三代目歌川豊国 画『踊形容江戸繪榮』

出典:歌舞伎 ライセンス:パブリック・ドメイン



歌舞伎を無性に観たくなったではありませんか。著者の術中にまんまとはまってしまいました。


学生時代に英語劇を演じ劇団四季のファンである私が、能や歌舞伎などの日本の伝統芸能に惹かれながらも、ついぞ、この年になるまで一度も観たことがありませんでした。なんとなく難しそうだからと敬遠していたのかもしれません。しかし、本書の著者、成毛さんは、「分かる必要がない」と言います。


これまで歌舞伎を観ると書いてきたが、実際の感覚としては「見物する」ものだ。日本の伝統芸能の一つとして、鑑賞しようとか、勉強しようとか、理解しようとか、そういった殊勝な心がけは一切いらない。わかる必要がないというのは、そういう意味である。


なるほど、そうだったのか!分からなくても、見物すればいいのですね。


<目次>

第一章 忙しい現代人には歌舞伎が必要である

第二章 知らないと恥ずかしい歌舞伎の常識

第三章 教養として押えておきたい演目一二

第四章 歌舞伎見物をスマートに楽しむ

第五章 ビジネスに歌舞伎を役立てる


ビジネスに歌舞伎を役立てる際のキーワード


本書は、ビジネスマン向けの入門書という位置づけで書かれています。第五章では、ビジネス歌舞伎を役立てる際のキーワードがいくつか紹介されています。


ビジネス社会の縮図

私はビジネスマンにこそ、歌舞伎見物をすすめたい。歌舞伎には、何百年も変わらない日本人の姿が描かれているからだ。どんな人間が人から慕われ応援され、どんな人間が嫌われ煙たがられるかは、歌舞伎を観ればすぐにわかる。

注:この引用は前書き文から。


ブランドというものの本質

歌舞伎から学べるのは、ブランドというものの本質である。ビジネスにおけるブランドの重要性については、もはや説明するまでもないだろうが、多くの人はその本質について深く理解するに至っていないのではないかと思われる。

すなわち、その本質とは「変わらないこと」である。いまの世の中は、「変わること」ばかりがもてはやされる風潮があるが、歌舞伎を観ていると、変わらないことの大切さをつくづく感じさせられる。もちろん、歌舞伎も変化している。何を変えて、何を変えないかという部分が肝なのである。

英語より歌舞伎

あなたが、教養ある外国人ビジネスマンのアテンドを担当することになったとする。もしそうなったら、絶対に「ASAKUSA」「SUMO」、そして「KABUKI」は外すことができないはずだ。

心構え

趣味が仕事に役立つのは、それを仕事に役立てようとは考えずに続けたときだけだ。その結果として、役に立つことがある。つまり、役に立たないままのこともある。


ほかに「粋な生き方・働き方」や「年季の積み方」も書かれています。


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