夏目漱石

<目次>
  • 序 読書は51から
  • 一 漱石を超えた日
  • 二 時間というフィルター
  • 三 51歳からの読書術
  • あとがき


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僭越ながら、夏目漱石を超えました。といっても年齢ですが。享年49歳。1900年の平均寿命は44歳というデータもあるので、当時としては平均より長生きだったことになります。50代に突入して元気で生きて居るということは、ありがたいですね。


さて、本書のタイトルには「51歳」とあります。なぜ、切りのよい「50歳」ではないのか?というのは、よく分かりませんでした。しかし私が今51歳なので、タイトルに「51歳」とあるのを見つけて、思わず手に取った次第。本書を読む限り、年齢の細かなところは気にする必要なく、ざっくりと中年という感じでしょうか。40代の人にも参考になると思いますし、恐らく60代の人にも参考にはなるかと思います。


本書で気になったポイントを4つ挙げます。


二次創作は日本文化の真髄

定家はたくさんの歌を書き写した。ー 23ページ


二次創作は日本文化の真髄だなとあらためて思いました。短歌そのものが二次創作の集合体だということをあらためて知りました。小倉百人一首で百人の和歌を集めた藤原定家は、百人の和歌を書き写したことになります。また、百人一首が広まっていくのも全て書き写しです。書き写せば、嫌がおうでも記憶に残ります。自分より過去の和歌を書き写して触れることで、それらが折り重なり、新しい発句に繋がったのではないでしょうか?より多くの和歌を知っていることこそが教養であった時代。他人の和歌を踏まえて改変・応酬することもまた、和歌の醍醐味だったのだろうと推察します。


新書はお薦め

新書は日本の近代出版史上、最高の発明品だと思う。 ー 46ページ

岩波新書、中公新書、講談社現代新書の三レーベル ー 48ページ


してやったり!ですね。しっかりと、三大レーベルについてブログ記事を書いていますよ。



数ある新書のなかで、強くおすすめしたいのが岩波ジュニア新書だ。 ー 49ページ


ここに「岩波ジュニア新書」をお薦めしたのはお見事です。私も「岩波ジュニア新書」お薦めだと思います。


文学全集・百科事典ブーム

古本屋では文学全集がびっくりするほど安い。ー 79ページ

1960年代後半から1970年代前半に起きた文学全集ブーム、百科事典ブーム ー 80ページ


なるほど、そうだったのですね。私は1969年生れです。1973年に父がマイホームを建てました。その後いつだったか分かりませんが、私が小学生だった時分(1976年~1982年)、55巻の小学館の世界文学全集、15巻の百科事典が我が家にはありました。友達の家に行けば、けっこうな確率で文学全集や百科事典の類いがあったように記憶しています。


しかし今、我が家には文学全集も百科事典もありません。同僚・友人と話題になることもありません。広告も見ません。私が子どもの頃はブームだったということをあらためて知った次第です。


先日の読書会で本書を紹介した時、30代半ば、40歳の人にも聞きましたが、子どもの頃に文学全集があったとのことです。ですので、1980年代にも文学全集の名残は続いていたのだろうと推察します。


便利な図書館

図書館がこんなににぎやかになったのは、いつごろからだろうか。(中略)変わり始めたのは十年ぐらい前からだと思う。ー 168ページ


私が頻繁に図書館を使うようになったのは200X年代半ばごろでした。当時、既にインターネット予約ができました。また夜8時、または9時まで開館していました。200X年代を通じて行政改革、行政サービスの民営化の流れが進んだわけですが、記憶に間違いなければ、昔の図書館は役所と同じように夕方5時に閉館したように記憶しています。夜に行くことができずインターネットで蔵書検索もできなければ、利用しようがありません。


ところが今では、私の読書人生に必要不可欠なアイテムになっています。図書館無しの生活なんて考えられません。図書館が便利になって、本当にありがたいと思います。


なお、本書は【社内読書部】第26回オンライン(2020年9月25日)で紹介しました。


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