<目次>
- はじめに
- 第一章 異端児時代
- 第二章 社会でも異端
- 第三章 異端がブレーク
- 第四章 異端から見るネット社会
- 第五章 異端たれ日本人
- 第六章 「女性=異端」では困る時代
- 第七章 異端児を生み出す教育論
- 第八章 異端な改革論
- 第九章 異端のススメ
(追伸に訂正あり)
通常、私は投票しようと思う政治家の本を、その方の政治思想を知るために読むようにしているのだけど、先の東京都知事選挙では、不意をつかれたこともあり、事前に読んでおくことができませんでした。あらためて、小池東京都知事の本を読みました。結果的に、小池氏に投票して間違いなしでした。
本書は、林修氏との対談本です。出版社が林氏に持ちかけ、林氏が小池氏を指名して、成立した対談です。本書では、小池氏の政治思想はあまり触れられていませんが、カイロ大学への留学の決意、竹村健一氏からの抜擢、日本新党設立への参加と政治家への転身、小泉政権での環境大臣の経験など、一通りの小池氏のこれまでの生い立ちが書かれています。
日本新党(細川氏)から新進党・自由党(小沢氏)、保守党、自民党(小泉氏)と政党を渡り歩いてきたがゆえに、政界渡り鳥と揶揄されることもありますが、いやいや、どうして、自分のポジショニングをしっかりと把握された上で行動をしてきたことがよくわかります。
小池氏自身、何度も自分を「俯瞰」してきたと言います。孫子の「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」の通りです。負け戦をしません。林氏は以下のようにあとがきで総括しています。
この厳しい時代にあって、自分と向き合い、さらには小池さんが何度もおっしゃったように自分を「俯瞰する」冷静な目を備えて、進むべき道を考えるにあたって、自分らしさを活かしやすい、「ブルー・オーシャン」を探すべきではないかという提言をしたつもりです。事実、小池さんは「異端」どころか、日本の政治家のなかでも、現在「正統」というにふさわしい位置にいらっしゃいます。 (P184)
先の東京都知事選も、よくよく自分の置かれている状況を考えた上で、戦いを臨んだのだということが分かります。そういう構図が見えてくると、小池氏に啖呵を切った石原伸晃氏が滑稽に見えます。負ける戦をしない人、自分が負けそうだということの自覚がない人、どちらが政治家に相応しいか、自明でしょう。
関連リンク・関連書籍
学歴詐称疑惑の否定(8月27日追記)
カイロで妙なうわさを耳にしたのは92年。同年の参院選で当選した小池百合子議員の「カイロ大卒」という学歴が怪しいという。しかし調べてみると、小池さんは確かにカイロ大を卒業していて、学士号授与を示す書類にはアラビア語で「ジャイドゥ」とあった。優等生なのだ。
(中略)
都知事選では、24年前に私を振り回した“学歴疑惑”がまたぞろ流れた。政界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)は進歩がなく、女性につきまとうのが好きらしい。
『ブルー・オーシャン』もいいけど、やっぱり『孫子』を読むべしだと思います。
この本も読もうと思ったのですが、読めていません。
環境大臣を務めたからこと、説得力がありそうです。
そして、リオ・オリンピックの閉会式に着物で臨みました。
こういうところが実にすばらしい。
立派に、日本をアピールしてくれたと思います。
コメント