<目次>
  • はじめに
  • 第1章 24億人の首都ロンドン
  • 第2章 「先進する国」イギリスの戦術
  • 第3章 エリート再生産システムとしてのオックスフォード
  • 第4章 階層分断とBrexit(EU離脱)の衝撃
  • 第5章 英国エリートの流儀
  • 第6章 日本への提言
  • おわりに


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カネ・コネ・チエのバランス


カネコネチエ


本書で知り得たことの2つ目は、イギリスのエリートには、カネ・コネ・チエのバランスに優れた人が多いという点です。裏を返すと、日本は、カネ・コネ・チエのバランスに優れた人が稀有で、どれか一つしか持っていないアンバランスな人が多い。これは率直にそうだなぁと思います。


パーティーで出会う資産家の話の上手さ、軽快さ、深さ、広さや新しさには日英間で圧倒的な差を感じました。日本では、3種のキャピタリストのうちどれなのかが、はっきりしている人が多い気がします。そして、皮肉にも、「ああ、投資家ね(教養はなさそう」「ほうほう、学者さんですか(社交性はなさそう)」と、レッテル貼りが楽で固定観念に沿いやすく「わかりやすい」キャラクターの方が、一般的にも好まれ「信用されやすい」ような気がします。 (P290)

誤解を恐れずに言ってしまえば、「一億総中流」という自己認識に至った後の日本社会では、不動産担保重視・資本形成に偏り、コミュニケーション能力だけのネットワーカーが跋扈し、専門性や職人気質が重視されて研究開発がタコツボ化した結果、3価値のバランスを整えた人材・機関が育ってこなかった、ないし整っていることをあまり評価してこなかった気がします。 (P298)


イギリスのエリート階層のバランスがいいのは、一つにはリベラルアーツを教える中高等教育、哲学が必須の大学、紳士が集う社交クラブなどの裏打ちされているのではないかと思います。


私が見聞した限り、東京のトップクラスの私立一貫校はどこもリベラルアーツ教育が徹底しています。同じことは、筑波大学付属駒場や都立小石川にもいえます。


私学の校長先生のお話がおもしろい!~グローバル競争時代に必要なリベラルアーツ : なおきのブログ

先日、武蔵中高の梶取校長先生、女子学院中高の風間院長先生のお話を伺いました。私学の校長先生のお話を伺うたびに、機知、示唆に富んだお話が聴けて、一人の親としてだけでなく、一人の人間としてもためになります。まことに教育哲学者だと思います。

naokis.doorblog.jp


問題は、大学で哲学を教えていないことでしょうか?大学での哲学教育の欠落が、日本のエリートの美意識の欠如に繋がっているという指摘もあります。




カネ・コネ・チエに優れた日本人を創出していくには、


  1. 中高教育の改革、リベラルアーツの要素のとり入れ
  2. 大学での哲学教育の必修化
  3. 働き始めた後の、利害を超えたところでの(企業外での)活動


3点目に関して言えば、著者の橘さんはNPO法人ZESDAの運営に携わり、私もその立上げを支援し、また今企業間フューチャーセンターのフェローを務め、読書会を主宰し、町内会役員、PTA役員を引き受けています。企業外活動に参加している人には、バランス感覚に優れた人が多いように感じます。


以上



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