<目次>
  • はじめに
  • 序 サービス業の本質をつかむ
  • 1「おもてなしの国」に世界的企業がない不思議
    • 1-1 外国人旅行者が感動する国
    • 1-2 メーカーの世界
    • 1-3 厳しい現実
    • 1-4 梅棹アプローチ
    • 1-5 アメリカが日本研究で得た結論は「利益の源泉は品質にあり」
    • 1-6 わたしの「定義」
  • 2 サービス品質
    • 2-1 プロとしてかんがえる
    • 2-2 うまい働き方
    • 2-3 かんがえる組織をつくるための基礎
    • 2-4 いままでとおなじやり方で、いままでとは違う結果を期待することはできない
    • 2-5 お客様に提供する価値
    • 2-6 マニュアルの悲劇
    • 2-7 品質基準が勝負
  • 3 実務の組立
    • 3-1 変化のステージ・モデル
    • 3-2 サービス・サイクル図
    • 3-3 業務フロー図
    • 3-4 ケース・スタディー
  • その他参考資料
  • 謝辞


著者の青木昌城氏は、1983年に帝国ホテルに入社、経営管理畑を歩み、2006年よりシティーグループの投資銀行部門で日本のホテル・旅館・スキー場などの再生事業を担当、のちに経営コンサルタントとして独立し、現在に至ります。


著者の経歴からも、本書のタイトルからも、本書は観光業向けに書かれた経営書ですが、本書の処方箋は観光業のみならず、サービス業(財を生産する以外のすべての業態)全般に言えることです。我ながら耳の痛いところもあります。


本書の掲げるポイントは以下の四点に集約されているのではないでしょうか?


  1. 管理会計を導入し、個別原価管理を実施する。
  2. 「サービス業」ではなく「情報産業」ととらえる。
  3. 「サービス品質」の製造原価管理・品質管理を行う。
  4. 顧客から選ばれるためのブランド戦略を立案・実行する。

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1)管理会計を導入し、個別原価管理を実施する。


一つ目のポイントは、管理関係を導入し、個別原価管理を実施することです。個別原価管理というのは、どんぶり勘定ではなく、サービスの一つ一つの品目で原価を管理し利益を出すことです。


自分の仕事に照らし合わせると。。。現在は個別原価管理ができていますが、10年前にできていたかというと、否です。


という自分の経験を照らし合わせると、チェーン店化されている一部のホテルチェーンを除き、独立系の旅館業では、ほとんど個別原価管理はできていないのではないかと推察します。


「薄利」をかんがえると、その商品を一つ売ったときの利益がいくらになるのかの具体的数字の把握は基本中の基本です。しかし、おおくの宿の場合、この計算ができません。その理由の一つに、経理を税理士先生にまかせきりにしていることがあげられます。


また、SAPを代表とされる大手ERPシステムが、年商100億円以下の企業には、導入負荷が高すぎて導入できないという現状があります。もちろん、廉価なERPパッケージやERPシステムのクラウドサービス化の流れで、導入負荷は軽減される流れにありますが、個別原価管理を実施できるには、ある一定以上の企業規模が必要でしょう。


一方、観光庁による「旅館経営管理マニュアル」や、新学習指導要領での統計学の再導入など、追い風になっている部分もあります。以上を勘案しても、国・自治体・観光業企業のさらなる改革が必要ではないでしょうか?


  1. L型教育での観光業に特化した人材育成。
    例)地方国立大学文系は、実践的な管理会計教育の場とする。
  2. 個別原価管理ができる程度の企業規模になるまで、観光業企業の合併を促進する。


後者の実践例が、おそらく星野リゾートであり、産業再生機構COOを務めた冨山和彦氏が6つの地方交通機関を買収して設立したみちのりホールディングスではないでしょうか?また、日本版DMOも、この流れに組みしていると理解できそうです。



四ポイントのうち、一つ目を書き終えたところで、ちょっと時間切れです。次項に分けます。

to be continued....
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昨年訪問した山形の滑川温泉

滑川温泉 福島屋旅館 宿泊した部屋

コスパは申し分ないのだが、利益が十分に出ているようには思えない。存続できるかが心配。


関連書籍

「おもてなし」だけでは観光業はダメだということは、冨山和彦氏、デービッド アトキンソン氏、増田 寛也氏らが論じている。個別企業の具体的方法論まで落とし込んでいるのは、『「おもてなし」依存が会社をダメにする』が長けているが、思想的な部分は、冨山氏、アトキンソン氏、増田氏の著書で補ったほうがよいように思う。


G型経済・L型経済で話題になった本。


デービッド・アトキンソン 新・観光立国論
デービッド アトキンソン
東洋経済新報社 ( 2015-06-05 )
ISBN: 9784492502754

アトキンソン氏も「おもてなし」が過度に美化されていることに警鐘を鳴らす。





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