【社内読書部】第28回オンライン(2020年11月27日)-1


今回5人の参加となりました。東京*2か所・横浜・兵庫・アメリカの五元中継です。場所を気にせず開催できるようになって、ありがたいなぁと感じます。なかなか読書もままならず、書評もあまり書けず、紹介する本が欠乏する中、読書会とは単なる本の紹介の場に踏みとどまらず、本を軸とした知識の協創の場だなとつくづぐ感じます。



読書日記人気ランキング


紹介を受けた本

『女性の視点で見直す人材育成』


女性を軸にしていますが、働き方改革の本です。


『読書猿三大全』


知の巨人・読書猿氏による読書猿大全三部作の三作品目。



『ブッダ』


手塚治虫氏の話題で一花咲きました。子どもの頃には分からなかった内容も、大人になって読み解くと、壮大なるテーマが描かれていることが多いです。手塚治虫マンガでは他に『火の鳥』『アドルフに告ぐ』『ブラックジャック』など。



『最後の秘境 東京藝大』


芸大といえば、奇人変人が多い印象です。東京芸大を卒業した有名人といえば、伊勢谷友介。逮捕されてしまったのが残念ですが、「挫折禁止」と表現したり、新しい高等学校Loohcs|ルークスを設立するにあたり、「宇宙人の視点」を育てると表現したり、その奇人ぶりが多いに発揮されました。奇人変人が集まるという意味で、東京芸大は「秘境」なのでしょう。


『かくかくしかじか』


その芸大つながりで、東村アキコさん。彼女の場合は、金沢美術工芸大学を卒業されています。今回集った5名のうち3名が本マンガ押し。かくかくしかじか、回し読みすることになりました。


『武器としての「資本論」』


難解で読み解くことが難しいと言われるカール・マルクスの『資本論』の現代風解説本です。原著を読む自信がないので、こういう本はありがたいです。


マルクスは、資本主義経済の本質、商品の本質をこのように表現しているとのこと。資本経済社会が登場する前、持ちつ持たれつのコミュニティ内では物々交換が当たり前でした。現代視点で見れば、交換するものの価値は等価とは限りません。しかしそもそも「価値」とはなんぞや?ということです。現代では、価値の有り無しを金銭的尺度で測定可能ですが、貨幣経済普及前、価値を測る尺度があったのでしょうか?「価値」という概念自体が存在しなかった、と言うほうが正しいのかもしれません。


しかしこれが、コミュニティの外との交換になると、「価値」が問われます。私たちの提供物の価値とあなたたちの提供物の価値は、等価であらねばなりません。ここで初めて「価値」という概念が成立し、「価値」に紐づけられたモノは「商品」になります。そして、コミュニティの外に一度出てしまったモノは「商品」として流通し、仮に元のコミュニティに戻ってきても、それは以前のように価値を気にせず物々交換していた対象物ではなく、価値に紐づけられた「商品」のままであるとのこと。かくして、商品によりコミュニティ機能は縮小を余儀なくされる、つまり資本主義経済の台頭がコミュニティを衰亡させるとマルクスは説くわけです。


さて、翻って現代。成熟した資本主義の行きつく先は、格差社会の様相を呈してきました。そんな中で、ベイシックインカム等、社会主義的な政策の必要性が徐々に高まってきています。資本主義は限界に近づき、新しい社会の在り方を早急に組み立てなければいけないのかもしれません。


紹介した本

『ネクスト・ソサエティ』


さて、前述の『武器としての「資本論」』の紹介を受けて、私が紹介したのがピーター・ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』。私がバイブルとしている本です。本書の原著は1998年。冷戦が終わり、ロシアは混迷し、資本主義の勝利が確定的になった際に出された本です。タイトルからして、資本主義経済の次の社会の在り方を問う本です。


最終章から引用します。

都市社会は田舎社会の強制と束縛から人を解放した。そこに魅力があった。しかしそれは、それ自体のコミュニティをもちえなかったために破滅的だった。(中略)

今日われわれに課された課題は、都市社会にかつて一度も存在したことのないコミュニティを創造することである。(中略)

第一次大戦以降、あるいは少なくとも第二次大戦の終結以降、民主国家、独裁国家いずれのいても、都市社会の問題は政府が解決すべきであり、政府が解決できるものと信じられた。今日では、これがまったくの幻想だったことが明らかになっている。(中略)

企業という名の民間セクターが、それらのニーズに応えられないことも明らかである。私自身は、かつて一度だけ、それが実現されうるし、実現されるであろうと考えたことがあった。(中略)

日本でさえ、今日では企業が答えとはならないことが明らかになっている。(中略)

二十世紀において、われわれは政府と企業の爆発的な成長を経験した。だが二一世紀において、われわれは、新たな人間環境としての都市社会にコミュニティをもたらすべきNPOの、同じように爆発的な成長を必要としている。


「マネジメント」を発明したと言われるピーター・ドラッカーは晩年、コンサルティング・助言先を、企業から非営利セクターにシフトさせました。学校・病院・福祉施設などで、彼は広義でこれらのセクターをNPOと評しています。日本の法制度化でも、これらは学校法人・医療法人として税制優遇措置を受けていましたが、非営利活動を広くあまねく対象とするため、日本でもNPO法人は法制化され、今日に至ります。ドラッカーの予言した方向に確かに動いているものの、行き過ぎた資本主義による社会の崩壊の歯止めが止まりません。ドラッカーの言うことが正しければ、社会を立て直すためには、さらなるNPOの台頭が必要になります。



読書日記人気ランキング


【社内読書部】第28回オンライン(2020年11月27日)-2


↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村