「首から下」で考えなさい
シアン・バイロック
サンマーク出版 ( 2015-07-14 )
ISBN: 9784763134462

<目次>
  • はじめに 外の世界が、あなたの脳を活発にする
  • 第一章 体が感情をコントロールする
  • 第二章 まず行動、考えるのは後から
  • 第三章 体を動かせば、頭がよくなる
  • 第四章 体を動かして、アイデアとひらめきを手に入れる
  • 第五章 ボディランゲージ ジェスチャーが思考をサポートする
  • 第六章 他人を理解するために体をつかう
  • 第七章 体をつかって心を動かす 悲劇のヒロインになるのも簡単
  • 第八章 体が「やさしい社会」をつくる
  • 第九章 エクササイズは心も脳も健康にする
  • 第十章 体をつかって心を落ち着かせる
  • 第十一章 環境が変わると、考え方も変わる グリーンマジック
  • エピローグ 体をつかって心と脳を変える四つのポイント


私の認識では、21世紀に入って以降、脳科学が発達してきていると考えている。しかし、脳科学者はそうとは捉えていないかもしれない。私の認識は事実に反しているかもしれない。しかし、21世紀に入って、脳科学の啓蒙が著しく進んだのは事実だろう。子育てや教育、経営の本でも多々引用されている。経営の分野では、たとえば、フロー経営論、『学習する組織』、『ハイ・コンセプト』、『モチベーション3.0』、『U理論』などに、脳科学の影響がみられる。私自身も、これらの本や、脳科学に類する本をいくつか読んでいる。


本書を知ったきっかけは、今年2月の朝活読書サロンにて、サロンの女主人から紹介いただいた。読書日記人気ランキング


思考と心・感情はどこにある?


我々の思考や心・感情は一体どこで生まれているのか?その問いに対し、本書は明確に答えてくれる。


我々の思考や心・感情は、脳内の電気信号だと思っていた。それは正しい。しかし、脳を中核とする神経回路は、全身に張り巡らされている。脳だけでなく、神経がつながる全身も含めて、我々は思考し、感情をいだいている、そう本書は指摘する。


私たちの多くは、感情は心からわき起こるものと考えている。しかし、ニーデンタル博士は、感情がわいてくるのは体が重要な働きをするからだと主張し、この説を裏づける説得力のある研究発表を行った。 (P153)


運動量の頭脳・感情の形成への影響


子育てへの影響

であるならば、子育て・教育の観点で言えば、たくさん遊んだ子、たくさん運動した子のほうが、頭が賢くなり、感情が豊かになることになる。そして、その事実が明らかになりつつある。赤ちゃんが首を持ち上げる、寝返りを打つ、そうした行動自体も、知覚と感覚に影響を与えているとは。


少し話を脱線するが、シュワルツェネッガー主演の『トータル・リコール』、『シックス・デイ』、キアヌ・リーブスの『マトリックス』のように、電気信号だけで、記憶や夢を書き換えることはできないことになる。


近年ワシントンDCにあるNICHD(国立小児保健・人間発達研究所)は、長年の観察の結果、身体の発達は知力に影響を与えることが明らかになったと発表している。心理学者マーク・ボーンステインが率いる研究チームは、374名の子どもを生後5か月から思春期まで定期的に知能と行動の検査をしながら追跡調査した。その結果、驚くべき発見をした。生後5か月での行動が4歳、10歳になったときのIQを決めるだけでなく、14歳になったときの学力(読解と数学を解く力)にも影響を与えていることがわかった。

この行動とは、ハイハイの他にも、頭と肩を同時に数秒間持ち上げていられる、一人でお座りができる、自分のまわりのおもちゃに手を伸ばし、つかむ、などがある。子どもの行動と知力のつながりは、両親の知性や教育レベル、あるいは住まいの環境などで決まるのではなく、本人の運動能力が大いに関係していることを、研究チームは明らかにしたのだった。 (P52)

イリノイ大学のチャールズ・ヒルマン教授は、子どもの知力を改善するにはエクササイズの地からが大きいことを長年研究してきた。彼はさまざまな運動と脳の関係を調査してきた結果、学業成績を向上させたいのなら、フィットネスのような単純な体操が子どもには一番効果があることを発見した。 (P201)


仕事への影響

何も子どもに限ったことではない。大人でも同様だ。運動量の仕事の能力は相関関係があることになる。読書日記人気ランキング


一分間の運動が、脳の神経ネットワークを活発にしてくれる。簡単な運動で思考力、理解力、とくに作業記憶がうまく働く。(中略)一分間運動するだけで、仕事のうえでたった今起きていることに集中でき、関係ないことはスルーできる力が備わる。この作業記憶が積み重なって、IQを組み立てている。 (P205)


脳科学と東洋哲学


脳科学の発達、啓蒙により、こうしたことが分かってきたわけだけれども。。。。

これもよくあることだが、欧米人のこの手の本は、現代の脳科学を東洋哲学に結び付ける傾向がある。仏教や禅など。『ハイ・コンセプト』でも、ダライ・ラマとのエピソードが出てくる。そして本書でも。


長い間、西洋の詩人、作家、哲学者たちは、外で過ごすことは健康によくないと思っていた。ところが東洋の文化が、自然と調和をとり、自然と一体になることの素晴らしさを教えてくれたのだ。太極拳、武道、瞑想、ヨガ、どれも公園で練習しているのをよく見かける。 (P253)


欧米人が東洋哲学に魅せられるのは否定しない。しかし、その因果関係の説明は、端折り過ぎていてかなり短絡的だと思う。未だ、脳科学と東洋哲学の因果を科学的に著した本には出くわしたことがない。あと10年、あるいは5年以内に、そうした本が出てくる、そうした叡智に人類はたどりつけるのではないだろうか。読書日記人気ランキング


ヨガ

image via:pixabay.com (license:CC0)


関連書籍


私の愛読書のひとつ。スライドまで起こした。


学習する組織――システム思考で未来を創造する
ピーター M センゲ, Peter M. Senge
英治出版 ( 2011-06-22 )
ISBN: 9784862761019

本書は読んでいないのだけど、改訂前の版は書評を書いてある。



U理論の原作本は分厚くて挫折したため、代わりにU理論の日本の伝道師中土井氏の入門書を読んだ。氏のワークショップに参加したことがある。ちょうど、このワークショップの帰りの電車で、氏は、入門書のゲラを見せてくれた。



本書は読んでいないが、やはり日本のフロー経営の伝道師、天外伺朗氏(ソニーのAIBOの開発者)の入門書は読んだことがある。非常に分かりやすかった。




この「エニアグラム」という概念は欧米発だが、東洋哲学に通じるものがある。思考(頭)、感情(心)、身体(腹)の関係が分かりやすかった。『「首から下」で考えなさい』の副読書として一番薦めたいのが、この本。




脳科学の本は、この本が分かりやすかった。書評をさぼって書かなかったのが残念。


書評読み比べ


けっこう、書評があるようなので、いくつか読みたいのですが、時間がないので、一旦記事を公開します。時間の都合がつけば、追記いたします。


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