前項の【読書】2015年読了マイベスト(その1)につづいて、その2です。こうしてみて見ると、私の推薦書にはほとんどベストセラーがありません。良書が必ずしも売れているわけではないと考えています。少しでも、良書をこのブログを読んでいる方々にご紹介できればと思います。
<目次>
- 『自己組織化とは何か 第2版』
- 『未来は言葉でつくられる』
- 『サラリーマンは早朝旅行をしよう! 平日朝からとことん遊ぶ「エクストリーム出社」』
- 『謝るなら、いつでもおいで』
- 『戦争と結婚』
- 『没落する日本 強くなる日本人 ―弱者の条件・強者の条件』
- 『結果を出すリーダーはみな非情である』
- 『せんそう: 昭和20年3月10日 東京大空襲のこと』
- 『もうダマされないための「科学」講義』
以上、その1- 『ふしぎなイギリス』
- 『学力をのばす美術鑑賞: どこからそう思う?』
- 『1500万人の働き手が消える2040年問題』
- 『逆転力 ~ピンチを待て~』
- 『なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか』
- 『シンプルに考える』
- 『たいていのことは20時間で習得できる』
- 『ヒトラーとナチ・ドイツ』
- 『メリットの法則――行動分析学・実践編』
10) 『ふしぎなイギリス』
今でも世界を制しているのはアメリカではなく、イギリスではないかと考えています。アメリカを裏でコントロールしていると言ってもよいでしょう。私がそう考えるに至った主な理由は以下の4点です。
- 世界共通言語の英語
- 旧植民地の発展
- 植民地経営で培われたマネジメント能力
- 留学生の数
イギリスの仕組みを理解して驚きなのは、成文憲法を持たない点と、民主主義を作った国に残る立憲主義、具体的に国家元首たる女王が内閣の組閣権限を有する点です。
11) 『学力をのばす美術鑑賞 ヴィジュアル・ シンキング・ ストラテジーズ: どこからそう思う?』
「創作」ではなく「鑑賞」に焦点を当てた美術教育。従来、美術教育は、どちらかというと「創作」に重きをおいたものでした。しかし、「鑑賞」に焦点を当てた美術教育の必要性を本書の著者は説きます。「デザイン思考」とか「対話」等に興味のある方は、漠然と「美術」の重要性を気づかれているはず。その漠然としたものが、本書を読めば言語化できます。大切なのは「問い」です。本書は「問う」ことを説きます。
12) 『1500万人の働き手が消える2040年問題』
2015年は、財政破綻は避けられないことを前提にいかに軟着陸させるかといった類の本が一気に増えました。本書の著者はかの『超整理法』の野口悠紀雄氏。たとえば年金について、政府は、所得代替率50%を年金支給額の目標としていますが、そのままいくと2031年に年金の財源は赤字に転落します。所得代替率を40%に切り下げれば、財政赤字を免れます。他に医療保険、介護なども同様の試算がなされています。ただし、最大の問題である財政赤字について言えば、野口氏も本書では半ば匙を投げています。オリンピック特需後の反動を乗り越えられるかどうかで、日本の命運は決するように思います。
13) 『逆転力 ~ピンチを待て~』
本書の存在は知っていましたが、特に読むつもりはありませんでした。6月11日の朝活読書サロンでで紹介を受け、読まないことを宣言した上で2本の読まない書評を書きました。しかしその後、結局読むことにしましたが、人間観察力の高さには唸らせるものがあります。
- 【書評】『逆転力 ~ピンチを待て~』①~指原莉乃の生き様に魅せられて
- 【書評】『逆転力 ~ピンチを待て~』②~指原莉乃の対人能力に学ぶ
- 【書評】『逆転力 ~ピンチを待て~』③~“「自分」は他人が見つけてくれる”
14) 『なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか ピース・コミュニケーションという試み』
本書のメッセージを一言で言えば、「反戦」は「平和」ではないことです。別の言い方をすれば、「平和」の反対は「戦争」ではありません。
なぜ、安全保障法案反対を唱える人たちは、平和を唱えているのは自分たちだけで、安全保障法案を推進する側を戦争を臨んでいると攻撃するのでしょう。それは、「戦争」が絵になり、イメージを誰もが共有できているのに対し、「平和」は絵になりにくく、イメージ共有できていないために起きます。
15) 『シンプルに考える』
ながらくLINEの社長を務めた森川亮氏。LINEが成功したのは、彼の社長としての人間の器によるところが大きいのではないでしょうか。
空気は読まなくてよい、社員のモチベーションは上げなくてよい、経営理念も計画もルールもいらない、会議も情報共有もいらない。一般的に信じられているビジネスの定石を覆します。そして、「人選」こそが社長の仕事と言います。「人選」で経営者の器が知れるというものです。
16) 『たいていのことは20時間で習得できる』
俗に「一万時間の法則」なるものがあります。ある領域の専門家になるには、一万時間の訓練を要するというものです。その「一万時間の法則」を真っ向からの反論が本書です。著者のジョシュ・カウフマンは、マニアックにも6つの技術について、20時間での習得をチャレンジしその成果を実録します。その6つの技術とは、ヨガ、プログラミング(Ruby on Rails)、タッチタイピング、囲碁、ウクレレ、ウィンドサーフィンです。
17) 『ヒトラーとナチ・ドイツ』
本書を読もうと思ったのは、安全保障関連法案の国会での茶番劇を見て、憂慮したからです。民主主義を否定したナチス政権がなぜ成立してしまったのか、そして、日本は同じ危機に直面していないかを。一体誰が、何がナチス独裁の道を拓いたのか?一言で言えば、当時の保守政治家たちは、もろ手を挙げてナチス政権を歓迎しました。当初は保守政治家たちとナチスによる独裁だったものが、ナチス以外の保守政治家は数年たって駆逐されていきます。
【書評】『ヒトラーとナチ・ドイツ』一体誰が、何がナチス独裁の道を拓いたのか?
18) 『メリットの法則――行動分析学・実践編』
ここまでの17冊はすべて書評を書き終えていますが、本書だけまだ書けていません。2015年のベスト・オブ・ベストの本を選ぶとすれば、この本を選びます。人を動かす方法に「アメとムチ」がありますが、「ムチ」は副作用が大きく、自発性を育みません。「アメとアメなし」により自発性を育み、人間の行動を変えることができます。本書では、不登校、自閉症、リストカットの子などの事例で「アメとアメなし」の有用性を実証しています。
本書は、親、上司、看護師、介護師など、人の世話をせねばならない人だけでなく、ダイエット等、なかなか行動できない人にも「行動を変えるにはどうすべきか」普遍的な法則を提示します。現在、スライド作成中です。
<目次>
- 『自己組織化とは何か 第2版』
- 『未来は言葉でつくられる』
- 『サラリーマンは早朝旅行をしよう! 平日朝からとことん遊ぶ「エクストリーム出社」』
- 『謝るなら、いつでもおいで』
- 『戦争と結婚』
- 『没落する日本 強くなる日本人 ―弱者の条件・強者の条件』
- 『結果を出すリーダーはみな非情である』
- 『せんそう: 昭和20年3月10日 東京大空襲のこと』
- 『もうダマされないための「科学」講義』
以上、その1- 『ふしぎなイギリス』
- 『学力をのばす美術鑑賞: どこからそう思う?』
- 『1500万人の働き手が消える2040年問題』
- 『逆転力 ~ピンチを待て~』
- 『なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか』
- 『シンプルに考える』
- 『たいていのことは20時間で習得できる』
- 『ヒトラーとナチ・ドイツ』
- 『メリットの法則――行動分析学・実践編』
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(見つけ次第、追記していきます。)
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