少し前にFacebookでもTwitterでも、私のまわりでこの記事がバズっていましたので、一言述べておきたいと思います。私にとって、今後わが子どもが大学に進学することもあり、大学の動向は決して他人事ではありません。



さきに結論を申しておきますと、私は国立大学のリストラクチャリングに賛成です。というか、みなさん、トンデモ記事に騙されないようお願いしたい。国立大学のリストラクチャリングを批判されている方は、肝心なことを見落とされています。日本政府の財政再建、少子化、そして国際競争力強化という観点です。


大学生年齢の母集団数が減る


少子化の影響をまず受けるのは教育機関です。そこで、政府統計から大学生の母集団である19-22歳人口(日本人人口ではなく総人口のほう)を計算してみました。2010年までの統計しかありませんが、2011年以降は現在の人口がそのまま1歳ずつ年齢を重ねていったものと仮定しました。大学生数の推移は実績のみ提示しました。




二つのデータを照らし合わせて10年刻みで表にしてみました。


西暦 19-22歳人口    増減 大学生数    増減 大学生の割合
1990年   7495千人   - 2133千人   - 28.4%
2000年 6450千人 ▲1045千人   2740千人 +607千人   42.5%
2010年 5026千人 ▲1424千人 2887千人 +147千人 57.4%
2020年 4721千人 ▲305千人   -   -   -
2030年 4224千人 ▲497千人   -   -   -

注1)1990年の19-22歳人口は、2000年の29-32歳人口と同一と仮定。

注2)2011年の出生数を2030年の19歳人口とした。


こうして見てみると、1990年から2010年までは、対象人口が約3分の2になっているのにもかかわらず、進学率がほぼ倍増しましたので、結果的に大学生の数は増えています。もちろん、この間、大学の数も増えています(507 → 778)。このあと、人口減少カーブはゆるやかになりますが、仮に現在の大学生数を維持しようとした場合、19-22歳人口に占める大学生の割合を、2020年には61.2%、2030年には68.3%まで高める必要があります。


進行中の小学校の統廃合


すでに小中学校ではかなりの統廃合が進んでいます。小中学校は、大学生より先に母数となる人口減少が早期に起きています(小学校で12年前、中学校で6年前)。また、そもそも進学率が100%のため、大学のように進学率を向上させる策も取ることができません。そして、運営主体は国ではなく自治体です。少子化に合わせて統廃合が余儀なくされている結果、実行に移していると理解しています。


私の居住区の練馬区は人口増加中ですのでまだ統廃合に至っておりませんが、お隣の中野区は大胆に小中学校の数を減らしている真っ最中です。学校の名前が変わったと思ったら、その隣の学校がなくなり、統合した結果でした。



大学の統廃合


先日、一橋大学院の一條和生教授の話を伺う機会があったのですが、小泉政権時代の国立大学の法人化というのは、大学の交付金を毎年ある一定割合で減らしていき、大学の自立とリストラクチャリングを促すのが目的だったとのことです。具体的に、東京商船大学と東京水産大学が合併し、2003年、東京海洋大学になりました。


大学も座して待っているわけではなく、大変な危機感を持っておられるようです。この8月に参加した「教育政策シンポジウム」では、大学の経営スタッフ強化、教育機関としての役割の見直し(イノベーション教育と職業教育)、留学生の呼び込みなどが話題となりました。



もはや大学の改革は待ったなしだと思います。内田樹氏が正鵠を得たツイートをしていましたので引用します。



大学の国際競争力強化


そしてもうひとつの課題は国際競争力強化です。



内田氏のおっしゃるとおり、企業もそうであったように、すべての国立大学の国際競争力を強化できるほど、日本政府の財政にゆとりはありません。競争力を強化すべき大学とそうでない大学の峻別が必要です。


自国の大学に世界から優秀な若者を集めることができるアメリカは、21世紀の成長も疑う余地がないと思っています。そしてもうひとつ、世界から優秀な大学生を集めることのできる国があります。イギリスです。世界大学ランキングで、上位10校中3校がイギリスです。


イギリスに見習う


私がシンガポールに駐在していた折、部下の一人はイギリス留学組でした。シンガポールは元々大学が2つしかないこともあり、大学志望者のかなりの割合が海外へ留学しにいきます。統計情報を確認したわけではありませんが、私が知っている限りでは一番の留学先はイギリスでした(二番手はアメリカ、オーストラリア)。衰退国と揶揄されることもあるイギリスが現在もなお世界に大きな影響を行使できる理由のひとつは、この留学生の受け入れにあるのではないでしょうか?




教育面において人口減少を迎えた日本が取り組む課題は、選抜された大学の国際競争力強化です。留学生を呼び込むことにより、日本全体の知を向上させ、グローバル人脈ネットワークを構築することによって、人口減少に備えることができるのではないでしょうか。国の成り立ちが異なり人口が増加中のアメリカを見習うことは無理だとしても、イギリスはおおいに見習うことができるのではないかと思います。



煽る記事に騙されないで



さて、最初のライブドアニュースの記事を再掲します。元記事はLITERAという左翼系メディアの記事です。LITERAのサイトを見ると、安倍内閣批判、橋下市長批判、「大企業は法人税を払ってなかった」といったトンデモ記事のオンパレードです。財政や経済のことを考えず結果平等を求める典型的な社会主義メディアです。『国立大学が「文系廃止」』と煽るような記事に騙されて、Facebookでシェアなどしないようお願いします。




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