『アメリカを変えた夏 1927年』


アメリカを変えた夏 1927年
ビル ブライソン
白水社 ( 2015-10-23 )
ISBN: 9784560084663

<目次>

プロローグ

5月 ザ・キッド

6月 ザ・ベーブ

7月 大統領

8月 無政府主義者たち

9月 夏の終わり

エピローグ


あぁ、この分厚い本。やっと今週読み終わったぜ。



本書は1927年の5月から9月を中心に、その時に起きた事件・時事情報を軸に、飛行機、自動車、ラジオ、テレビ、野球、ボクシング、映画など、今日我々が普通に接している技術や文化がこの時代に飛躍的に普及した様子を描き出します。本書から引用します。

飛行機で国境を越え、普段は自動車や列車で通勤、通学、旅行に出かけ、家ではテレビ、休日ならたまには映画・・・といった今日の私たちのライフスタイルは、もとをたどればその多くがリンドバークの時代のアメリカで生まれ、または大きく花開いた技術や文化に負っている。大衆車、鉄道網、トーキー映画、アメリカを象徴するスポーツの花形の一つとしての野球の大リーグ、芸能ニュースが得意の大衆タブロイド紙、ラジオとテレビ。本書に登場するそんな多様な文化的・社会的現象は、いずれも広い意味では1920年代の産物だ。飛散極まりない第二次世界大戦やや、九・一一や三・一一などを経験してきた私たち現代人も、一九二〇年代を減点として始まった時代の流れの延長線上に暮らしているとも言えるだろう。 (P578)


リンドバークによる大西洋横断の成功が1927年、フォードがT型からようやくモデルチェンジしたのが1927年、ベーブ・ルースが60本の本塁打を量産したのが1927年、それまで無声映画だったものがトーキー(有声)映画になったのが1927年、ジャック・デンプシーのボクシングの試合に、アメリカ国民がラジオにくぎ付けになったのが1927年でした。


人種差別が当たり前だった1927年


さて、図らずも、本書の中で当時は人種差別(白人史上主義)が行われていたことが記述されています。リンドバークは優生学の信望者で、ナチスを支持していました。優生学というのは、ダーウィンの進化の法則の悪用で、人類が発展していくためには優秀な人間だけが子孫を残せばよく、そのためには劣等な人間は去勢すべきだという考え方で、ナチスがユダヤ人根絶の論拠した理論です。そして、アメリカでも実際、何万人もの人間が去勢手術の犠牲になりましたし、1924年に成立したいわゆる「排日移民法」は、優生学に依拠していたようです。


アメリカがナチス・ドイツを批判するなら、日本は戦前アメリカの人種差別を批判すべきでしょう。


まぁ、実際にそのように喧嘩をあえて売ることはいたしませんが、アメリカ人との交渉テーブルに就く際は、アメリカ人とは自分のことは棚に上げる人たちだということは、心の中でカードとして持っておいた方がよさそうです。



Charles Lindbergh

Charles Lindbergh

image via Wikimedia under license of P.D.




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