電話をかける
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本当に不思議なのだが、大企業それも大新聞の人々は、いまだにメールよりも電話のほうが礼儀にかなっていると思っているようだ。本日も食事中の夜6時以降に3回も電話してきた。非常に無礼である。


HONZ代表である成毛眞氏のこのFacebook上の発言が、はげしく賛同する人たちのコメントでバズっていました。その様相を見て、大変気味悪く感じました。


先にお断りしておくと、成毛眞氏は、私の読書についての師匠筋にあたる人です。そもそも、このブログを始めたきっかけも、HONZへの応募がきっかけでした。もちろん直接の面識はないものの、私の人生に少なからぬ影響を与えた方です。全てではありませんが、氏の著書のいくつかは読んでいます。


気味が悪いと私が感じたのは、その真意を理解することなく、盲目的に迎合する姿勢です。『大人げない大人になれ!』という本を執筆している通り、成毛氏自身は大人げない大人を目指していると思いますし、実際に大人げない大人だな、と私は思います。「食事時に電話するのは無礼だ」と言えるのは、そんな成毛氏の姿勢と表裏一体であり、「大人げない大人」ではない人や、なり切れない人が同じことをしても、失敗するだけです。


プロ野球の選手が、自分の練習メニューを披露したとしましょう。草野球を始めた人が、同じ練習メニューをこなせますか?


私は、アスリートたちの本を読むのが好きです。HONZに応募した時の書評は桑田真澄氏でしたし、三浦知良氏や工藤公康氏の自伝も読みました。彼らの練習メニューを真似しようとは思いませんが、彼らの生きざまや人生哲学は、大いに参考になっています。


成毛眞氏の読書哲学や、ビジネス哲学、歌舞伎論など、大いに参考になります。しかし、このメールより電話が無礼だとする成毛氏の主張には、私は賛同しません。


成毛氏のようになれない普通のビジネスマン、サラリーマンにとって、電話なしで仕事はできません。今日も私も何本も電話をしています。メールより速攻性が高く、そして肝心なことは、私が申すまでもなく、あいまいなニュアンスの確認は、メールより電話や直接の面談が有効な点です。


もちろん、私もソーシャルネットワーク上で繋がっている友人たちとのコミュニケーションの99%はオンラインメッセージです。しかし一方で、仕事のシーンでそうは行かないのは、仕事をする相手のほとんどは、ソーシャルネットワークのように繋がりがない人のほうが多いですし、そもそも論、ソーシャルネットワークを使いこなしている人のほうがまだまだマイノリティです。ソーシャルネットワークを使っている人としか仕事をしない人は、オンラインメッセージのやり取りだけで仕事で完結するでしょう。そうでない人は、完結しません。


そういった事実を全て無視し、成毛氏の発言に盲目的に賛同の意を表し、具体例を挙げて称賛するさまは、実に気味悪く、無様としか言いようがないのです。典型的な類友効果であり、集団浅慮に陥っています。


成毛氏の著書

成毛氏の発言の特徴は、こうした挑発的なところ。実に大人げない。並の人が、真似して挑発的な態度をとれば、反感を買うだけなのは、言うまでもありません。私自身は、本書は大絶賛です。Amazonレビューで大絶賛コメントを寄せたところ、マイナス評価を食らってしまいました。



成毛氏といえば、『君主論』。成毛氏のお薦めもあり、私も『君主論』を多読するようになりました。ちなみに、本書に書かれているのは、『君主論』そのものではなく、『君主論』を題材にした成毛論です。この本に『君主論』を期待すると外れます。




この本を読んで、「歌舞伎が見てー!」と思ったのですが、まだ実現できていません。





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