①『才能を引き出すエレメントの法則』

才能を引き出すエレメントの法則
ケン・ロビンソン, ルー・アロニカ
祥伝社 ( 2009-07-28 )
ISBN: 9784396650445


今年の1月、最初に読み終えたのが本書です。ケン・ロビンソンといえば、TEDで最も人気のあるプレゼンテーターです。彼が2006年にTEDで語った『学校教育は創造性を殺してしまっている』の内容を書き下ろしたのが本書です。人間の創造性をはぐくむ何か、それを彼は「エレメント」と呼びますが、その創造性をはぐくむエレメントに焦点をあて、いかに人の才能を引き出すかを語ったのが本書でした。この本を読了した後に書評を書かなかったことが悔やまれます。しかし、この本を読み終った直後、彼の最新作『才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~』が出版されました。すぐに購入したものの、実は積読状態です。年明け早々、読みたいと思います。


②『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ
誠信書房 ( 2007-09-14 )
ISBN: 9784414304169


本書を選んだのは偶然が重なりました。たまたま社会学の本を読もうと思い、Amazonで社会学を検索して見つけたのが本書だったのですが、その直後に受けた研修でも、本書が推薦図書となっていました。複数の出会いがあった本は、なるべく読むようにしています。そして、読まれるべくして読んだのが本書でした。目からうろこでした。人は知らず知らずのうちに心を動かされてしまいます。それをチャルディーニは「影響力」と呼びます。


  1. 返報性:先にもらってしまうと恩を感じてしまう(互酬性)
  2. コミットメントと一貫性:一度言ってしまうと引っ込みがつかなくなる
  3. 社会的証明:みんながやってるとつい流されてしまう
  4. 好意:自分が好きであれば相手も好きになる
  5. 権威:肩書きに必要以上に捉われる
  6. 希少性:ついつい数少ないものに飛びついてしまう。


そして、今年の7月、本書の第三版が出ました。この本も書評が書けていません。できればスライドに起こして図解したいと考えています。



③『おかしいことを「おかしい」と言えない日本という社会へ』


親日派外国人のフィフィの本。毒舌ではありますが、日本人の気づかないことをはっきりと言ってくれて、爽快感があります。フィフィがおかしいと思っている日本人のことの代表例を挙げます。


  • 現代史勉強不足
  • 結婚観:“「幸せにしてね」という女性、「幸せになろうね」という男性”
  • 外国人(主に中国人と在日韓国・朝鮮人)を甘やかす日本というシステム
  • 日本文化を教えずに外国文化を教える愚行:ヒップホップよりも日本の伝統芸能を教えるべき



④『一下級将校の見た帝国陸軍』


昨年末の安倍首相による靖国神社参拝以来、あらためて太平洋戦争を理解しておこうと思い、今年の前半は太平洋戦争を含む昭和前半史に関する本を読み漁りました。そのうちの一冊です。


帝国陸軍というのはまったく残念な組織でした。無戦略、兵站無視、建前主義、大言壮語、公私混同・・・そしておそろしいことに、現代の日本企業の組織もまた、帝国陸軍の悪しき習慣を引き継いではいないかと懸念しています。



⑤『人を殺すとはどういうことか』


われわれは人間は誰しも、他人のこと、他人の心の内面は分かりません。もし、多少なりとも分かる方法があるとすれば、著書を読むことはその一つの方法だと思っています。


もちろん、私の友人・知人には殺人犯はいませんし(いないと思っている)、殺人犯の考えていること、心のうちはうかがい知れません。本を読むことの目的の一つが、他人の心情を垣間見ることであるならば、この殺人犯の告白本は読まずにはいられません。


ほかの受刑者とは異なり、自分の犯したこと、無期懲役という自分の未来を真摯に受け止め、決して絶望せず、未来への前向きな決意とその実践には、感服します。



⑥『脳には妙なクセがある』


昨今の脳科学の啓蒙の進展は目に見張るものがあります。現代のビジネスパーソンに必要な素養の一つが脳科学だと思っています。脳を理解すれば、「人」のことをよく理解できるようになります。


意識や心のあり方というのは、身体と密接に関係していることがわかります。「意識」していると思っていることは、実は神経にとっては、刺激に対する「反射」でしかありません。このことからの帰結は、よき人生を全うするには、身体を動かしながら経験を積むことに他なりません。幼少期におけるあそび・身体運動の大切さがわかります。


本書はかなり骨太の本です。書評が書けずじまいでした。スライドを起こせばもっと腹落ちするのですが・・・


⑦『慰安婦と戦場の性』


本ブログで、朝日新聞の誤報を批判させていただいたところ、プチ炎上しました。



しかし、生半可な知識で「慰安婦問題」を語ってはいけないと思い、あらためて、1995年に出版された吉見義明氏の『従軍慰安婦 (岩波新書)』と、1999年に出版された秦郁彦氏の本書を読みました。一言では語れない、圧巻です。一言で語れないため、今日まで書評を書けずじまいです。


慰安婦問題について、これほどに一次資料を丹念にあたっている方はおられません。さきごろ発表された朝日新聞第三者委員会の報告も、本書で書かれた事実を追認しているに過ぎず、今頃何言っているの?と言わざるを得ません。


本書を読んだ結論を一言で述べれば、やはり慰安婦問題は朝日新聞の犯した大罪であるということにつきます。慰安婦の政府関与は学術界隈では既知の事実であったのにもかかわらず、さも新しく発見したように朝日新聞は1992年1月に突如批判記事を展開しはじめました。宮沢首相の訪韓を狙い撃ちにするためです。


本書が出版された1999年と現時点では、日韓関係は異なります。当時の韓国政府のスタンスは、すべての韓国人に対する保障は1965年の日韓基本条約で解決済みで、元韓国人慰安婦に対する保障は韓国の国内問題という位置づけでした。朝日新聞をはじめとする日本側のセンセーショナルな報道をどちらかというと、煙たがっていたようです。韓国政府による日本政府への謝罪要求がエスカレーションしてきたのは、イ・ミョンバク大統領以降ではないでしょうか?


1999年時点で朝日新聞が記事を訂正し、謝罪をしていれば、ここまで問題は大きくならなかったと言えます。


以下の産経新聞の記事が本書の要約的なメッセージになっています。



⑧『ハリウッドと日本をつなぐ』


私は奈良橋陽子さんと面識があるわけではありませんし、存じ上げたのもわずか数年前のことです。しかし、存じ上げずとも彼女から少なからず影響を受けていたことを自覚するに至っておりましたので、奈良橋さんの本が出版されるとあっては、読まないわけにはいきませんでした。


一般的には、奈良橋陽子さんは、ゴダイゴのヒットソング、『ビューティフルネーム』、『銀河鉄道999』、『ガンダーラ』の作詞家であり、『ラスト・サムライ』のキャスティング・ディレクターとして名を馳せている方です。しかし私にとっては、英語劇の大先輩、いや師匠に当たる方と言えます。



⑨『静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話』

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話
宇野 常寛, 猪子 寿之, 落合 陽一, 尾原 和啓,
門脇 耕三, 駒崎 弘樹, 根津 孝太, 吉田 浩一郎
河出書房新社 ( 2014-06-25 )
ISBN: 9784309246611


7月19日に桜庭さんが主宰するクローズドなイベントに招待いただき、その時のゲストが著者の宇野常寛さんでした。桜庭さんが著者のことを「若手論壇の旗手」と呼んでいました。


本書を読んでみて、あらためてその意味がよく分かりました。社会に対する深い洞察、切れ味するどい風刺。2年前、桜庭さんにお会いした時も衝撃を受けましたが、宇野さんのこの本にも衝撃を受けた次第です。一度に語りつくせない深さがあります。脱帽です。



⑩『世界はすでに破綻しているのか?』


高城剛さんといえば、沢尻エリカさんと結婚していたハイパーメディアクリエイター。そんな認識しか持ち合わせていませんでした。本書を通じて、高城さんが世界を旅して独自の世界観をお持ちであることがわかりました。クリエイティブ系の方がなぜ経済書を書くのか?しかも『世界はすでに破綻しているのか?』という、かなり挑戦的なタイトルです。興味をそそられぬわけには参りませんでした。


本書を通じて高城さんのことを一言で評せば、「破綻国マニア」あるいは「世界一の野次馬」です。もっといい表現があるかもしれませんが、とりあえずそうお呼びしておきます。その行動力と世界を見る洞察力には、脱帽です。



付録②:ほかの方のベストセレクションリンク集



発見しましたら、適宜追記させていただきます。


<当ブログ記事の目次>

<凡例>

  • (評):別途書評記事あり
  • (新):2013年9月以降の新刊



↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村