冒頭から失礼しますが、この記事を書きながらついつい、よだれが出てしまいそうです。


『アウトプットのスイッチ』は、くまモンをデザインした水野学さんの著書です。私が手がけている寺子屋企画では、外部講師を招聘して講義をお願いしているのですが、塾生から呼びたい人の名前として水野さんの名前が挙がりました。それまで存じ上げなかったのですが、くまモンのデザイナーだということを知り、ビジネスにおける創造力や企画力において、学ぶことがあるのではないかと思い、読んでみた次第です。


アウトプットのスイッチ
水野 学
朝日新聞出版 ( 2012-04-06 )
ISBN: 9784023310636

<目次>

Prologue アウトプットとはなにか

Part1 なぜ、アウトプットが大切なのか

 人はアウトプットしか見ない

 企業側の「思い」が問われる時代

 “売れる”をつくる三原則

Part2 “売れる”をつくる『~ぽい分類』

 すべてのモノは『~ぽい分類』で理解できる

 アウトプットの“タガ”を外す

 本質とシズルを見極める法① 消去法で検証する

 本質とシズルを見極める法② 目立たなかった長所を引き出す

Part3 アウトプットの精度を高めるプロセス

 イメージから本質を抽出していく

 消費者の声を活かしたアウトプットとは?

 多様なアウトプットのための舞台づくり

 トーン&マナーとシズルを両立させるー台湾セブンイレブン

対談 生物学者福岡伸一x水野学


よだれが出そうだ


この本の結論を述べてしまえば、ビジネスにおける企画の成否は、相手によだれを出させてしまえるかどうかにあると言えそうです。著者はそれを「シズル」という言葉で説明しています。


「シズル・・・sizzle」とは、もとは英語で肉がじゅうじゅう焼けるさまを指す言葉です。そこから、食べ物の写真を撮るときに行う、湯気や水滴などおいしそうに見せるための工夫を「シズル表現」と呼ぶようになりました。


さて、私は、本業では研究開発や事業開発の投資審査のとりまとめをしています。



失敗する事業開発パターンのひとつが、自身の企画力への過信であったり、新規性への過度のこだわりです。新規性にこだわりすぎると、顧客は「いいね!」と言ってくれても、前例がなく金額の妥当性を図る尺度がないため、なかなかお金を払ってくれません。「失敗する事業開発」パターンとして、「お金になりそうだけどならないこと」として挙げたのは、そのことです。そして、水野さんもまったく同じことをずばり指摘していました。


新たなシズルをつくり出す方法もあるのかもしれませんが、僕はあまり現実的ではないと感じます。それよりは、誰もが潜在的に共有している無意識“ソーシャル・コンセンサス”とシズルをつなげるほうが“売れる”をつくる早道だと考えています。


生物進化論と「情報」の定義


本書で、期せずして面白かったのは、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』の著者であり生物学者である福岡伸一さんとの対談です。


コネクティング・ドットの意味

この言葉はスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語ったということで有名になりました。私はこの言葉は安易に引用されているのではないかと思います。ドットを結べば必ず成果が出せるわけではありません。その裏には、たくさんの自然淘汰があったことを我々は見落としがちです。

福岡:現在の生命から順に、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、ミミズというふうにドットをつなぐと、進化というのはものすごく精妙にできてきたように見えるけれども、それは実は負けたものの歴史がまったく見えなくなっているからですよね。


「情報」の定義

また、「情報」の定義についても、福岡さんはあらたな視座を与えてくれました。現れたり消えたり、動いているものが情報であると。

福岡:インターネットの中にあるようなものはアーカイブであって情報ではない。生物にとっての情報というのは、消えるもの。あるものが急に消えるから、それが情報になるのです。そこで初めて生物は反応するんですよ。あるいは、ないものが急に現れるから情報になる。




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