<目次>
  • まえがき
  • 久世番子「谷崎ガールズ」
  • 古屋兎丸「少年」
  • 西村ツチカ「人間が猿になった話」
  • 近藤聡乃「夢の浮橋」
  • 山田参助「飈風」
  • 今日マチ子「痴人の愛」
  • 榎本俊二「青塚氏の話」
  • 高野文子「陰翳礼讃」
  • しりあがり寿「瘋癲老人日記」
  • 山口晃「台所太平記」
  • 作者あとがき
  • 主要参考文献


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11人の漫画家が冒頭の1作品を除き、それぞれ1作品ずつ谷崎純一郎の作品の世界をマンガで描写します。1作品目のみ独自作品のようです。この書評を書くにあたって、今知ったばかりなのですが、中央公論新社上でWeb連載をされていたようで、連載終了後に本書を出版し、Web上からは削除されたようです。



この『谷崎万華鏡 - 谷崎潤一郎マンガアンソロジー』とは、4年前の日本近代文学館での谷崎潤一郎の展示でも出会っておりました。



長編・短編、膨大な作品を世に残した谷崎潤一郎。谷崎潤一郎ファンを自称する私とて、なかなか読破できるものではありません。そんな中、谷崎作品のダイジェストを送る本書は貴重です。いくつか気に入ったものをピックアップします。


『少年』

初期の短編作品で、この時谷崎24歳。3人の少年とそのうちの1人の姉との破廉恥な物語。当初、弟の少年が支配者となり、姉と友人二人を支配しますが、いつしか主従関係は逆転、姉が3人の少年を支配します。女性に支配されたい谷崎の本質の発露がここに見て取れます。


『夢の浮橋』

谷崎が描くのは、支配する女性・支配される男性の関係だけではありません。『少将滋幹の母』のように、母を想う美しい物語もあります。『夢の浮橋』では母と継子と実子の息子が一人ずつ登場しますが、やがて三人目の息子、四人目の息子、五人目の・・・と再現なく息子を生み育てる母を描きます。


『台所太平記』

50歳になる作家・千倉磊吉の邸宅では、幾人もの若き女中を雇い入れています。「忘れ難い数人の娘さん」たちの中から、初、梅、定、駒、小夜、節、鈴、銀の8名を紹介していきます。やがて嫁いだ女中たちも子どもを連れて里帰りのごとく磊吉のもとを訪れます。老齢に差し掛かった谷崎潤一郎の願望そのものなのでしょう。


四人の娘を持つ私もだんだん谷崎の気持ちが分かっていきます。


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