LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン, アンドリュー スコット
東洋経済新報社 ( 2016-10-21 )
ISBN: 9784492533871



全記事では、寿命が延びる点と引退後の必要資金の関係が分かりづらかったため、日本人男性の平均寿命の推移をベースに、図示してみました。それぞれ根拠となる情報について、厳密に調べたわけではありませんので、あくまでも代表モデルとして割り切って説明します。


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図1:1995年から2015年のライフモデルの変化
1955年→2015年のライフモデルの変化


図1は、ざっくりとした1995年から2015年の平均的な日本人男性のライフモデルの変化です。


1955年のライフモデル

日本人男性の平均寿命は63.6歳でした。当時は高校進学率も現在のような高率ではなく(高校進学率が90%を超えるのは1960年代か1970年代)、企業の定年は55歳だと聞いたことがあります。そうすると、18歳で働き始め55歳で定年を迎えることになります。37年間の勤労生活に対し、8年間の引退生活となります。つまり、37年の勤労で8年分の引退後資金を賄えばよいことになります。金利も物価上昇率も仮に0%とし、引退後の生活資金を現役時の50%とすると、年間所得の11%(=8/37*0.5)を積立に回せば、賄えることになります。


日本年金機構のサイトに1955年当時の厚生年金の保険金額が掲載されていました。ざっくりと10%です。つまり、年金をあてにしていれば、引退後の資金が賄えました。なるほど!1950年代はよく考えられた制度だったんですね。



もちろんこの推計は、金利・物価上昇率・賃金上昇率もすべて無視していますのでかなり乱暴ではありますが、次に示す2015年との相対比較という点では、意味があると思います。


2015年のライフモデル

2015年の日本人男性の平均寿命は80.79歳です。大学進学率は50%を超えます。ちなみに私と同年齢の大学進学率は35%でした。ここでは大卒をモデルとし、22歳から働くこととします。そして、多くの企業が定年延長を取り入れており、引退を65歳とします。43年間の勤労生活に対し、15年間の引退生活となります。つまり、43年の勤労で15年分の引退後資金を賄うことになります。金利が仮に0%が続くとし、また引退後の生活資金を現役時の50%とすると、年間所得の17.4%(=15/43*50%)の積立が必要になります。


現在の厚生年金の料率は18%です。厚生年金制度が維持できれば、なんとかなりそうです。


ここで詳しく述べることは控えますが、野口悠紀雄氏の『~2040年問題』によると、少子化による労働人口の減少により、年金制度を維持継続していくためには、2030年代の年金の所得代替率は40%に下がるとしています。つまり、10%相当分、3.5%(=15/43*10%)は、自分で賄うことが必要になります。



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図2:2015年のライフモデル(ピリオド寿命とコーホート寿命)
積立不足で長い引退生活を支えられない


2015年のライフモデル(コーホート寿命)

全記事で述べた通り、いわゆる平均寿命(ピリオド寿命)というのは、寿命の延びというのを考慮に入れていません。1955年当時、1955年の生れの男性は63歳まで生きるとしていました。しかし、寿命はその後延び、1955年生れの人の2015年での平均余命は23年です。もちろん1955年以前に亡くなった人もいますが、そのことを勘案しても、1955年生れの平均寿命は70代後半から80歳ぐらいではないでしょうか。平均寿命の延びを考慮したものを、コーホート寿命と呼びます。1955年生れで2015年まで生き残った人のコーホート寿命は、今後も平均寿命が延びると仮定すると、最低でも83歳です。


であれば、現在40代の人たちは何歳まで生きるのでしょうか?今後の平均寿命の延びが分かりませんので類推するしかありません。平均寿命の延びは、だいたい1985年以降鈍化していますので、1985年から2015年の間の延び率がそのまま延長した場合、だいたい90歳になります。それが図2のコーホート寿命の場合です。


22歳で働き始め、65歳で引退、90歳まで生き延びると、43歳年の勤労生活に対し、25年の引退生活を賄う必要があります。その場合、所得に対して29%(=25/43*50%)の積立が必要です。しかし、年金はこの寿命の延長を考慮に入れていません。また、野口悠紀雄氏のモデルも、この寿命の延びまで考慮していません。


年金で手当てできる総額は、現役時代の7.5年分(15年の引退期間*現役時代の50%)です。野口モデルを適用すると6.0年分(15*40%)です。これを延びた寿命である25年で割ると、24%です。現役時代の50%の資金を確保するには、年金とは別に年収の26%の積立が必要になります。


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積立を増やすか、さもなくば・・・


年収の26%の積立というのは、恐らくほとんどの人に不可能に近いです。それなりの高年収、あるいは利回りのいい投資を行えた方、親の遺産や不動産収入など不労所得をあてにできる方であれば、問題ないでしょうが、さもなくば、残る選択肢は恐らく一つ。


引退を先延ばしにするしかありません。


バランスが取れるのが何歳なのか(シーソーの支点はどこなのか)、恐らくいろんなケースがあって、一概には言えません。昨今のキーワードが、ワークライフ・バランスであったり、ワークスタイル変革。多様な働き方が出てきていますし、収入カーブも人それぞれです。我々の今後の人生設計を考える上で、どういった点を考慮に入れるべきでしょうか?


人生設計の上で考慮すべき点


『LIFE SHIFT』では、働き方そのものの在り方、働き方の変遷の在り方、必要な資産、資金計画、時間の使い方、人間関係の在り方、それぞれのセクターでの課題を体系的かつ包括的に定義していきます。列挙すると以下の通り。


新しい働き方
  • エクスプローラー
  • インディペンデント・プロデューサー
  • ポートフォリオ・ワーカー
働き方の変遷
  • 3.0ステージ:教育-仕事-引退
  • 3.5ステージ:教育-仕事+α-引退
  • 4.0ステージ:教育-仕事-仕事(第二のキャリア)-引退
  • 5.0ステージ:教育-仕事-仕事-仕事-引退
必要な資産(無形資産)
  • 生産性資産:仕事をするための直接の資産-スキル・知識、働く仲間、評判
  • 活力資産:仕事を支える間接的な資産-健康、バランスの取れた生活、友人
  • 変身資産:新しいキャリアへ移るための能力-自己についての知識、ネットワーク、開かれた姿勢
資金計画
  • 自己効力感
  • 自己主体感
時間の使い方
  • リクリエーション
  • リ・クリエーション(自己再教育)
新しい人間関係
  • 家族(夫婦の役割の在り方)
  • 多世代
課題
  • 自分
  • 教育機関
  • 企業
  • 政府


これらについて、自分の身の回りに起きていることを中心に検証して、ブログに書けるところから、書き出していきたいと思います。



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参考書籍


『LIFE SHIFT』は、日本人が書いた本書ともかぶります。



推敲時間:80分




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