先日のEGMフォーラムで、疲れていて少しうとうとしてしまったのですが、私がうとうとしている間に、たしかナレッジマネジメントにおける情報のフリーライダーみたいな話がありました。
現在、私が取り組んでいる組織改革プロジェクトのサブテーマのいくつかに、ナレッジマネジメントの要素を取り入れた取り組みをしており、それを汎用化し、ナレッジマネジメントにおけるコスト(負荷)と受益のバランスのとり方について、簡潔に述べておこうと思います。
ナレッジマネジメントのアンチパターン
その前に、アンチパターン※を一つ紹介しておきます。
かつて、「いくら情報共有しても、し過ぎることはない」と述べた管理職の方がいました。
「たわけ」です。情報共有は、提供者にとって多大なコストであることを無視しています。情報共有をするために追加コストが発生するような指示をするような管理職は失格です。管理職の役目は、コストを下げ、受益を増やす仕組みを作ることです。
※それをすれば確実に失敗するパターンのこと。
ナレッジ提供者の負荷を下げる
再来週、社内発表会を催します。発表者は3名です。その3名の方には、プレゼンテーションの準備をお願いしてあります。情報提供者の負荷(コスト)というのは、このことです。彼等の本業時間を削り、他者へ説明するための資料作成を依頼しているわけです。
「えー、めんどくさいな。いやだな」と思うでしょう。
そのネガティブ意識を払しょくする仕掛けがあります。それは、それ相応のインセンティブを用意することです。このインセンティブ制度を取り組み始めて、はや6年目になります。どの程度のインセンティブにするかは、甘辛調整が必要で、現時点ではあるところに落ち着いています。また、そのインセンティブを提供する際に、ちょっとした儀式(表彰式)も欠かせません。プレゼンターはそれ相応の立場の人である必要もあります。ポイントをまとめると次の通り。
- インセンティブを提供する
- インセンティブの程度は試行錯誤が必要
- 権威者による儀式は有効
ナレッジ受益者の受益感を高める
ナレッジ提供者の負荷を下げるとともに、受益者の受益感を高めると、より効果的です。一つの方法は、発表の場をお祭りにしてしまうことです。参加して、楽しくなければ意味がありません。楽しくなければ、発表の場に人は集まらないでしょう。
社外の勉強会では、意識の高い人のみが集まりますので、お祭り的な演出がなくてもある程度成り立ちますが、社内では、必ずしも意識の高い人だけではありません。そうではない人も含め、強制力なく、参加意識を高めるためには、楽しさの演出は不可欠です。
- 楽しく演出する
あとがき
本ブログのサブタイトルに、「ナレッジマネジメント」と入れてあるのですが、ナレッジマネジメントについて、あまり触れていませんでした。結局のところ、ナレッジマネジメントの仕掛けというのを延々と取り組んでいます。ふっと、冒頭の絵が思いつきましたので、取り急ぎ、記事を執筆しました。参考になりましたでしょうか?
おすすめ本
野中郁次郎先生と紺野登先生の本。野中先生と竹内先生のハードカバー『知識創造企業』は、むずかしさに挫折して読めませんでした。こちらの本は新書ではありますが、新書の割には、ややハードルが高いです。それでも、なじっじマネジメントの入門書だとわたくしは思います。
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