さかき漣さん初の単著となる本作品。人工知能を扱ったミステリー小説です。さかき漣さんとは「『人工』知能と知能を考えるための61冊」を読む #2でお会いしました。 ミステリー小説ものは、書評が書きづらいのですが、ネタバレしない程度におおまかなあらすじと考察をしてみたいと思います。 ...
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【書評】『「学力」の経済学』教育にエビデンスを。
ベストセラーとなった本書は、特に教育に関心の高い方の中では読んだ方も多いのではないかと思います。今さら感もありますので、個人の備忘メモとして残しておきたいと思います。 「教育」の経済効果を「科学的」に検証した場合、どうなるのでしょうか? ...
【書評】『福島第一原発廃炉図鑑』~廃炉を正しく理解しよう
今でも福島の風評被害は納まっていません。放射線被害での死者がほとんどいないのに対し、故郷を追われた避難民の罹患率が高まっています。ちょうどこの4月1日、かなりの地域で避難解除が出ました。しかし、帰宅しようという人々のほうが少数です。 人は、未知なるものに不安を抱きます。正しい知識を得ることは不安を取り除く第一歩です。本書は、廃炉への正しい知識を提供しています。 ...
【書評】『細胞が自分を食べる オートファジーの謎』その2(素人なりに図示してみた。)
オートファジーとは何かを素人考えで図示してみました。専門家の監修を得ているわけではありませんので、あくまでも素人発想ということでご容赦ください。 上から順番に絵の説明をします。生物はさまざまな器官からなります。器官はさまざまな細胞から構成されます。器官が異なれば細胞も異なります。また、細胞が異なれば、細胞を構成するタンパク質も異なります。そして、タンパク質は、20個のアミノ酸から構成されます。 ...
【書評】『細胞が自分を食べる オートファジーの謎』その1(ノーベル生理学・医学賞の研究)
10月3日、大隅良典東工大栄誉教授が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。 「オートファジー」について、受賞時点で大隅先生の著書、大隅先生に関する本は出ておらず、入門書という点では、大隅先生門下の水島教授の本書のみとなります。 「オートファジーを知りたければ本書を読め!」ということになります。 ...
【書評】『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則』その1(不可避・人工知能)
著者のケヴィン・ケリー氏といえば、WIRED誌の創刊者であり編集長を務めた方。インターネットの黎明期からインターネットと関わり、見守ってきた方。まだ3章まで読み終わった段階ですが、テクノロジーのもたらす未来への洞察力は、感嘆します。 この本は何について書かれているか、冒頭の言葉に表れています。 ...
【書評】『ロボット (岩波文庫)』~IoTや人工知能に興味のある人にお薦め
本書はロボットの原点、というより、そもそも「ロボット」という言葉は、本書の著者カレル・チャペック(あるいは彼の兄)によって発明されました。 本書では、テクノロジーについてはほとんど触れられていません。一応少しは書かれていますが、今日から見ると無意味です。それよりも、テクノロジーがもたらす社会の変容に焦点を合わせています。 ...
【書評】『ロボットは東大に入れるか』~意外な試験結果
結論から先に書いてしまうと、ロボットは東大に入れません。ただし、条件つきです。「まだ今は」。 「まだ今は」ということは、いづれ、東大の試験問題を、合格できる程度に解ける時が来るでしょうし、本書で実験しているレベルでも、偏差値45ぐらいの大学であれば、合格できてしまいそうです。 ...
【書評】『ニセ科学を10倍楽しむ本』~血液型性格診断はウソ、ベストセラーが正しいとは限らない
最初に申しておきますと、私の血液型はO型のRh-です。すべての血液型のドナーにはなれますが、私のドナーになれるのは同じO型 Rh-のみです。日本赤十字社によると、日本人に占める割合は670人に一人。輸血が必要となるような事故は避けなければならないと肝に銘じています。 さて、血液に関するこの輸血問題は科学ですが、血液に関する性格診断や相性診断なるものは、ニセ科学です。本書は、いくつかのニセ科学について、分かりやすく楽しく解説してくれます。どんなニセ科学が紹介されているかは、目次を見ていただくとわかります。 ...
【書評】『大村智 - 2億人を病魔から守った化学者』研究者・経営者・美術篤志家・学校経営者
昨年はノーベル物理学賞赤碕勇さんの自伝を読み、今年はノーベル生理学・医学賞受賞の大村智さんの本を読みました。ノーベル賞受賞者の伝記は、けっこうおすすめだと思っています。何事かを成し遂げた人というのは、そこにいたるまでに一体どんな人生の道を歩んできたのでしょうか?そこに多くの示唆があると思います。 赤碕さんが、「一所懸命」を体現したような人であれば、大村さんは時代の先駆者でした。今でこそ風貌はおじいさんですが、ずっとエネルギッシュに活躍され、かつ時代を先導してきました。研究者だけでなく、時に経営者となり、時に美術篤志家となり、時に社会起業家となりました。 ...
【書評】『「辞めさせない」マネジメント』②行動に注目する・経験を言語化する・結果が出せる・報酬がある
本書2本目の書評です。前回は、若手社員が「謎の生物」に見える背景について述べました。じゃ、どうするのかというと、思考や動機ではなく、「行動」に注目しましょう、ということでした。 ...
【書評】『「辞めさせない」マネジメント』①ジェネレーションギャップを埋めるためには。。。
現業の課題に直球ストライクな本。 若手社員とおじさんのジェネレーションギャップの背景。 そしてその処方箋はいかに? ...
日本科学未来館に行ってきた。(8月1日)
子どもたちの夏休みの自由研究の宿題のヒントにはなるだろうと思い、中学生の長男と次女を連れて、日本科学未来館に行ってきました。 ...
【書評】『もうダマされないための「科学」講義』③自然は安全で人工は危険なのか?
本書で取り上げられている怪しい言説の一つが「遺伝子組換え作物」に対する反対です。意外と知られていない事実として、我々日本人は既にかなりの遺伝子組換え作物を摂取している点です。もし、「遺伝子組換え作物」から逃れるには、ありとあらゆる調味料、お菓子、清涼飲料水、牛肉、豚肉、鶏肉、乳製品を避けなければなりません。 ...
【書評】『もうダマされないための「科学」講義』②科学とニセ科学の類似点・相違点
厄介なのは、モード2科学とニセ科学の区別がつきにくいということです。モード2科学はイノベーションに通じるでしょうし、NPOなどの非営利セクターによる社会課題解決の取り組みもモード2科学と言えます。裏を返すと、非営利セクターはニセ科学に付け込まれやすいので、注意が必要です。 ...
【書評】『もうダマされないための「科学」講義』①デマを信じやすい人・信じない人
あいかわらずデマに引っかかってしまう人が跡を絶ちません。東京にいながら放射線を過度に恐れたり、安倍首相を軍国主義者だと信じてしまったり。 ...
人類に質するテクノロジー(科学的な正しさx感情的な共感)~『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』より
正しいことだけを主張していてもダメで、共感を得なければいけない・・・ そう思い立ち、咄嗟に図示したのが冒頭のイラストです。 ...
【書評】『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』~課題意識と行動力が成果を導き出す
本書を一行に圧縮して評すること、こうなります。 「課題意識と行動力が成果を導き出す」 失敗する新規事業は何が足りなかったのか。はっきりしています。課題意識と行動力です。 ...
【書評】『自己組織化とは何か 第2版』③~味覚・嗅覚の自己組織化の解明
『自己組織化とは何か 第2版』についての三本目の記事です。味覚・嗅覚について。 味覚と嗅覚の自己組織化のメカニズムが解明されることにより、味覚センサー・嗅覚センサーが開発され、味と匂いの再現が容易になってきました。 ...
【書評】『自己組織化とは何か 第2版』②~粘菌ネットワークに見る生物と人間社会の類似性
『自己組織化とは何か 第2版』についての二本目の記事です。自己組織化のメカニズムを理解するため、下等生物である粘菌の成長過程を見てみたいと思います。 ...