第7回社内読書部(ランチョン)を開催。3名の参加者となりました。
社内読書部記録
- 【社内読書部】第1回(2017年8月22日)
- 【社内読書部】第2回(2017年9月12日)
- 【社内読書部】第3回(2017年10月11日)
- 【社内読書部】第4回(2017年11月13日)
- 【社内読書部】第5回(2017年12月12日)
- 【社内読書部】第6回(2018年1月19日)
紹介を受けた本
『起業の科学』
ざっと目次構成と中身を拝見しましたが、目次構成が非常によいと思います。また、1ページ二段組みですが、字が大きく、また図解も多いので、読みやすいです。
<目次構成>
- 第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
- 第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
- 第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
- 第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
- 第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)
本書はスタートアップ企業向け書かれたものではありますが、ぱっと見て直感的に、大企業の中の新規事業開発にも十分使える内容だと思いました。一時期、年間100件の投資審査を行っていましたが、アイデア検証のあとすぐに製品を作り始めてしまい、出来上がった製品が市場にフィットせず失敗してしまうというケースを多々見てきました。第2章の「課題の質を上げる」と第3章の「ソリューションの検証」がとても大切だということが分かります。
そう思った後に、著者のslideshareを確認したところ、冒頭の3~6ページにそう書いてありました。
多くのスタートアップが課題の存在やソリューションの確からしさの検証をスキップして、MVPをつくってしまう(P.6)
『蝉しぐれ』
藤沢周平の代表作。紹介者が定期的に見ているブログで紹介されていたとのこと。「日本を知る為」に本書を読んだとのことです。舞台は江戸時代。若い男女の恋愛ものですが、女は殿様のお手付きに遭い、跡継ぎを産み、男の手の届かない存在へ。あぁ~。
女が身分が高い身分格差の恋愛ものといえば、『ローマの休日』や『タイタニック』などもありますね。
『蝉しぐれ』もテレビドラマと映画になっており、それぞれ内野聖陽と市川染五郎(現松本幸四郎十代目)が主演を演じています。
- 時代劇シリーズ「蝉しぐれ」 | NHKドラマ(2003年)
- 映画『蝉しぐれ』公式サイト(2005年)
紹介した本
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
紹介した本は二冊。一冊目は、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』。今のところ2017年に出版された新書No.1です。
近しいテーマの本にはダニエル・ピンクの『ハイ・コンセプト』があります。フロー体験(ゾーン体験)やデザイン思考の流れをうまく表した本です。
『ハイ・コンセプト』と同様、論理や分析だけでなく、直感や感性などが大切だと述べ、それを本書では「美意識」と呼んでいます。企業人、企業などの集団に「美意識」がない、足りないとどうなるのか?犯罪や不祥事に繋がります。本書では「美意識」のない集団として3つ挙げています。逆に、「美意識」の優れた企業として、Google、Amazon、マツダを挙げています。
また、「美意識」を鍛える4つの方法を提示しています。美術鑑賞、哲学、文学、詩です。美術鑑賞はパターン認識能力を鍛え、哲学は思考プロセスを鍛え、文学は人間や社会の矛盾・相克を肌感覚で捉え、詩を読むことにより修辞表現を鍛え、結果的に直感を研ぎ澄ますことができます。
- 【書評】『 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(その1) : なおきのブログ
- 【書評】『 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(その2)美意識のある会社・ない会社 : なおきのブログ
- 【書評】『 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(その3)美意識を鍛える4つの方法 : なおきのブログ
『仕事と家庭は両立できない?』
本書の著者はオバマ政権で国務省の政策企画本部長を務めた女性です。プリンストン大学の学部長も務め、キャリア女性の垂涎の的といってもいい存在です。しかしそんな彼女も、オバマ政権の重役をわずか2年で中断せざるを得ませんでした。ワシントンに単身赴任中に、14歳の息子が問題を起こすようになったからです。本書のタイトルにある「仕事と家庭は両立できない」というのは、彼女が遭遇したジレンマそのものでした。
本書の最重要キーワードは「ケア」です。我々は自由競争のビジネス社会で生きていますが、「ケア」を「競争」の対義語として使っています。「競争」により切磋琢磨することは重要です。しかし同時に、あるいはそれ以上に、「ケア」が重要だというのが本書のメッセージです。「子育て」という子どものケア、「介護」という親のケア、周囲の人たちへのケア。
子育てや介護などのケアに携わる職業は、「競争」原理が過度に効いた職業(本書では資産運用を担う金融スペシャリストを例に挙げている)より薄給です。しかし、ケアに携わる職業が価値がないということを意味しません。子育ては、次代を担う人材を育てるという点で、最も投資対効果の高い仕事です。
「ワークライフバランス」、「働き方改革」の最重要ポイントは、「ケア」の在り方を見直すことであると、本書は痛切に投げかけています。
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