Flickrで見つけた対談風景:ロフトワーク林千晶代表とMIT石井裕教授との対談
本人許諾を得ていないが、クリエイティブ・コモンズの写真につき、再利用させていただきました。
「対談」の再利用可能な画像を検索したところ、ほとんどが林千晶さんのものでした。
目次
長文になってしまいましたので、目次をつけました。
フューチャーセンターとナレッジマネジメント
昨日、企業間フューチャーセンターの少数のメンバーと、フューチャーセンター、ナレッジマネジメント、対談について、話す機会がありました。
フューチャーセンターとは、私の理解するところによれば、複雑化した社会課題を解決するための未来志向の対話の場です。多様な参加者が集い、それぞれの専門知識や経験などをぶつけ合うことにより、創発が生まれます。
日本でのフューチャーセンターの提唱者は、多摩大学の紺野登教授やフューチャーセッションズの野村恭彦さんですが、もともとこのお二方はナレッジマネジメントの推進リーダー的な存在でした。フューチャーセンターの概念を理解し意義のあるものとするには、ナレッジマネジメントに対する理解が不可欠であると、あらためて認識した次第です。
ナレッジマネジメントのパターン
昨日、あらためてナレッジマネジメントについて話をさせていただきました。ナレッジマネジメントにはいくつかの成功パターンがあり、その一つが「コンペ&表彰」です。実際に私が本業として取り組んでいることであり、今年も2月20日に実施予定です。数日前に投稿した『恋するフォーチュンクッキー』の取り組みも、実はこの「コンペ&表彰」の余興&アイスブレイクの一つです。
そして昨日、もう一つのナレッジマネジメントのパターンに気づきました。先行例があるのかどうか分かりませんので、一旦仮称で「他者発見・自己理解の場」と名づけておきます。
IT勉強会ではポジショニングペーパーによる他者発見・自己理解
方々のコミュニティに顔を出していると、ふと「この人のことをもっと知りたいな」というような方に出会うことが多々あります。「この人の本業はなんだろう?」、「得意技はなんだろう?」、「どんな社会課題に関心があるのだろうか?」ということが知りたくなります。得意なこと、関心事が分かれば、「それならあの人に相談してみるといいんじゃない?」とか「あの人と組むといいんじゃない?」とか「あの本を読むといいんじゃない?」といったアイデアがポンポンと容易に出てきます。
IT勉強会界隈では、この他者発見・自己理解の方法論として、「ポジショニングペーパー」というのがあります。しかし、非IT系のコミュニティでは、一般的ではありません。というより、ほとんど知られていません。
おそらくIT系では、ポジショニングペーパーを公開することにより、お互いの得意領域の情報を開示し、時に自分の能力を効果的に宣伝することにより仕事を取ってきたり、時に人に教えを請うたり、Give and Takeの原理が成り立ちやすいのでしょう。
対話型コミュニティでは対話による他者発見・自己理解
であれば、非IT系にも十分通用すると思うのですが、私が主に参加している対話型のコミュニティでは、その情報開示の方法は、やはり「対話」にて行われるべきだろうということになります。
たとえば、私がAさんのことを知りたいと思います。Aさんに語り手となってもらい、私は聞き手になります。もしくは、Bさんが私のことを知りたいとしましょう。Bさんが聞き手となり、私が語り手となります。そしてこの二者間のやりとりを囲むようにコミュニティ参加者に傾聴してもらうわけです。
そもそも、聞き手に質問されなければ、語り手は論理的でかつ分かりやすい説明はしないでしょう。語り手が一方的に語るのではなく、聞き手に質問されて答えるというスタイルを取ることによって、語り手は、誰にでも分かりやすいより平易な言葉で語る努力をするのではないでしょうか?それはすなわち、自分の中で自分の言葉だけで理解していた事柄=暗黙知が、平易な言葉=形式知に置き換わる瞬間です。すなわち、ナレッジマネジメントです。また、自分のことを平易な言葉で表現することにより、自己理解も深まります。
能力の持ち寄り・創発・相乗効果・あらたな高みへ
ソーシャルメディア・ソーシャルネットワーク、特にFacebookの普及によって、いろんなコミュニティ活動や勉強会が百花繚乱状態になりました。しかし、そろそろ飽きてきませんか?私は飽きてきました。本来、これらのコミュニティは、それぞれ異なる専門領域を持ったビジネスパーソンたちの集いのはずです。お互いの能力を持ち寄り、創発を促し、相乗効果を出し、あらたな高みに達するには、他者発見・自己理解が必要不可欠ではないかと考える次第です。
さっそく、試してみることになりました。
関連書籍
私がナレッジマネジメントを理解するために読んだ新書です。野中郁次郎氏のハードカバーは断念しました。しかしこの新書も侮るべからず、です。通常のハードカバー以上に内容が濃厚です。
日本語で「フューチャーセンター」に特化して初めて書かれた本が、この本です。
フューチャーセンター先進国のオランダに関する本です。海抜ゼロメートル地帯を多く占めるオランダは、日本以上に課題先進国です。オランダ人の取り組みは、われわれ日本人も参考になります。
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