<目次>
- #89 食卓と旅立ち
- #90 訓練教官
- #91 舞台役者
- #92 最初の約束
- #93 訓練開始
- #94 心にいつも万歩計
- #95 訓練の意図
- #96 リーダー新田
- #97 ニッタとムッタ
- #98 弟
- #99 二人の兄
第9巻はヒビトの月面での遭難が中心だった。第10巻では打って変わって、ムッタら宇宙飛行士候補生らのNASAでの訓練が中心になる。まず日本からの旅立ち。セリカとここまで登場場面があまりなかった北村絵名の家族とのシーン。絵名には3人の弟と1人の妹がいた(#89)。
舞台は再びアメリカへ。宇宙飛行士室長のジェーソン・バトラーの前に訓練教官のビンセント・ボールドが現れる。冷静沈着で笑顔を見せないタイプ。宇宙飛行士候補生はアメリカ10名、日本5名、イギリス・ドイツが4名ずつ、カナダ・イタリア・フランスが2名ずつ、インドが1名。うち女性は7名(#90)。
紫三世がムッタに対し、宇宙飛行士は舞台役者のようなものだと言う。誰を舞台に出すかは室長という名のプロデューサー次第(#91)。レセプションで各国の候補生と懇親。インド人のアマンティ・パテルと出会う。美人!アマンティは占いの名人でムッタに不吉な予感を見出してしまった(#92)。

いよいよ訓練開始。教官はビンセント・ボールドとラリー・バイソン。6人1組、5組に分かれて砂漠を行軍。6日間で70キロ先のアマリロを目指す。出身別のチーム編成で、Eチームは日本人5名+アマンティ(#93-94)。初日からEチームは最下位に(#95)。リーダーは順番に交替し、新田の番になりスピードを速める。さらにムッタがリーダーに。そこへ突然新田が戻ると言い出す(#96)。
新田は携帯を落としたのだ。大事な電話がかかってくるという。しかしムッタは新田の希望を却下。全員前進し、食料を見つけて投宿。そしてムッタと新田は引き返す。新田には引き籠り中の弟がいたのだ(#97)。その弟から電話が来るという。新田はなんとしても弟と向き合ってやらねばならない。前日の食料のところまで引き返すと・・・携帯があった。しかし、既に着信した後だった(#98)。
ムッタにも新田にも弟がいた。優秀過ぎる弟を持つムッタ。引き籠りの弟を持つ新田。新田はJAXAのホームページで自身のビデオメッセージでこう述べる。自分の居場所がないと強く感じ、小さな世界に閉じこもっているのなら、それこそが外に飛び出す原動力だと。はたして弟へメッセージは届いたであろうか(#99)。
つづく。
コメント