仕事を早く切り上げて、横浜の港の見える丘公園にある神奈川近代文学館で開催されている谷崎潤一郎展に行って来ました。谷崎潤一郎は私の最も敬愛する小説家でもあります。



1965年没ですので、没後50年になります。1968年に川端康成が日本人初となるノーベル文学賞を受賞しましたが、谷崎は1958年から4度ノーベル文学賞候補になっており、長生きしていれば、日本人初のノーベル文学賞は谷崎だった可能性もあります。少なくとも、谷崎と川端の文章を読み比べて、日本語としての美しさは谷崎が勝ると思います。そんなに読み比べるほど読んでいるわけではありませんが・・・


いつも参加させていただいている朝活読書サロンで、「一緒に行きませんか?」とお誘いするものの、痺れを切らして行ってきてしまいました。すみません。


「私を召し使いにしてください。」


さて、谷崎潤一郎といえば、生涯に三度結婚しました。


  • 一人目:石川千代(婚姻期間は1915~1930年)
  • 二人目:古川丁未子(婚姻期間は1931~1935年)
  • 三人目:森田松子(婚姻期間は1935年~1965年)


谷崎は、ある意味、女性を偶像視していました。三人の妻の中でも、最後に結婚した森田松子こそが谷崎の理想の女性だったとのことです。松子との出会いは1929年。松子は別の男性の妻でした。谷崎はすでに千代との婚姻関係は実質破綻していましたが、出会いと同時にすでに恋に落ちていたようです。


理想の女性である松子に対し、1933年には、私を下僕として召し使いにして下さいといった手紙を送っています。1935年に松子の離婚が成立するや否や、自分も丁未子と離婚し、晴れて松子と結婚します。理想の女性である松子には、家事をさせなかったとのこと。また、松子は四人姉妹とのことで、後に『細雪』の四人姉妹のモデルになったとのこと。


なぜ谷崎がかように女性に対して尊崇の念を抱いたのかと言いますと、展示の説明では、祖父の影響ではないかとのことでした。祖父は四男四女を設けますが、男の子3人は養子に出してしまい、女の子を溺愛したようです。そして谷崎姓は次女を通じて、潤一郎に引き継がれます。そして、そんな谷崎の性癖は、私自身を見ているようです。


「女性を偶像視」と言えば聞こえはいいのですが、要は、「M男」とか「変態」ということです。



神奈川近代文学館の建物


港が見える丘公園内にあります。


左上が地下鉄横浜みなとみらい線の元町・中華街駅方面です。


横浜港を臨む。


港が見える丘公園内のポスター


谷崎潤一郎の本

読んだ

痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1947-11-12 )
ISBN: 9784101005010

痴人の愛 (宝島社文庫)
谷崎 潤一郎
宝島社 ( 2016-02-19 )
ISBN: 9784800252371


蓼喰う虫 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1951-11-02 )
ISBN: 9784101005072


セックスレスの夫婦。夫は外で女と遊び、妻は浮気をする。


文章読本 (中公文庫)
谷崎 潤一郎
中央公論社 ( 1996-02-18 )
ISBN: 9784122025356


異才谷崎の文章術の本。


春琴抄 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1951-02-02 )
ISBN: 9784101005041


盲目でわがままな三味線奏者のお嬢様春琴と丁稚の佐助。佐助はやけどした春琴の顔を見ぬため、永遠に美しい春琴の顔を封じるために、自らの目を貫く。まさに、理想の女性と召し使いの関係が見て取れる。


読みたい

細雪 (上) (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1955-11-01 )
ISBN: 9784101005126


読みたい、と言ったものの三巻構成!

「鶴子」「幸子」「雪子」「妙子」四姉妹の物語。鶴子、幸子は既婚、雪子は30歳を過ぎて独身、妙子は20代半ばで自由奔放、複数の男と遊ぶ女。幸子は、谷崎の妻、松子がモデルとのこと。


卍 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1951-12-12 )
ISBN: 9784101005089


女性二人の同性愛の話。


谷崎潤一郎論



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