「言葉にできる」は武器になる。
梅田 悟司
日本経済新聞出版社 ( 2016-08-26 )
ISBN: 9784532320751

<目次>
  • 1 「内なる言葉」と向き合う
  • 2 正しく考えを深める「思考サイクル」
  • 3 プロが行う「言葉にするプロセス」
    • 戦略1 日本語の「型」を知る
    • 戦略2 言葉を生み出す「心構え」を持つ


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読みたい「言葉にできる」関連本三部作の二冊目です。



この『「言葉にできる」は武器になる。』で得られた最大の収穫は、「一気に書く」ことでしょうか。本書評も、その「一気に書く」技法を用いて書き上げています。後述します。


「内なる言葉」を磨く


本書の最大テーマは、「言葉にできる」ために必要なことは、コミュニケーション技術を磨くことではなく「内なる言葉」を磨くことだ、ということです。修辞法で言葉を飾るのではなく、深みがある言葉、重みのある言葉をどうしたら生み出せるのか?という点にフォーカスします。


内なる言葉を深めるということは、思考を深めると同義です。それを2章で説明しています。そして、深めた思考を言葉に絞り出すための技法として、日本語の「型」と「心構え」を3章で説明しています。


<思考サイクル>


  1. 頭にあることを書き出す<アウトプット>
  2. 「T字型思考法」で考えをすすめる<連想と深化>
  3. 同じ仲間を分類する<グルーピング>
  4. 足りない箇所に気付き、埋める<視点の拡張>
  5. 時間を置いて、きちんと寝かせる<客観性の確保>
  6. 真逆を考える<逆転の発想>
  7. 違う人の視点から考える<複眼思考>


<アウトプット>はランダムに書き出すこと。ポストイットのお役立ち場面です。<連想と深化>の連想は、「水平思考」(ラテラルシンキング)、深化は「なぜなぜ分析」や「ロジカルシンキング」のことでしょう。



ランダムに書き出したものに幅と深みを与えたあと、グルーピングし、全体を俯瞰して抜け漏れをチェックします。そして、その後一旦寝かせます。『思考の整理学』で外山滋比古氏も推奨している方法です。


思考を整理するには、一旦寝かせておく、忘却しておくことも大切。5年、10年経ち、熟成・昇華・純化させられる。


<日本語の「型」>


  1. たとえる<比喩・擬人>
  2. 繰り返す<反復>
  3. ギャップをつくる<対句>
  4. 言いきる<断定>
  5. 感じる言葉を使う<呼びかけ><誇張・擬態>


著者に言わせれば、日本語の「型」は、既に中学までの国語で学習済みで、難しい技法ではありません。これまでにも小学校の国語教科書は読んでいましたので、これからは中学の国語教科書を読んでみようと思います。



<心構え>


  1. たった1人に伝わればいい<ターゲッティング>
  2. 常套句を排除する<自分の言葉を豊かにする>
  3. 一文字でも減らす<先鋭化>
  4. きちんと書いて口にする(リズムの重要性>
  5. 動詞にこだわる<文章に躍動感を持たせる>
  6. 新しい文脈をつくる<意味の発明>
  7. 似て非なる言葉を区別する<意味の解像度を上げる>


本書の中で最も収穫が大きかったのが「先鋭化」のところです。「考えながら書く」のではなく「考えをまとめて上で一気に書く」ことです。


「一気に書く」


これまでにも「一気に書く」ことをしていたこともありますが、比率で言えば「考えながら書く」ことのほうがはるかに多かったでしょう。ですので、この「一気に書く」という著者の提言が一番心に染み入りました。


なぜ「考えながら書く」ことがいけないのでしょうか。それは文章がツギハギだらけになってしまうからです。大切なのは、溢れ出る内なる言葉を取りこぼさずに掴み取ることです。溢れ出るスピードに負けぬためには、一気に書きあげるしかありません。


もちろん、一気に書き上げることで、誤字脱字や分法の誤り、言葉不足や冗長表現もあるでしょう。しかし、その修正はあとからでもできます。大切なのは、心の底から溢れてきた言葉をこぼさないこと、それに尽きます。


他に気になったフレーズ


最後に、本書の中で気になったフレーズを2点紹介します。


賢者は、話すべきことがあるから口を開く。

愚者は、話さずにはいられないから口を開く。

プラトン (P16)


これも耳が痛いです。


私は、言葉を「国語」としてではなく、「社会学」や「現代社会」の分野に属するものとして捉えている。 (P148)


これも目から鱗でした。社会との関係性で言葉が決まるという点では、確かに社会学なのでしょう。納得しました。


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