【品川読書会】第38回(2020年10月21日)


主催させていただいている品川読書会 on Zoom。事前申込は7名だったのですが当時参加は5名でした。選書レベルが高く、また本にまつわる周辺エピソードにも話題が及んで、大変満足しております。



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紹介を受けた本

『すべてがFになる』


読んだことはないけど、タイトルは知っていました。ミステリー作家の森博嗣さんの4作品目です。元々名古屋大学の助教授だったそうで、Wikipediaで確認すると作家デビューが1995年、退官が2005年と、10年間のパラレルキャリア人生を歩んで来られました。


本書を端に発するS&Mシリーズを始め、物語は延々と続き60冊を超えているそう。その60冊を通じて登場している唯一のキャラクターが真賀田四季で、自分の寿命を延ばすことに成功したとのことです。



『幽霊を創出したのは誰か?』


時は飛んで200年後!知的生命体は4種類に増えたそうで、人間と人間のクローン、人工知能、ウォーカロンというAIを搭載したロボット、インターネット上を生きる生命体。寿命を延ばすことに成功し、生命反応があれば生き返らせることができるため、殺人が出来ない世界。犯人は誰なのか、そもそも殺人とは???


一体その空想力はどこから来るのでしょうか?という感想を抱いたそうです。大変興味をそそられるものの、60冊以上も続くシリーズとなると、おいそれと手を出せません。。。


『津軽』


言わずと知れた津軽出身の太宰治の作品。紹介者の吉岡さん、新幹線も含めて4日間乗り放題のJR東日本「大人の休日倶楽部パス」を使って、青森まで日帰りで行ってきたそうです。新幹線で新青森駅まで行き、一駅戻って青森駅へ。青森駅近くの本屋さんで手にと取ったのが『津軽」。昭和19年、津軽に関しての執筆を依頼された太宰治の紀行です。


このフリーパスで現地の図書館にも足を運んだとのことで、岩手の図書館には必ず震災コーナーがあるそうです。本屋さんも図書館も、その土地柄を表します。


旅をしたら現地の本屋さん・図書館へ足を運ぼう!


太宰治といえば、三鷹に太宰治文学サロンがあります。2013年に文学散歩で訪れたのでした。コロナで中止になってしまいましたが、朗読会を催していたんですね。



『薪を焚く』


ノルウェーではまだまだ薪で暖を取っているとのこと。そのことにより送電線負荷を下げているとのことです。薪を運び、薪を切りのは力仕事。一家に一台チェーンソーがあります。薪をしっかりと管理できるかどうかは男性の沽券に係わる大きな問題とのことです。ダンディズムならぬ薪イズム。薪の積み上げ方にも工夫があり、モザイクがアート作品になるのと同様、積み上げられた薪もまたアートになります。


薪を焚く - Google 画像検索


『まっすぐな線が引ければ字はうまくなる』


著者の高宮暉峰さんは書道家。



紹介者は著者本人から本書をいただいたとのこと。きれいな字を描くには、まずは姿勢、そして空間認知能力とのことです。本書はその練習帳になっているとのことです。まっすぐな線を描けるかどうかは、メンタルな要素が大きいようです。


IT化により、手書き文字を書く機会は薄れ、文字のほとんどはタイピングで書くようになりました。まっすぐ線を描く訓練、してみたいですね。


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紹介した本

『これからの時代を生き抜くための生物学入門』


生物の生態系・多様性から我々人間社会は何を学ぶべきなのでしょうか。多様性があるからこそ生態系は均衡が保たれ、それは人間社会にも当てはまるとのこと。19世紀、メンデルの遺伝学、ダーウィンの進化論により、遺伝子には優性と劣性があることが分かりました。20世紀前半、優生学は誤用され、ナチスは優生学をもとにユダヤ人殲滅を図ろうとし、ハンセン病患者は隔離され、優生保護法のもちに矯正不妊治療が施されました。日本でこの優生保護法が廃止されたのは1996年、優生保護法による被害者への賠償問題はまだ現在進行形です。


著者はそもそも優性・劣性なのではなく、その時々の環境に適応できているものが優性と見えているだけで、環境が変われば立場が逆転するとしています。ジュラ紀・白亜紀は地球は今より温暖で大気圧も高く、変温動物だった爬虫類が大型化し、恐竜になりました。胎生の哺乳類は劣性だったわけです。しかし気温が急激に低下すると恐竜は自分の巨体を維持することができず滅び、毛皮に覆われた恒温動物の哺乳類が生き永らえます。


劣性とは、弱き者を生み出すメカニズムなのではなく、環境変化に備えた多様性の確保が狙いだったのです。ですので、人間社会も、遺伝的な劣性者を排除する、弱者を排除すると、多様性が損なわれ、今後起こり得る環境変化に対峙できなくなる恐れがあります。社会を豊かにするためにも多様な社会、一見劣性に見える因子を持った人たちを包摂することが必要なのだと、生物学の観点からもあらためて思いました。


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