「22世紀型スキル<持続可能学力>を高める私学の教育」


先日、武蔵中高の梶取校長先生、女子学院中高の風間院長先生のお話を伺う機会がありました。私学の校長先生のお話を伺うたびに、一人の親としてだけでなく、一人の人間としてもためになります。まことに教育哲学者だと感じます。私学に人気があるのは、単に受験テクニックを教えているのではなく、しっかりとした教育理念に基づいた人間教育をしているからです。かれこれPTA活動をつづけて5年目になりますが、学校に関与し校長先生をはじめとする学校の先生のお話を聴けるのは、親としても非常に勉強になります。


シリーズ「22世紀型スキル<持続可能学力>を高める私学の教育」第1回

  • 日時:10月5日(日)14:00~16:00
  • 主催:毎日新聞社
  • 協賛:日能研
  • 後援:日本私立中学高等学校連合会、桜美林大学総合研究機構「教育未来研究プロジェクト」
  • 場所:学習院大学目白キャンパス
  • 【参加校ご登壇の先生】
    • 武蔵高等学校中学校 校長 梶取 弘昌先生
    • 女子学院中学高等学校 校長 風間 晴子先生


全部で3回あり、3回目は開成中高の校長先生が登壇するためか、すでに締め切られてしまったようで、サイトからなくなっています。


グローバル競争時代に必要なリベラルアーツ


お題目は「22世紀型スキル<持続可能学力>」なのですが、ひらたく申せば、グローバル競争時代に必要な教育とは何か?ということです。


お二人の校長先生のお話の共通点は、リベラルアーツ(教養)教育です。グローバル教育だからといって目先の英語教育ではありません。武蔵高校は1922年、女子学院は1870年の創立ですが、この精神は創立時から変わっていないのではないでしょうか。


戦後の日本の公立教育の改革では、戦前の皇国教育を否定するあまり、誤ってリベラルアーツ教育も一緒にそぎ落としてしまったのではないでしょうか。2002年からの「ゆとり教育」は、知識偏重教育から脱し、総合学習の時間などを取り入れ、リベラルアーツ教育へシフトすることが目的だったと理解していますが、公立学校の先生にその準備ができないまま導入されてしまったため失敗した、と理解しています。ここ数年、小学校の学校公開日で総合学習時間の様子を見ている限り、かなり改善されてきているように感じます。


公立教育が戦後のさまざまな改革で翻弄され続けた一方、私学は戦前戦後を通して建学の精神の下に一貫した教育をしてきたのではないかと改めて感じました。


風間院長のお話


風間院長は、元々国際基督教大学で生物学の教授を務められていた方です。お話の節々に生物学者ならではの見識が垣間見れました。たとえば、リベラルアーツ教育とは人間の根幹を作る教育であり、それを未分化細胞(機能が定まる前の細胞)にたとえられていました。将来、どんな職業に進もうと、根幹としてのリベラルアーツは必須です。


リベラルアーツとは、自らを自由(リベラル)にする学術(アーツ)であり、自由人にふさわしい学術である、自然、社会、人文、この三つをバランスをもって認識できる力とのことです。また、「知の総合力」という言い方もしていました。


何に見えますか?

知の総合力

原出典:フランシス・クリックの著書
「the astonishing hypothesis the scientific search for the soul」


小学校3年生が理解できるこの図形を、大人は見えなくなってしまいます。総合的に見るたとえとして、この図を提示していました(東洋経済の記事に答えがあります)。



梶取校長のお話


梶取校長先生のお話を聴くのはこれで二回目です。梶取校長は声楽が専門で、現在も自ら音楽の授業の教壇に立つとのことです。梶取校長の講演のタイトルは「『世界』とつながる」でした。ここで『世界』とは、日本国外のことではなく、「自分をとりまく環境すべて」です。人を育てる教育というのは、「こころ」と「からだ」で『世界』とつながる教育とのことです。自己を確立してはじめて世界とつながることができます。進学実績を問うこと、理系・文系を問うことは、愚問だと論破します。



また、別の機会に梶取校長の話を聴いた際、「自由」と「放任」の違い、「自由」とは「規律」と表裏一体であることを得々とお話されていました。まことに教育哲学がしっかりしていると感じました。梶取校長の話を聴くと、この本『自由と規律』を触れずには入られません。「自由」には「規律」が伴うものであり、「規律」を失えば「自由」ではなくなり「放任」になってしまいます。


追記

2018年11月26日

文章を少し修正しました。誤字も訂正しました。



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