最近は、イスラム教やらキリスト教やら宗教関連の本をよく読んでいます。日本人のマジョリティがおそらくそうであるように、私自身、宗教に無関心でした。クリスマスを祝い、初詣は神社に行き、葬儀は仏式で行う典型的な日本人です。


昨年来のイスラム関連の事件で、「イスラム教知っとかなきゃまずいんとちゃう?」と気づき、イスラム教関連の本を読み漁り、イスラムが見えてくると、同じルーツを持つキリスト教にも興味がうつり、そして日本を振り返った時に、日本最大の宗教セクトである「創価学会」に関心が移ってきたところです。



私自身の「創価学会」に対する理解も、これまたステレオタイプなものでしかありませんでした。


  • 日蓮宗の一派だよね。
  • 実質、創価学会員=公明党
  • 政教分離の原則はどうよ。


これが多くの日本人が理解している創価学会ではないでしょうか。本書を通じて、創価学会のことを少しは理解できました。ほんの少しだけですが。


『創価学会と平和主義 (朝日新書)』の構成


<目次>

第1章 集団的自衛権容認の真相 公明党は本当に押し切られたのか

第2章 歴史的に見た創価学会、公明党、日蓮正宗

第3章 「池田大作」の思想と行動

第4章 “うさんくささ”と政教分離をめぐる

第5章 創価学会インタナショナル(SGI)と世界宗教

第6章 いまを生きる宗教 一キリスト教徒の視点から

あとがき

資料 閣議決定文書


本書を知ったきっかけは、読書仲間の北澤さんの書評を通じてです。本書と出会わせてくれた北澤さんに、あらためてお礼を申し上げます。


目次を見ながら内容をなぞっていくと、まず第一章は、平和主義を理念とする公明党が、なぜ安倍内閣の推進する集団的自衛権を容認したのか?という点です。私は集団的自衛権にそれほど詳しくはありませんが、公明党は容認したのではなく足かせを嵌めたのだ、というのが著者・佐藤優氏の見立てです。



未来志向の日蓮宗/創価学会


第二章は、日蓮正宗と創価学会、創価学会と公明党の歴史です。Wikipediaで再確認したのですが、創価学会の設立は1930年、そして日蓮正宗から破門されたのが1991年です。


鎌倉仏教の日蓮宗は、同時期の仏教の宗派と比べると、他宗派を攻撃していたこともあり、どうしても過激なイメージがつきまといます。もうひとつの代表的な鎌倉仏教である浄土宗/浄土真宗と日蓮宗の違いは何か、図らずも端的に理解することができました。本書から引用します。

浄土宗

過去(因)→現在(果)→念仏(転換の契機)→極楽往生

日蓮宗

現在(因)→唱題(転換の契機)→未来(果) (P61)


浄土宗は、過去の原因の結果として現在があるとし、現在の悪は覆らないのだから、「南無阿弥陀仏」を唱えて未来は極楽往生しようという考え方です。一方で、日蓮宗は、現在の結果、未来があると考え、そのために「南無妙法蓮華経」を唱和し、未来をより良くしようという考え方です。そうだったのか!日蓮宗。


そうすると、私は俄然日蓮宗のほうが好きです。(私の父の家系は浄土真宗ですが・・・) 日蓮宗、そして創価学会も、未来に向けて世界を平和なものにしてこうという姿勢が通底していることになります。


ユダヤ教とキリスト教、仏教(日蓮宗)と創価学会


第三章は、池田大作氏のことです。類まれなる世渡りの才能を持たれている方だと思いました。


第四章は、タイトルのとおり、政教分離をしているのか?分離をしておらず、うさんくさいのではないか?ということについての論点整理です。しかし、分離を意図してきたために、関係が妙にぎくしゃくしているという印象を持ちました。


第五章は世界宗教への飛躍、そして第六章はキリスト教との対比です。日本の創価学会というのは、国際組織である創価学会インタナショナル(SGI)の下部組織という位置づけになっているんですね。知らなかった。着実に世界に学会員を増やしています。そして、キリスト教というの対比も、おもしろいと思いました。


イエス・キリスト自身は、自分が帰依している宗教はユダヤ教だと考えていました。キリスト教が成立するのは、キリストの死後、使徒パウロらによるものです。ユダヤ教から見ると、キリスト教は異端の新興宗教でした。


あれれ?それって日蓮正宗と創価学会の関係と似ているような。


キリスト教は、ユダヤ教を苗床に広がり、やがてユダヤ教を凌駕し、300年の時を経て、ローマ帝国に認定されました。創価学会も、日蓮正宗そして他宗派の仏教を苗床に、広がりを見せていっていると言えます。300年の後に振り返ると、キリスト教がユダヤ教から分離独立したように、創価学会もまた仏教から分離独立した存在として認められるのかもしれません。


創価学会の本尊とされる法華曼荼羅

法華曼荼羅

画像出典Wikipedia ライセンス:P.D.



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