長くなりそうなので、ブログ記事を3回~4回に分けて書きます。


自己組織化とはなんだろうか?


化学や生物学に見られる「自己組織化」が、社会科学にも応用されて使われることがあるため、かねてより「自己組織化」について基礎を理解しておこうと思っていました。たまたま講談社の科学啓蒙書の新書シリーズである「ブルーバックス」のサイトを眺めていて本書を見つけました。


本書から、「自己組織化」の定義を引用します。

ランダムから秩序へ、またミクロからマクロへと自分で組みあがってしまう現象のことを自己組織化と呼ぶ。

また、Wikipediaから引用すると、次のようになります。

自己組織化(じこそしきか、英: self-organization、self-assembly)とは、自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象のことである。自発的秩序形成とも言う。


自己組織化は、幾何学的な形状を持つ雪の結晶の成長や、孔雀の羽に浮かび上がるフォトニック結晶構造に由来する模様や、シマウマのゼブラ模様、心臓の鼓動など、様々な自然現象の中にも見出すことができる。生物の細胞がDNAを設計図として機能を持った組織を作り出す現象も、極めて高度な自己組織化の結果と考えられている。

通常、「熱力学第二法則」、つまり、「エントロピー増大の法則」により、この世は秩序状態から無秩序状態へと遷移します。しかし、その逆方向に遷移するのが「自己組織化」です。自己組織化というメカニズムにより、この世に生命が誕生しました。自己組織化と秩序・無秩序の関係を図示すると、以下のようになります。本書34ページの挿絵です。


自己組織化とは


人間社会・コミュニティにおける自己組織化

私的解釈としては、物理学・化学・生物学から転じて、コミュニティの形成も自己組織化と考えています。自己組織化の優劣がそのまま、コミュニティ形成の優劣に直結しているように思います。なぜ、人が構成するコミュニティが、生物学と同じ自己組織化のメカニズムに従うのでしょうか?その答えはやはり、人類が生物だからではないでしょうか?自然科学と社会科学をつなぐ架け橋となるのが、自己組織化かもしれません。


本書の構成

<目次>

まえがき

第1章 自己組織化とはなんだろうか

第2章 自己組織化のしくみ

第3章 粘菌は自己組織化する

第4章 脳がつくるリズムとパターン

第5章 生命と人口生命の進化

第6章 生体パーツの自己組織化を操る

第7章 味覚を再現する

第8章 嗅覚を再現する

第9章 生体パーツを取り込むデバイス技術


本書の構成は、ざっくりと第1章から第3章までが自己組織化のメカニズムの解明、第4章から第9章が自己組織化の実例になります。


第1章の結論が、上で示した図になります。自己組織化には平衡系(静的)と非平衡系(動的)があり、無秩序から秩序が形成されます。第2章では、非平衡系の成立する条件として、パルス(信号)とパターンを説明します。なるほど、生命体にはなんらかのパルス、鼓動があります。鼓動は生きている証でもあり、鼓動が止まれば組織は崩壊します。


第3章は、「粘菌」を例に、自己組織化のメカニズムに迫ります。「粘菌」とは、動物と植物の中間のような存在です。真核生物ですので、核を持たない細菌よりも高等生物ということになります。

変形体と呼ばれる栄養体が移動しつつ微生物などを摂食する“動物的”性質を持ちながら、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するといった植物的(あるいは菌類的)性質を併せ持つ生物である。


次の記事で、粘菌、および粘菌ネットワークについてはあらためて書きます。


それではまた。



【書評】『自己組織化とは何か 第2版』


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