父と子
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Facebook上で、友人の男性の育休報告がありました。


最近、仕事で自然言語処理に携わっていますが、言葉を覚えるメカニズムを知れば知るほど、まだ言葉を発しない時期に言葉のシャワーを浴びせることが、如何にその子の語彙、その子の能力に影響を与えるのかを思い知らされます。一説に、3歳までのべ3000万語を浴びせるそうです。子の言葉は全て親の言葉の鏡。お子さんが生まれた方はいっぱい話しかけてあげてください。


記憶というのは言葉です。言葉があって初めて成り立ちます。言葉の意味が理解できない段階のことは、記憶することができません。意味が理解できない段階では、言葉はただ音波に過ぎず、口パクでしかありません。しかし、意味が分からなくても、受信した聴覚・視覚信号は、本能として脳の奥底に沈殿していきます。その沈殿量・厚みは、浴びせられた言葉の数に比例します。


ある日突然、子どもはしゃべり始めます。しかし、突然に見えるのは表面上のことだけであって、実際は、脳の奥底に沈殿した言葉の厚みがある臨界点を超えたところでしゃべりはじめるわけです。3歳で1000語を話すと言われますが、個人差が大きく、500語の子もいれば2000語の子もいるでしょう。


言葉はこの世を知る為の窓です。遅れても挽回することはできるでしょうが、語彙数が多ければ多いほど、世の中を知る窓は大きく開けます。


『「学力」の経済学』で中室牧子氏が述べていますが、子どもが小さければ小さい時ほど、教育の費用対効果は大きいとのこと。


昨今、生後半年もしくは1年間を育休で過ごすパパが徐々に増えてきました。子どもは大きくなれば、1歳未満のことは覚えていません。さきほど述べたように、覚えられないのは記憶するのに必要な語彙が足りないからです。しかし、パパが話しかけた言葉は、脳裏の奥深くに沈殿し、その子の一生を作る土台となるでしょう。


関連書籍

『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』

3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ
ダナ・サスキンド
明石書店 ( 2018-05-14 )
ISBN: 9784750346663


読んでいませんが、「3000万語」のネタ本です。


『「学力」の経済学』

「学力」の経済学
中室 牧子
ディスカヴァー・トゥエンティワン ( 2015-06-18 )
ISBN: 9784799316856


子どもが小さければ小さいほど費用対効果が大きいことを説きます。とかく教育論は根拠のない風説が飛び交います。本書はエビデンスベースで学力を問います。


『奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝』

奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)
ヘレン ケラー
新潮社 ( 2004-07-28 )
ISBN: 9784102148211


1歳9か月で視覚と聴力を失ったヘレン・ケラーが言葉を獲得していくエピソードは心を打たれます。視覚と聴覚を失った分、ヘレンの感受性は大変優れており、22歳で書いた本自伝での表現の豊かさに驚かされます。


『ことばの発達の謎を解く』

ことばの発達の謎を解く (ちくまプリマー新書)
今井 むつみ
筑摩書房 ( 2013-01-09 )
ISBN: 9784480688934


言語学の扉を開こうと思って読んだのが本書です。本書でヘレン・ケラーのエピソードを知りました。



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