<目次>
  • はじめに
  • 1 BECOMING
  • 2 COGNIFYING
  • 3 FLOWING
  • 4 SCREENING
  • 5 ACCESSING
  • 6 SHARING
  • 7 FILTERING
  • 8 REMIXING
  • 9 INTERACTING
  • 10 TRACKING
  • 11 QUESTIONING
  • 12 BEGINNING
  • 謝辞
  • 訳者あとがき



3本目の書評です。


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SCREENING


1969年生まれの私は、物心がついたころ、4人家族の我が家にはスクリーンは1つでした。1973年にその後大学卒業まで過ごすことになる家に引っ越し、途中からスクリーンは2枚になりました。いつのことだったか、はっきり覚えていませんが。大型の20インチテレビは客間に、小型の14インチか16インチのテレビは食卓でした。この小型のテレビのほうで、任天堂のテレビゲームでよく遊んだものです。その後、小学六年生の時にパソコンを買ってもらい、スクリーンが3枚になりました。


1992年の大学卒業後は一人暮らしとなり、スクリーンは1枚に戻りました。1994年にパソコンを買い、スクリーンは2枚へ。転勤でシンガポールに行くと、そこにはテレビが2枚あり、パソコンと合わせてスクリーンが3枚になりました。携帯電話も合わせれば、スクリーンは4枚です。


2000年、日本に戻って、テレビ1台、パソコン1台、携帯電話1つでスクリーンは3台。

その後、急増して、現在の構成は以下の通り。

  • スマートフォンを含む携帯電話5台
  • パソコン3台
  • タブレット2台
  • iPod Touch1台
  • テレビ1台
  • 合計12台


すべてのスクリーンは、通信(携帯電話網またはWIFI)、放送によって、遠隔の情報を映し出します。


紙媒体と電子媒体の対比


さて、本書の「SCREENING」の章では、電子書籍の未来にフィーチャーしています。前章の「FLOWING」にも出てきましたが、再掲します。


本が固定化を体現する四つの方法
  • ページの固定性
  • 版の固定性
  • 物としての固定性
  • 完結性としての固定性


固定性に対抗する四つの流動性
  • ページの流動性
  • 版の流動性
  • 容れ物の流動性
  • 成長という流動性


紙媒体の本は固定化され静的な存在であるのに対し、電子媒体の本は、本来もっと動的・流動的になってもよいはずですが、現状の電子書籍は、きわめて固定的です。読者が勝手に編集されることが許されず、固定化されたままです。


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電子書籍の未来


電子書籍が動的・流動的になるということはどういうことでしょうか?それを実際に体現しているのがWikipediaだと本書は言います。一つ一つのページは独立し、固定的に装丁される、綴じられることはありません。そして、ページ同士はハイパーリンクで繋がれ、相互参照します。


これが紙媒体の本の場合は、脚注が文末、ページ末、章末、巻末に掲載され、また、巻末には参考文献が提示されます。参考文献にアクセスするには、その参考文献の紙媒体を入手しなければなりません。お金もかかりますし、時間もかかります。実際は、欲しい情報にアクセスできないことも多いでしょう。


ハイパーリンクで結ばれた電子書籍は、無料あるいは極めて低コストですぐに欲しい情報にアクセスできるようになるでしょう。


現在の電子本は、スクリーンで読まれる原テキストの流用可能性を欠いている - つまりウィキペディアとは程遠い。しかし近い将来には電子本のテキストもようやく解放され、本に備わった本当の特性が花開く時代が来るだろう。(中略)こうした種類の本が求めていたのは、注を付け、マークして、下線を引き、ブックマークに登録し、まとめ、相互に参照し、ハイパーリンクを張り、シェアし、話題にすることだったのだ。 (P124)


この原型は、アップルのマッキントッシュに搭載されたHypercardに見ることができます。


HealthCare.gov on HyperCard


アップルの開発したHypercardは、Wikipedia、インターネットの原型そのものだったこと。『パターン、Wiki、XP』で触れられている。



スクリーンは堕落をもたらすか


テレビが普及する課程で、教育学者たちは、子どもがテレビにかじりついて読書をしなくなる、勉強をしなくなると警鐘を鳴らしました。


20世紀後半の教育者やインテリ、政治家や親たちは、テレビ世代の子どもはものを書けなくなると心配した。スクリーンは社会的病害の宝庫だと非難された。(P118)


ところが、現状は逆で、読み書きの時間が圧倒的に増えました。特に2000年代半ば以降、ブログなどのWritableなWebが登場(いわゆるWeb2.0)により、飛躍的に書く時間も書くボリュームも書く人数も増えました。パンドラの箱を開き、不可逆な未来へ足を踏み入れた、と言ってよいでしょう。


しかし誰もが驚いたことに、カッコ良くて、相互につながり、極薄のスクリーンをモニターに採用した新しいテレビやタブレットが21世紀の初頭に登場すると、書くことは伝染病のように流行し、その傾向はいまだに膨れ上がっている。人々が文字を読む時間は80年代と比べてほぼ3倍になっている。2015年までにウェブには60兆ページの情報がアップされ、毎日数十億ページずつ増えている。そうしたページは誰かによって書かれたものだ。いまも市井の人々がブログに毎日8000万ページも書いている。ペンの代わりに親指を使って、世界中の若者たちがスマートフォンで毎日5億ものちょっとした書き込みをしている。 (P118)


つづく。


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