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書評序章

なんとも破廉恥なタイトルの本ですが、副題が示すとおり「不謹慎で真面目な科学」の本です。表紙カバーは、ペニスを模したと思われるキノコと睾丸を模したと思われるクルミ2個。本書を臆することなく通勤途中に電車の中で読破してしまいました。また、前回の朝活読書サロンで読書前に紹介しました。私が本書を紹介した時、女性たちが身を乗り出して私に近づいたかどうかはトップシークレットです。



真面目な進化心理学の本

本のタイトルは英語原文"Why Is the Penis Shaped Like That?"の通りなのですが、『なぜペニスはそんな形なのか』というのは、本書の33章のうちの1章にしか過ぎません。しかし他の章もなかなか、不謹慎な章です。目次構成は文末を参照下さい。


ペニスの形以外にも、陰嚢の隠れた役目、自己フェラ、早漏、精液の効用、陰毛、カニバリズム、にきび、マスターベーション、小児性愛、動物性愛、無性愛者、ホモ恐怖、足フェチ、ゴムフェチ、潮吹き、女性のオルガスム、ファグ・ハグ(男を好きな男を好きな女)、埋葬、神と宗教、自由意志、自殺などを扱います。


本書の言葉を借りれば、認知科学や進化生物学の粋を結集した進化心理学の本です。本書の著者Jesse Bering氏はゲイとのことで、性・生殖に関わる事柄をある意味中立的に説明・解釈を進めてきます。


孔雀・人間のペニス・睾丸

孔雀のオスが美しい羽を持つようになったのは、孔雀のメスが美しい羽を持つオスを好み、美しい羽を持つオスのほうが繁殖に成功したから。一方、美しく大きな羽は同時に邪魔な存在で目立つため、猛獣に狙われやすいはずですが、繁殖するメリットと狙われるリスクを天秤にかけたところ、前者が上回ったということなのでしょう。


同じことは今日のペニスの形や睾丸の形にも言えます。進化の過程でそのほうがデメリットよりもメリットがあったから、その形のほうが生き残る確率が高かったからということになります。


なぜペニスはそんな形なのか

人間以外の類人猿のペニスは、人間のペニスのような亀頭は持っていないとのこと。曰く、人間のペニスがかような形なのは、他の男が注いだ精液を掻き出すためだという説。本書もこの説を取り、科学的に解説します。実際に、人工ヴァギナと人工ペニスと人口精液で実験をすると、よく掻き出されるそうです。


もともと精液掻き出し説のことは知っていたのですが、その説に付随した二つの説を本書で発見。一つは、なぜ射精後にペニスは急速にしぼむのか?もう一つは、しばらく会えないカップルはセックスが激しくなるのか?ならないのか?


これは次の読書会のお題にしようと思います。その2へつづく。


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<目次>
  • 不適切なるものへの誘い
  • 1 どうしてぶら下がっているの? その理由
  • 2 自己フェラチオの道(近づきはしたけど、まだまだ)
  • 3 なぜペニスはそんな形なのか? 突起の謎
  • 4 早漏のなにが「早過ぎ」?
  • 5 ヒトの精液の進化の秘密
  • 6 あそこの毛――ヒトの陰毛とゴリラの体毛
  • 7 カニバリズムの自然史
  • 8 なぜにきびができるのか?――裸のサルとにきび
  • 9 脳損傷があなたを極端なほど好色にする
  • 10 脳のなかの性器
  • 11 好色なゾンビ――夜間の性器と夢遊
  • 12 マスターベーションと想像力
  • 13 小児性愛と思春期性愛
  • 14 動物性愛
  • 15 無性愛者の謎
  • 16 足フェチ――ポドフィリア入門
  • 17 ゴム偏愛者の物語
  • 18 女性の射出
  • 19 「ファグ・ハグ」――男が好きな男を好きな女
  • 20 女性のオルガスムの謎
  • 21 意地悪の進化――なぜ女の子どうしは残酷なのか?
  • 22 ゲイに道は聞くな
  • 23 抑圧された欲望としてのホモ恐怖
  • 24 失恋、性的嫉妬とゲイ
  • 25 トップかボトムか、それとも
  • 26 プレ同性愛者――性的指向を予言する
  • 27 (日曜だけは)敬虔な信者
  • 28 産めよ、増えよ――信者の産む子どもの数
  • 29 亡き母の木
  • 30 自殺は適応的か?
  • 31 自殺者の心のなか
  • 32 ヒトラー問題で考える自由意志
  • 33 笑うネズミ


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