チェーン・芳林堂が倒産しました。



知識量で勝負する仕事は残らない


先日読了した『ロボットは東大に入れるか』の命題は、人工知能によって奪われる職業は何かを明らかにすることでした。もっとも、「人工知能」という言葉はバズワードです。「人工知能」の部分を「インターネット」や「コンピュータ」に置き換えても、ほぼ同じ問題提起ができるでしょう。


今後数年以内に、インターネットによって奪われる業態は何かと問われれば、それは書店といことになります。同様のことはすでに起きていて、証券マンはネット証券に置き換えられ、CDショップもオンラインショップに置き換えられました。


本が与えてくれるもの、それは知識です。しかし、知識量において、人間はコンピュータに勝てません。

人間らしい仕事は、人間が学校に行かなくてもできることなのではないかというふうに考えられる。学校の勉強のうちの大半は、本当は機械に置き換えることができるんだけれど、いままでそういう機会がなかったから我慢してやってたんだな、みたいな話。 (P246)


ですので、知識量で勝負するような仕事は、今後、ますますコンピュータ・インターネットに置き換わっていくと予想できます。

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職人技も形式知化されれば残らない。


しかし、どうもそれだけではなさそうです。

クックパッドを覗けば優れたレシピはいくらでも見つかるし、食べログやテリヤキなどで参考にすべき評判のお店だって簡単に分かる。こうしたサービスを利用すれば、「『ファミレスより美味しい』くらいのレベルなら十分身に付く」


従来、料理人というのは、何年もかけて修行するものでしたが、ホリエモンは、何年も修行するのはナンセンスで、クックパッドで十分おいしいものができると喝破します。


最近、クックパッドを使って料理をしている私には、そのことがよく分かります。


つまり、職人の技能と考えられたものでさえ、一度インターネット上で形式知化されてしまえば、優位性が途端に失われてしまいます。マクドナルドやワタミなどの外食チェーンは、ますます危ういのかもしれません。

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本書は気になって読まずじまいだけど、読んでみようかな。


生き残る料理店の条件


じゃ、すべての外食産業がダメになってしまうかというと、そんなことはありません。そのヒントも『ロボットは東大に入れるか』にありました。

犬と猫の写真の区別については、データがそろえば学習しようがありますが、イラストはなかなか難しい。 (P90)

犬と猫の判断の精度は最近飛躍的に上がっている、といお話をしましたが、いっぽうで、「かわいい猫はどれですか」というのはまだコンピュータには判断できません。 (P103)


レシピは、形式知化されてしまうため、優位性はなくなりますが、絵的なもの、つまり盛り付けはどうもそうはいかないようです。盛り付けの写真を共有したところで、なかなか、思い通りには盛り付けられる気がしません。また、包丁さばきや手打ちうどんの実演なども、見よう見まねでは真似できません。「おいしく見せるための演出」は、人間の出番として残りそうです。


生き残る書店さんの条件


とすると、生き残る書店の条件は、何らかの演出ができる書店ではないでしょうか?そう考えると、天狼院書店などは、残る書店の条件を備えているように思います。


さて、私はよく読書会に参加していますが、不思議に思うことがあります。なぜ、書店は読書会を開かないのですか?人と人が集う読書会は、コンピュータに置き換えられない演出です。本屋さんが読書会を開けば、ある一定層の客層は集まりそうなものです。


残念ながら、天狼院書店以外、読書会を催している書店を私は知りません。


だれが「本」を殺すのか
佐野 眞一
プレジデント社 ( 2001-02 )
ISBN: 9784833417167



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