おっぱいの科学
フローレンス ウィリアムズ
東洋書林 ( 2013-08 )
ISBN: 9784887218147


おっぱいが大好きなみなさん、おっぱいのことを知りたくありませんか?著者も「我々は乳房への理解を深めたほうがいいのだろう。なぜ?私たちは乳房が大好きだから。」と言います。


本書は、タイトルのとおり、まじめに「おっぱい」について語った科学した本です。今まで、こんなにまじめにおっぱいについて語った本があったでしょうか?


目次にあるとおり、哺乳類としての進化の過程から、乳房・乳腺の生物学的なメカニズム、近現代以降の豊胸、化学物質などの被曝による影響・乳がんなどを論じます。


<目次>

序章 乳房の惑星

第1章 誰がために胸はある

第2章 哺乳はこうして始まった

第3章 乳房の配管工事のやり方、教えます

第4章 豊胸の時代

第5章 おなかのなかまで届く毒

第6章 シャンプーやマカロニが少女の思春期を早める?

第7章 妊娠と乳がんの割り切れない関係

第8章 母乳vs粉ミルク、正しいのはどっち?

第9章 母乳のなかの聖なる細菌、何より大事な人間の腸

第10章 酸っぱいミルク

第11章 未踏の荒野にひしめくピルとホルモン剤

第12章 誇り高き少数の男性患者たち

第13章 あなたは高密度?老いゆく乳房と乳がん検診

第14章 乳房の未来

訳者あとがき

原注

索引


おっぱい

photo credit: Mi Musa Noir via photopin cc


丸くて柔らかいふくらみ


おっぱいは、いろんな意味で大切な器官です。元は授乳器官でしたが、観賞にも優れ、さわり心地も優れています。「丸く柔らかいふくらみを授かるのは霊長類のなかでも人間だけ」でした。チンパンジーの乳房は、授乳中は多少膨らむようですが、授乳期間が終わると萎んでしまうようです。


そんなおっぱいはいやだ。人間でよかった!


乳がん

photo credit: DES Daughter via photopin cc


医学的見地


しかし本書の重要な点は、その医学的見地にあります。アメリカでは、女性が一生のうちに乳がんに罹患する確率は1/8とのことです。日本人はその1/6とのことですが、近年では増えており、実数ベースで罹患者数は2008年で65,085人、死亡者数は11,797人です。1975年でそれぞれ11,123人、3,262人であったことを考えると、高齢化の進展速度以上に罹患者数が急増していることがわかります。


おっぱいはホルモンの影響を受けて膨らむわけです。妊娠するとホルモンの影響で乳腺が発達するのだそう。ところが問題は、「女性ホルモン受容体は炭素環構造を持つ合成化学物質をなんでも受容してしまう」とのことです。


女性ホルモンってなんだっけ?ということでちょこっと調べてみました。代表的なエストロゲンの分子構造はこれです。



化学物質の影響を受けているかもしれない


ホルモンを撹乱する物質の影響を最も受けやすい器官が乳腺とのことで、 環境ホルモンの被曝の影響があるのではないか?と著者フローレンス・ウィリアムズ自身も試験台となってさまざまな測定をし、男女乳がん患者、乳房の研究者等数多くの証言により、仮説を繰り広げていくのですが・・・


正直、本書を読んで、ぞっとしました。プラスチック容器、包装塗料、難燃剤、着色料、防腐剤、シャンプー、スプレーなど、われわれの生活はもはや化学物質抜きでは生活できません。原発問題では甲状腺への放射線の被曝は年少者ほど大きいということが話題になりましたが、乳腺も同様、年少者ほど被曝の影響が大きいようです。


国際母乳・授乳研究学会のピーター・ハートマン教授によると、「医学でそれ専門の学科がないのは乳房だけですよ。」 「ほかの生物学の会議なら研究者が何千人も集まるのに、ここには100人もいません。」 とのこと。乳腺はその脆弱性にも関わらず、環境ホルモンの安全性試験の対象外とのこと。


おー!なんということだ!つまり、われわれの生活の身の回りの化学物質は、乳腺に対してなんら安全性が検証されていないのです。


おっぱい

photo credit: Lies Thru a Lens  via photopin cc


我々ができること


と、この手の本は少し不安を煽りすぎている面もあります。化学物質によって身体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、一方で科学の発展で、人類の寿命が延びてきたのも事実です。科学を全否定し近代前の時代に戻ることはできません。


われわれにできることはなんでしょうか?まずは、子どもからからプラスチック容器・玩具等を遠ざけておくこと。着色料、防腐剤を使用した食料品は極力摂取しないことでしょうか?


そして、女性にお願い、男性にもお願いします。著者は最後にこう締めくくります。


あなたの乳房をあなた以上によく知る人はいない。「自分の乳房に慣れ親しんでおくと、変化に気づけるようになります。」

「汝の乳房を知れ」


女性は自らの乳房に慣れ親しみ、男性も伴侶のそんな身体のことを気にかけていただければと思います。


関連リンク



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先月、読了した本です。立て続けに女性の身体の神秘に迫ることになりました。


東京朝活読書会「テーマ:衣」に参加しました~『女性の曲線美はなぜ生まれたか』




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