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この国にはかつてこんなにローカル線があったのか、こんなにも寝台列車や急行列車があったのか、ということを思い起こさせてくれました。


本書に登場する時代は、1975年9月から1977年12月まで。当時、国鉄の営業キロは20000キロ強ありました(JR発足は1987年4月1日)。


時刻表マニア

著者の宮脇俊三氏は、中央公論の編集長を務めた方。戦前の少年時代からの時刻表マニアです。私も物心ついたころから時刻表を読んでいました。家には時刻表があったということです。少年時代、時刻表を眺めては、あれこれ妄想したものです。


高校生、大学生以降は、旅行といえば海外に目が向くようになり、国内の鉄道の旅はいつしか忘れ去られてしまいました。5人の子どもがいて、絶えず家の中に乳児・幼児がいた我が家も、末っ子の手がかからなくなってきた時、再び鉄道の旅を再開したのは4年前のことです。そういう背景もあり、本書にとても共感している次第です。


完全踏破への道

著者は、時刻表マニアであって、当初から国鉄全線踏破を志していたわけではありません。時刻表を持参しながら旅を続け、路線図を塗りつぶし、91%に達したところで、ふと気づいたわけです。ひょっとして、完全踏破できるのではないかと。


しかし、そこからが苦行の始まりです。踏破したことを意図して乗りつぶしたわけではないため、未乗車路線は全国に散らばり、しかも末端のほうに多い。そしてなぜか、一駅区間のみ未乗車の路線が3つもある。それらを乗りつぶすためには、既に乗ったことのある路線を再び乗車せねばなりません。路線地図を目視確認している限り、再度乗らなくていいのは3割、つまり、残り9%を乗る為には70%を乗らないといけないのです。


本書はその苦行の旅です。カウントしてみると、本書の目次に表れる路線が76あります。その76線を乗りつぶしていきます。それを2年強で達成したことになります。


行程シミュレーション

だいたいの行程はこうです。金曜の夕方に寝台列車で目的地へ移動し(北東北、北陸、山陽・九州方面)、月曜は有給休暇を取って、土日月と3日ぐらいかけて、乗りつぶす。路線によっては、一日に2往復しか走っていないような路線もあり、周辺の未乗車の路線と時刻表をにらめっこしながら、乗り継ぎの組み合わせをあれこれ試行錯誤し、なんとか2~3日以内に数路線を乗りつぶします。それを隔週ぐらいの頻度で実行します。


乗り継ぎ情報をネットで検索できるようになってから15年ぐらい経ちます。今や誰もが乗り換え案内を使っているかと思います。しかし、この試行錯誤、紙の時刻表のほうが効率がいいです。4~5ページ、あっちいったりこっちいったりしますから、パソコンならともかく、スマホでは厳しいです。時刻表とにらめっこしながら行程シミュレーションをする、これが楽しいんです。


ローカル線・寝台列車・急行列車

さて、本書で登場するローカル路線のかなりは廃止されてしまいました。○×表をつけようと思ったのですが、けっこう大変。気が向いたらあらためて実施します。


また、寝台列車、急行列車も廃止されてしまいました。寝台列車は今やサンライズ瀬戸・出雲しかありません。急行列車は全廃になったと認識しています。本書に出てくる寝台列車・急行列車も、余力があれば、書き出したいです。できるかな。。。


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時刻表
JR時刻表2018年4月号の東海道本線熱海米原間



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