前々回、前回につづき、【関ヶ原の戦いの考察】シリーズの3回目です。
現代はドッグイヤーと言われます。この言葉が使われだしたのは、1990年代のインターネット黎明期でしょうか?テクノロジーの進化により社会の変化が激しいさまを指して、人の7倍のスピードで成犬に達する犬にたとえて、ドッグイヤーと呼ばれます。
しかし、この「現代はドッグイヤーだ」という考え方には私は反対です。むろん、インターネットが引き起こす創発によって、一部のテクノロジーはものすごい勢いで進化するでしょう。しかし、青色LEDに見られるように、テクノロジーの基礎固めをするのに30年かかっているケースもあります。また、テクノロジーによって急激な社会の変化も起きることもありますが、それほど変化しないこともあります。
戦国時代もドッグイヤー
歴史を振り返ってみると、短期の間に現代と同じように社会が急激に変化してしまった時代もあります。幕末もそうですし、戦国末期もそうです。
織田信長が横死し、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)が天下取りに名乗りを上げてから実際に天下を取るまで、わずか8年でした。そして、豊臣秀吉が没してから徳川家康が関ヶ原の戦いに勝ち天下を取るまで、わずか2年と33日です。通信手段が限られていた時代だったことを考えると、脅威的なスピードです。
戦国時代と現代とを比較
戦国時代がいかに時代のスピードが早かったか、大名を企業になぞらえて、現代と比べてみるとよく分かります。
わずか8年で圧倒的業界ナンバーワンに躍り出た企業がいかほどあるでしょうか?
わずか2年で業界地図をひっくり返すほど躍進した企業がいかほどあるでしょうか?
政治の世界に目を転じると、1993年と2009年に政権がひっくり返りました。2009年に自民党が下野し、2012年に再度ひっくりかえしました。しかし、政権は変わったけど、実は社会のあり方自体はそれほど変わらなかった、というのが率直なところではないでしょうか?
とすると、社会をより良く変えていこうとするのは、非常に大変なことだということが分かります。
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