朝日新聞で連載されていた中島らも氏の相談室。Wikipediaによると1984年から連載され、単行本として11冊出版されている。当時、父が朝日新聞を購読していたので、ひょっとしたら見ていたのかもしれない。中島らも氏は、2004年に帰らぬ人となった。どんな方だったか、ほとんど記憶にないのだけど、「14歳の世渡り術」の選書で紹介されていたので、人生哲学書としてはよいかもしれないと思って、読んだ次第。
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読書の姿勢


全部で70編の相談ごとが掲載されている。なかには、とるに足らない相談もあるけど、唸らせられる相談に対する回答もある。その一つが読書に対する姿勢。


僕は本職が広告関係ですので、業界の本もよく読みますが、およそ自分の従事している関係の本など面白くない、しかもこれほど自分の役に立たないものはありません。その手の本というのは、自分を等身大以上に見せるためのヨロイのようなもの、相手を理論でねじふせるための武具のようなものでしかありません。 (P31)


これは私の読書の姿勢と同じなのだが、らも氏にそう言っていただけると、私の読書姿勢も間違いではなかったと自負してよさそうだ。ビジネス書は、具体的にビジネスの技法を習得するにはいいのだけど、そもそもビジネス以前に人間として基底となるような教養は、決して今時のビジネス書では身につかない。私が好んで読むのは、歴史書、社会学の本、哲学や宗教、心理学、自伝・伝記など。これらを務めて読むようにしている。


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子どもの憑依人格


本書のタイトルに「家庭篇」となっているように、相談事は、家族や子育てなどが中心になっている。たとえば・・・


保母さんならご存知でしょうが、幼稚園や小学校なんてのはテレビに影響された憑依人格が集まって走り回っている世界です。本気で、自分の力で地球を救わねば、と思っているウルトラマンの横に、前世は古代アステカの王妃だった人が座っている。考えてみるとたいへんな空間ですね、これは。そんな中で、テレビやマンガの影響と、親の影響とがどういう比率で、どういう絡み具合で出てくるのかは興味のあるところです。 (P139)


子どもにヒーローやヒロインが憑依するというのも、子育ての経験上、たしかにそうだと思う。10歳の壁があると言われるように、憑依は10歳ぐらいでだんだん減っていくのだけど、完全になくなることはない。いや、大人でも憑依されてしまっている人が時々いる。平和とは武器を廃絶することだと信じたり、原発を止めれば安心と錯覚したり。そういう、安易な二分法思考に陥る大人は、ひょっとしたら子どものころの憑依経験が、まだ抜け出せずにいるのかもしれない。


追伸:

一度書き終えた後、自分の子ども時代のことを思い出した。幼稚園から小学校低学年に流行っていた実写ヒーロー番組といえば、仮面ライダーやゴレンジャーなど。もちろん、仮面ライダーにもゴレンジャーにも憑依してたっけ。ウルトラマンはちょっと上の世代なので、あまり憑依した記憶はない。


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