果たしてこのまま日本は沈むのだろうか?

日没

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本書が描く日本の未来は大変厳しいです。


著者の小笠原泰氏の本を読むのはこれで3冊目となります。マッキンゼーを皮切りに、フォルクスワーゲン本社、食料生産大手のカーギル本社を渡り歩いた方。1冊目が『なんとなく、日本人』、2冊目が『日本型イノベーションのすすめ』。日本の外に長い間いたこともあり、日本、日本人に対する客観的な視点を私は評価しています。


日本の行く末を考える際、日本人の特徴とは一体何なんだろうか?ということを探求するため、いろんな本を読み漁りました。その中で小笠原氏の『なんとなく、日本人』は、非常に腹落ちしました。おそらく、当時、小笠原氏は海外から日本に帰国してまもないころです。


本書では、アベノミクスは全否定、日本の財政再建はもはやほぼ不可能ではないかという現実を突きつけます。こうなった原因は、日本人の幼児体質にあると一刀両断。結局、この国を悪くしているのは、政治家でも官僚でもなく、もちろん企業でもなく、すべて国民の責任だと言い切ります。私の問題意識と100%一致します。


しかし、手をこまねいているわけにはいかない。生き延びるために国がすべきこと、企業がすべきこと、個人がすべきことをそれぞれ10~11か条挙げています。


類似書も多いため、必ずしも著者の提言が目新しいということはありませんが、いくつかは斬新なアイデアであったこと、またコンパクトにまとまりかつ読みやすい文体であることから、本書は大いに薦めたいと思います。


<目次>
  • 第1章 安楽死に向かう泥舟国家
  • 第2章 戦国時代化していく日本
  • 第3章 変化に適応できる国、ダメな国
  • 第4章 日本をうまく縮小均衡させる11の方策
  • 第5章 企業が生き延びるための10の条件
  • 第6章 個人が生き抜くための10の覚悟


日本をうまく縮小均衡させる11の方策

  1. 国の力が低下することを自覚せよ
  2. 人口小国主義で構わない
  3. 政府・役所は必要最低限を残して解体せよ
  4. 地方は精神的・金銭的に自立せよ
  5. 国の借金は永久国債・愛国国債で減らす
  6. 伝統的な家族観・結婚観を打破せよ
  7. 「長生きさせる」制度から「自然の寿命に任せる」制度へ
  8. 「安楽死特区」をつくれ
  9. 全大学は定員を半減せよ
  10. 政治家と役人は55歳で公職追放にせよ
  11. 使いすぎた医療・介護費は死亡時に資産と相殺する

企業が生き延びるための10の条件

  1. ナショナリズムにこだわらない
  2. 業界意識を捨てる
  3. 変化の時間は加速すると思え
  4. 規模のメリットは薄れていくと覚悟する
  5. 価値がハードからソフトにシフトしていることに気づく
  6. 組織は積極的惰性から脱する
  7. 経営トップには判断の質とスピードが要求される
  8. 「ダイバーシティ」の意味を十二分に理解しているか
  9. 「日本人だから特別」ではなくなる
  10. 「変える意志、変わる勇気」と「変わらない選択、変えない忍耐」

個人が生き抜くための10の覚悟

  1. 国に頼らない覚悟を決める
  2. 自分で選択肢、結果を受け止める
  3. 若者は日本を見捨ててよい
  4. 変化を嫌うな - 変わらないために変われ
  5. まず英語、ICT。基礎となるスキルを磨け
  6. グローバル化は進化。適応しなければ淘汰される
  7. 強い意志で自己の価値を高めよ。機械に使われないために
  8. 優等生にはならない - クレバーではなくスマートであれ
  9. 日本にとどまるなら生活をダウンサイジング
  10. 日本は最低限の社会保障になることを受け入れる

関連書籍

日本型イノベーションのすすめ
小笠原 泰, 重久 朋子
日本経済新聞出版社 ( 2009-04 )
ISBN: 9784532314521


上記2冊は、小笠原氏の著書。特に、『なんとなく、日本人』は、日本人を理解するのにおすすめ。小笠原氏は言語学の専門家ではないが、日本語が日本人の形成に影響を与えている可能性を指摘しており、非常にい納得感がありました。



私がバイブルとしている本。



2052 今後40年のグローバル予測
ヨルゲン・ランダース
日経BP社 ( 2013-01-09 )
ISBN: 9784822249410


厳しい未来を予測しているのがこの本。書評を書いていますので参照ください。



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