南シナ海

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<目次>
  • 1限目 集団的自衛権ってなに?
  • 2限目 日本の身近にある脅威とは?
  • 3限目 戦わずに国を守る方法はあるの?
  • 4限目 自衛隊員のリスクをいかに下げるか?
  • 5限目 スッキリわかる!安全保障Q&A



7月に衆議院を通過し、9月に成立した安全保障関連法。安全保障に関して、だいぶ国民の関心・理解が進んだのではないかと思います。


本書は、ヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員が8月に上梓した本。まさに安全保障関連法案が検討する最中で、国民への説明が足りないのではないかという指摘があった時に出版されました。


本書を読んで、理解が深まった点が2点あります。


理解が深まった点(1) 中国の海洋進出


まず、西沙諸島(パラセル諸島)については、ベトナムからの米軍撤退、南沙諸島(スプラトリー諸島)については、フィリピンからの米軍撤退がきっかけだっとのこと。


もし仮に、沖縄から米軍撤退となると、尖閣諸島侵犯の可能性が出てきます。

昨年の中国の『国防白書』によると、海上侵出が明言されているとのこと。

同白書では、中国の海軍を近海型から遠海型へ、空軍を領空防護型から攻防兼務型へ変更する必要性についても述べています。「攻防兼務型」とあるのは、中国軍が作戦の範囲を広げ、先制攻撃をかけてくる可能性もあることを意味する、と綴りました。

それが、今の中国の軍事戦略なのです。


今、梅棹忠夫氏の『文明の生態史観』を読んでいるのですが、この本は、ユーラシア大陸における各国、各地域の相対的ポジションが、文明の生態を決定づけると論じていました。しかし、軸足はユーラシア大陸で、なぜ、文明が先行した中国やイスラムが没落したのかの説明がなされていません。おそらくそれは、大航海時代以降、貿易手段が陸上輸送から海上輸送へ転換したことが原因です。


数百年という歴史スパンで見た場合、中国の海洋進出は、必然と言えるかもしれません。


理解が深まった点(2) 論ずるべきリスク論


安保法制反対派は、自衛隊のリスクがあるからけしからんと言います。ヒゲの隊長は、二重の意味でけしからんと論じます。


  1. 論ずべきは、自衛隊のリスク以上に国民のリスク
    国民を守ることは誰かがリスクを取ること。すなわちそれが自衛隊。
  2. 自衛隊にリスクがあるのは必然。課題は自衛隊のリスク低減。


反対派は、リスクゼロにせよと言うのでしょうか?

これは典型的な二分法・ゼロリスク思考です。


リスクをゼロにしろという暴論は、原発政策にも見られます。リスクゼロ論者は、リスクゼロを求めるのは、交通事故ゼロやタバコによる肺がんもゼロを求めて頂きたいものです。

そもそも「守る」とは、自分の身を危険にさらして、味方の安全を確保することです。味方を守るために、誰かがリスクを覚悟で行動しないといけません。自衛隊がリスクを背負わなければ、国家国民の安全を保障することはできません。

だから、自衛隊の任務には常にリスクがともないます。これが国防の本質なのです。法案反対派が、自衛隊員のリスクばかりを問題にするのはおかしなことで、自衛隊のリスクをいうなら、国民のリスクはどうでもよいとでもいうのでしょうか。

我々は、自衛隊員のリスク論から国民のリスク論に踏み込んだうえで、自衛隊員のリスクをいかに最小限に抑えるかという議論を進めなくてはならないはずなのです。


反対派こそ説明責任がある。

この動画の批判として、徴兵制が導入されない理由が十分説明されていない、というのがあります。


存在しないことを立証することは、「悪魔の証明」と呼ばれ、論理学では不可能な命題とされています。証明すべきは、存在しないことではなく、存在すること。自民党が徴兵制を導入するという人たちこそ、その説明責任があります。


安全保障関記事


もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)
菊池 誠, 松永 和紀, 伊勢田 哲治, 平川 秀幸, 片瀬 久美子
光文社 ( 2011-09-16 )
ISBN: 9784334036447


沖縄の不都合な真実 (新潮新書)
大久保 潤, 篠原 章
新潮社 ( 2015-01-16 )
ISBN: 9784106106019




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