【朝活読書サロン】第162回


前回参加から少し時間が空いてしまいましたが、朝活読書サロンに参加いたしました。女性3名男性4名の合計7名の参加です。緩急織り交ぜての本の紹介です。



読書日記 人気ブログランキング


紹介を受けた本

『危機の時代』


投資家ジム・ロジャースの自叙伝。高い労働倫理の家庭に育ち、本人曰く5歳で働き始め、6歳で企業家になったとのこと。5歳でコーラの空き瓶を集めたことでお礼にお金をもらい、6歳でコーラと一緒にピーナツを販売、その際4歳の弟を雇います。親にお金を借りてピーナツを煎る機械を導入、稼いだお金で親から借りたお金も返済します。


競争が少なければ成功する確率が高いとしています。オックスフォード大学に留学、誘われてウォール街に就職しジョージ・ソロスと出会い、彼と設立したファンドで10年間で4200%の成績を残し、引退します。


人生哲学について書かれており、子どもの時に必要なのは忍耐だとしています。未来についても言及しており、授業のオンライン化やブロックチェーンなどへ言及しています。


『文豪たちのずるい謝罪文』


後世に名を残した文豪たちも、私生活ではヘタレ・変態な人が多いことが分かっています。それは、分筆力を活かした謝罪文にも本領が発揮されているようです。「お金を貸してくれなければ死にます」と借金を申し入れた太宰治、女たらしで次と次と結婚・離婚を繰り返した北原白秋、恋は一月に一回と豪語した林芙美子など。


常人ではありえぬ私生活の送り方もまた文豪たちの血となり肉となり、傑出した小説へと繋がったのだと思います。


『バトルスタディーズ』


PL学園の野球部がモデルとなったマンガ。著者自身、PL学園野球部に所属し、甲子園出場を果たした方です。PL学園野球部はバリバリの体育会系で、一年生は奴隷扱いとか。先輩のユニフォームを洗うわけですが、洗うところを先輩に見られてはいけないらしい。野球モノと思いきや、軸足は人間ドラマに置いているとのことです。


『風の万里 黎明の空』


以前も紹介されたことのある『十二国記』シリーズのひとつ。主人公は女子高生ですが、突然女王になってしまいます。しかし国の統治も知らない彼女は、身分を隠して市井におります。水戸黄門のように。


本書の真のテーマはパワハラではないかとのこと。パワハラとは上位者が立場を利用して下位者をいじめることですが、水戸黄門も立場を利用したいじめではないか?とのこと。そしてまた、そうした勧善懲悪シーンにカルタシスを感じている読者もまた、パワハラではないか?とのことです。


『光のお父さん』


父と息子の物語で、小学生の頃から父親と会話ができていません。そんな息子が、オンラインゲームに父親を誘い込み、息子とは覚られずに共同でラスボスに挑みます。「光の戦士」は父親であり、表紙カバーで戦士に対峙する姫役が実は隠れた息子とのこと。このなりゆきは、かつての『電車男』のように実話がベースになっているようです。


『有閑階級の理論』


1899年出版の本で、ソースタイン・ヴェブレンはシカゴ大学の経済学者(ソースティン・ヴェブレン - Wikipedia)。


「有閑階級」というのは不労所得がある働かなくてもよい階級のことですが、歴史を辿ると野蛮な男の発展形態ではないかとのこと。原始時代、獲物が獲れる男が女にもて、階級社会が登場すると奴隷をもて、資本主義が発展すると財産をもてます。


著者は、誇示的消費、誇示的余暇、つまり見栄張りこそが資本主義の根幹であり、決して社会をよりよくしようなどという大義ではないと論破し、アダムスミスが提唱した需給バランスや見えざる神の手も否定します。死去の3ヶ月後に訪れた1929年の暗黒の木曜日に端を発する世界恐慌は、句仕組のヴェブレンの予言になりました。


『甘いお酒でうがい』


著者名・川嶋佳子というのは吉本芸人シソンヌじろうのペンネームです。川嶋佳子というキャラが天から降りてきて憑依して書かせた文章が本小説。川嶋佳子は40歳の独身OL。40代女性の痛さ、残念さが綴られていて、「なぜそんなに女の気持ちが分かるの?」とは紹介頂いた女性のコメント。なお、松雪泰子主演、黒木華助演で昨日の9/25より映画公開中。また、じろう氏はうっちゃんがメインパーソナリティのNHK番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』にも出演しているようです。



『楽園のカンヴァス』


大原美術館の監視員早川織絵と、ニューヨークの近代美術館(MOMA)のキュレーター・ティム・W・ブラウンの二人は絵画コレクターからアンリ・ルソー作『夢』の鑑定を依頼される。真作か贋作か?真実を言い当てたほうにこの作品を遺贈すると言う。2012年山本周五郎賞受賞作品。なお、本書を読書会で紹介を受けるのは2度目になります。



『デトロイト美術館の奇跡』


同じく原田マハさんの作品。デトロイト市は破産し、デトロイト美術館の美術品も競売にかけられることに。しかし、美術館には市民のさまざまな思いが積もっています。なお、本書の表紙は画家ポール・セザンヌが妻マリ―・オルタンス・フィケを描いた数多くの作品の一つのようです。




『名画は嘘をつく』


ポール・セザンヌはたくさんの妻の絵を残したことから愛妻家として知られているようなのですが、実際は仮面夫婦だったとのこと。名画と呼ばれていても、描かれていた当時とは時代背景も異なるため、後世になって別の意味付けをされてしまうこともあるようですね。


紹介した本

『孤独の意味も、女であることの味わいも』


国際政治学者の三浦瑠璃さんの自叙伝です。普段の冷静沈着で鋭い分析をする彼女からは想像しにくいフェミニズム的な匂いが漂うタイトルです。本書には衝撃の事実が書かれていました。



全読書会参加記録:読書会 : なおきのブログ


読書日記 人気ブログランキング



↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村