血液型

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最初に申しておきますと、私の血液型はO型のRh-です。すべての血液型のドナーにはなれますが、私のドナーになれるのは同じO型 Rh-のみです。日本赤十字社によると、日本人に占める割合は670人に一人。輸血が必要となるような事故は避けなければならないと肝に銘じています。


さて、血液に関するこの輸血問題は科学ですが、血液に関する性格診断や相性診断なるものは、ニセ科学です。本書は、いくつかのニセ科学について、分かりやすく楽しく解説してくれます。どんなニセ科学が紹介されているかは、目次を見ていただくとわかります。


本書は1月7日の朝活読書サロンで紹介しました。

<目次>

第1章 水は字が読める?

第2章 ゲームをやりすぎると「ゲーム脳」になる?

第3章 有害食品、買ってはいけない?

第4章 血液型で性格がわかる?

第5章 動物や雲が地震を予知する?

第6章 2012年、地球は滅亡する?

第7章 アポロは月に行っていない?

第8章 こんなにあるぞ、ニセ科学

エピローグ 疑う心を大切に

ニセ科学ガイド~あとがきに代えて~


第8章では、こんなニセ科学が紹介されています。


  • マイナスイオン
  • ゲルマニウム
  • トルマリン
  • 永久機関
  • ホメオパシー
  • 9.11テロ陰謀論
  • 人類創造論(進化論の否定)


キリスト教徒の多いアメリカでは、人類創造論を信じてしまっている人がかなりいるとのこと。日本人から見るとびっくりなのですが。同じように、血液型性格診断を信じてしまう日本人、中国食品は有害だと信じている日本人は、諸外国から見るとびっくりなのかもしれません。


輸入件数と食品衛生法違反件数(2006年度)

輸入元 輸入件数 違反件数 違反割合
中国  91264件   530件  0.58%
アメリカ   18172件   239件  1.32%
タイ  17527件   120件  0.68%
ベトナム  9001件   147件  1.63%
台湾  5893件   50件  0.85%


ご覧のとおり、中国からの輸入食品は、圧倒的母数が多いので違反件数も多いのですが、割合でいえば、どちらかというと安全な部類に入ります。


ニセ科学が普及したわけ~ベストセラーが正しいとは限らない


なぜ、ニセ科学が普及したのでしょうか?


みんな、元ネタとなっている本があるんですね。大学教授だとしても、専門外のことを言及して、的外れなことを言っていることもありますので、注意が必要です。なかには亡くなれている方もいますが、これらの方は嘘を本当と信じ、間違った情報を拡散した元凶です。これらの方々の著書を鵜呑みにせぬよう、書き出しておきます。


  • 『水からの伝言』江本勝
  • 『ゲーム脳の恐怖』 日大教授 森昭雄
  • 『買ってはいけない』 船瀬俊介、三好基晴・渡辺雄二・山中登志子
  • 『血液型でわかる相性』 能見 正比古
  • 『動物は警告する!―地震予知読本』 弘原海 清(わだつみ きよし)


ちなみに、江本勝氏。お恥ずかしながら、私も一時信じてしまったことがあります。『U理論』のオットー・シャーマーと『最強組織の法則』/『学習する組織』のピーター・センゲの共著『出現する未来』で1章を割いて、この江本勝氏のことが紹介されています。「U理論」、「学習する組織」、「システム思考」、「デザイン思考」などを信望される方々はご注意あそばせ。。。


ニセ科学・デマにひっかからないためには


血液型性格診断についても、世の中にはたくさんの医学博士がいるのにもかかわらず、誰も認めていません。専門家が否定していることを専門外の方がどのように実証できると言うのでしょうか?


実証するというのは、相関関係ではなく、因果関係を証明する必要があります。相関関係と因果関係は似て非なるものですが※、ニセ科学を主張し風評被害をまき散らす方は、この二つを混同し、あたかも因果関係があるがごとくふるまうので注意が必要です。


※「AとBは比例関係にある」は、AがBの原因とは限らない。BがAの原因である可能性もある。


放射線被害やデング熱に関するデマ、STAP細胞騒動も同様です。物理学や化学と違い、生物学は専門分野が細分化されているためか、嘘か本当かを証明できる専門家の数が少ないように感じます。今後も最先端の生物学(再生医療等)の分野は、要注意です。本当に有用かどうかは、10年近くかけて臨床試験にかけられます。臨床試験を通っていないものを鵜呑みにして取り入れると大変なことになりますので注意が必要です。



本書で10か条を提示していますので、参考までに掲載しておきます。


<ニセ科学にひっかからないための10か条>

  1. 話の出どころを確認する。
  2. 誰が言っているのかを調べる
  3. キーワードに注目する
  4. 反論に目を通す
  5. 数字に注目する
  6. 理屈で考えてみる
  7. 実験をやってみる
  8. 自分の目を疑う
  9. 願望と事実を区別する
  10. 正しい科学知識を身につける



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